映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
Virginia/ヴァージニア
2013年08月23日 (金) | 編集 |



フランシス・フォード・コッポラ
の『Virginia/ヴァージニア』を観ました。
Virginia/ヴァージニア(2011)アメリカ
原題:Twixt
監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演:ヴァル・キルマー、 ブルース・ダーン、 エル・ファニング、 ベン・チャップリン、 ジョアンヌ・ウォーリー、 デヴィッド・ペイマー、 オールデン・エアエンライク、 ドン・ノヴェロ 
 【ストーリー】
次回作の執筆に悩むミステリー作家ボルティモアは、サイン会のために寂れた田舎町へとやってくる。かつてエドガー・アラン・ポーが滞在したこともあるというその町では、数日前に胸に杭を打ち込まれた身元不明の少女の死体が発見されたばかり。彼はミステリー好きの保安官から、この事件を題材にした小説を書こうと提案される。(alllcinemaより抜粋)

コッポラの最新作がゾンビもの?ってことで、随分前から期待して待っていた作品です。
実際には幽霊&吸血鬼の混じったゴシック・ミステリーといったところでしょうか。



ストーリーとしてはヴァル・キルマー演じる売れないミステリー作家ボルティモアが、田舎町の幽霊話に興味を持ち、その真相を解明していくというものですが、、観てみると、これがなかなか(笑)
だって、ボルティモアは夢の中でヴァージニアという少女やエドガー・アラン・ポー(ベン・チャップリン)の亡霊やに導かれ、事件の全容を知っていくんです。
少女の死体を保安官の事務所に杭を打ち込まれた状態でいつまでも置いていたり
色んな「???」が出てくる。
で、どうしてこんな映画かというと、そもそもはコッポラが夢に見たストーリーが元になってるから。

夢というのは奇想天外なものもあるけれど、心の奥底にあるものが露わになることもある。
かつては魔女もので人気を博したこともあるけれど、今は三流作家として金銭的にも困窮している主人公のボルティモアはコッポラの分身ですね。
彼が娘をボートの事故で亡くしたという設定も、コッポラの息子さんの話に合致します。
コッポラはインタビューの中で「意図的に書いたのではないが、夢に従った」と言っています。

原題のTwixtというのはbetweenを意味する言葉だそうで
「~の間に」と訳すよりも「○○のときもあれば△△のときもある」というような
物事のもつ違った側面、あるいは人生の浮き沈みを表現してもいるのでしょう。

この映画の場合、かつては名声を得たけれども今は売れない作家であったり
かつては愛した妻も、今はうざいだけの存在だったりw
娘のいる幸せなときと不幸せな今、夢と悪夢、恐ろしさと崇高さ、若さと老い
そういったものがTwixtの意味をなすものだそうです。



奇想天外なプロットを受け入れるかどうかで評価は分かれそうですが
エドガー・アラン・ポーの登場するシーンをモノクロに描き、滲んだ亡霊がかざすランプにパートカラーが使われていたりと、かつてのコッポラの映像的手法を楽しむことができますね。
ゴシック・ホラーという点でもコーマンに師事していた頃のテイストで、監督は明らかに初心に戻ろうとしています。あまりに早い時期に巨匠と崇められ、その後のスランプに押しつぶされたであろう監督が、今、低予算映画に立ち返り、オリジナルな映画で再起を図ろうとしてるのです。

次回作はもっと規模の大きなものになる予定だとか。
期待して待ちますよ。

Vはエル・ファニング演じるヴァージニアと、ボルティモアの死んだ娘ヴィクトリア
両方の頭文字ですね。
保安官を演じるブルース・ダーンのクリーピーな演技が、
どこか浮世離れした雰囲気を醸し出し、さすがにベテラン、グッジョブです。
ポーの詩『大鴉』を知っておくとより面白く観れるかな。


トラックバック一覧

  1. 1. 「ヴァージニア」は目先の変わったダークファンタジーとして意外な面白さがあります

    • [今昔映画館(静岡・神奈川・東京)]
    • August 23, 2013 11:12
    • 今回は、静岡シネギャラリー2で、新作の「ヴァージニア」を観て来ました。静岡でコアな映画ファンはおっきなシネコンのセノバではなく、ここの小さなスクリーンに頼るしかないというのは、不幸な現状なのかも。ちなみにDLPによる上映でしたが、前回の「来たりくる者へ」




緑の地球を守ろう『サイレント・ランニング』
2013年04月24日 (水) | 編集 |



勝手録画の中から、変わった作品を見つけたので観てみました。
2001年宇宙の旅』『未知との遭遇』『ブレードランナー』など、数々の名作SFの特撮を手がけたダグラス・トランブルが監督したSF『サイレント・ランニング』です。
サイレント・ランニング(1972)アメリカ
監督:ダグラス・トランブル
出演:ブルース・ダーン、 クリフ・ポッツ、 ロン・リフキン、 ジェシー・ヴィント、 ジョセフ・キャンパネラ 、 ロイ・エンゲル
 近未来、大気汚染などにより、もはや地球から緑は消え、わずかに残された植物は宇宙ステーションのドーム内で栽培されているのみ。植物学者のローウェルはここで植物の栽培に尽力していたが、計画断念を決めた地球から、ついにドームを放棄して帰還せよとの命令が下り・・。




 地球の誰もが緑を諦めようとする中、宇宙ステーション内の植物ドームを懸命に守ろうとする一人の男を描くSFです。植物学者ローウェルを演じるのはブルース・ダーン。懸命に抵抗した末、彼はその思いを一体の小さなロボットに託す。宇宙にポッカリ浮かぶドームを遠くから映し出すラストシーンは切なさと同時に未来への小さな希望を感じさせ、胸に迫るものがあります。

 時代ゆえの古さは感じるし、特撮の名手の監督作品としては、映像は地味でアナログな印象。でもそれがかえって、エコを守ろうとする映画のテーマに合ってるかもしれませんね。冒頭、クローズアップで見せる色鮮やかな動物や植物。こんなに美しい自然が地球から消えてなくならないことを祈らないではいられません。

 宇宙ステーションに派遣され、ロボットと孤独に過ごす男というのは『月に囚われた男』を連想させるし、ステーションで緑を栽培するのは『サンシャイン5027』を思い出します。色んな映画の原型になる作品かもですね。ちなみにロボットには足を切断した人が入っていて、ロボットの足は人の手だったんですね。









ザ・ホール
2013年03月08日 (金) | 編集 |


フロリダだったか、寝室の下に大きな穴が空いて、穴に落ちたと思われる30代の男性が行方不明になった事件がありました。生存は望めないとして救助作業も打ち切られたようだけど、穴の正体はなんだろう、怖いですね~。
ってことで、『キラー・スナイパー』応援シリーズ小休止で、こんな作品を観てみました。
『グレムリン』のジョー・ダンテ監督の描くアドベンチャー・ホラーです。








ザ・ホール(2009)アメリカ
原題:The Hole監督:ジョー・ダンテ
出演: クリス・マッソグリア、 ヘイリー・ベネット、 ネイサン・ギャンブル、 テリー・ポロ 、クイン・ロード、ブルース・ダーン


【ストーリー】
新しい土地に越してきたデーンとルーカスは、地下に扉を施錠し塞がれた穴を発見。
中を覗いても底が見えないほど深そうだ。隣人の美少女ジュリーと3人で穴の秘密を探ろうとするが、それを機に彼らの周囲で不可思議な事件が起こり始める。

日本未公開でDVDスルーの作品ですが、これ意外に面白いのです。

厳重に施錠された底なしの穴。
撮影したビデオに何かが映っていたり、妙な物音がしたり
ジョー・ダンテ監督の不穏なものを徐々に見せていく手法は効果的
しかもJホラー風の演出まであって、前半は結構怖いものがありました。

穴に何がいるのか。
グレムリンでしょ?
はい、正解!

ではないけど、「穴からの訪問者」にはちゃんと意味があって、3人はその訪問者に対峙することで、家族の問題やトラウマなどを克服していくことになるんですね。





ティーン向きで、こじんまりではあるけれど、最後の一こまに至るまで、散りばめた伏線をきっちり回収していく様は見事。子供たちの成長物語として爽やかな余韻を残しました。
子供って親には言えない悩みも、自分自身や友達の助けを借りて乗り越えていくもの。
ベテラン監督が子供の目線を忘れずに、こういう作品を撮り続けてくれてるのも嬉しいですね。
うまみを感じる佳作でした。
しかし、ブルース・ダーン凄い役で出てたなw


■トラックバックいただいてます


Tracked from いやいやえん at 2013-05-20 09:04 x


タイトル : ザ・ホール
先がみえない暗くて深い穴。引っ越してきた家の地下室で鍵をかけられた穴を見つけたときから、子供たちに不思議なことが起こり…。 結局のところあの「穴」は、その人の「恐怖心」に沿っているというもので王道なホラーものであり、ホラー映画という点では物足りないけれど、子供の視点から見た恐怖そのものが上手く捉えられていたと思う。各キャラの恐怖の対象がストレートに映像化されているので、これほどわかりやすいこともないでしょう。 配役が、主人公に「ダレン・シャン」のダレン役、その弟に「ミスト」の息子役、ヒロイ......more