映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
柔らかい肌
2013年07月24日 (水) | 編集 |




 

柔らかい肌(1963)フランス
原題:LA PEAU DOUCE/THE SOFT SKIN
監督:フランソワ・トリュフォー
出演: ジャン・ドザイー 、 フランソワーズ・ドルレアック、 ネリー・ベネデッティ、 サビーヌ・オードパン、 ジャン・ラニエ、 ポール・エマニュエル



44歳のピエール(ジャン・ドザイー)は文芸雑誌の編集長で著名な評論家。彼はリスボンへの旅行の途中、美しいスチュワーデス、ニコール(フランソワーズ・ドルレアック)と知りあった。リスボンに着いてから、彼はニコールを食事にさそい異郷の町で一晩中語りあった。この日から、安定した彼の生活が狂い始めた。

不倫劇をサスペンス仕立てで描く心理ドラマ。
本作を見てトリュフォーがタランティーノ以上の足フェチだと確信しました(笑)

まずピエールが最初にスチュワーデスの二コールと出会う機内でのシーン。
ドルレアク演じるニコールは、乗務員用のカーテンの向こうでパンプスを履きかえるんですね。
その足元のみがカーテンの下から見える。
普通はそんなヒールの細いものをスチュワーデスは履かんだろと思うのだけど
それがトリュフォー流の願望でもあるんでしょうか。


二コールに渡されたマッチ箱に電話番号が書かれてることに気づいたピエールが
周囲に気づかれないように電話をかけようとするたびに、サスペンスフルな音楽が鳴り始めるのには笑ったw

ピエールは美しいニコールに溺れていくのだけど所詮44歳。
仕事をおざなりには出来ない社会人である彼が二コールと間で板ばさみになる
そんな心理描写が妙にリアルなのはトリュフォーの経験からくるものなのかな。





足フェチと言えば、時間がないのに、二コールに頼まれたストッキングを買いに走ったり
疲れて眠るニコールの足を愛撫したり、やっぱりどうしても足への愛がにじみ出るw
タイトルの柔らかい肌というのはここからきてるんでしょうか。

不倫の経験のある方などは、このジレンマや、ドキドキを楽しめることと思います。
個人的には、妻の心理描写がもっと明確だとよかったな。

最後の妻の行動に至るまでの伏線をもっと丁寧に張っておけば
よりサスペンス性が高まったのではと思います。





それにしてもまだ21歳のドルレアックの美しいこと。
二コールが全てを捨て自分に没頭してくれないピエールに不満をぶちまけるシーンの涙は、実生活で恋人だったトリュフォーに向けたものだったのかな、なんて考えちゃいますね。

 

 

■トラックバックいただいてます

Tracked from 字幕映画のススメ at 2013-07-25 00:22 x

タイトル : 泥沼の不倫と悲劇 『柔らかい肌』
 1964(C)  Athos Films         『 柔らかい肌 』(1964) LA PEAU DOUCE   フランソワ・トリュフォー の長編第4作は主題が「姦通」だ。今で言う「不倫」。 44歳の中年男。その妻38歳、そして夫の愛人22歳。 この3人の登場人物が織り成す三角関係から生まれるサスペンス 。 ......more







トリュフォー遺作『日曜日が待ち遠しい!』
2013年07月18日 (木) | 編集 |



日曜日が待ち遠しい!(1982)フランス
原題(英題):Confidenthially Yours
監督:フランソワ・トリュフォー
出演:ファニー・アルダン/ジャン=ルイ・トランティニャン/カロリーヌ・シオル/ジャン=ピエール・カルフォン
今月はテレビでフランソワ・トリュフォー特集をしてます。先週気づいて何本か録画したけど一週目のは全部逃しちゃった。その中に『緑色の部屋』も入ってて悔やまれる・・





主演はトリュフォーが最後に愛したファニー・アルダン
番組の紹介によると、トリュフォーがテレビでアルダンを見て一目ぼれしたんだそうです。
本作は、殺人事件の容疑をかけられた不動産屋の雇い主(ジャン=ルイ・トランティニャン)にかわって、アルダン演じる秘書が素人探偵よろしく事件を捜査するというミステリー。

金髪好きのトランティニャンへの想いを隠しながら、その窮地を救おうとするアルダンが健気で
二人の会話はラブコメのように洒落ていて楽しい。

お話自体はとるに足りないけれど、ハイヒールで颯爽と歩くアルダンの美しい脚やお顔のアップが印象的で、カメラ越しの視線にトリュフォーの愛を感じるんですよね。

事件が解決を見る頃には、二人の仲は急接近
ラストシーン、アルダンの膨らんだお腹は本物。
アルダンはこの年の終わりにトリュフォーの子供を出産しています。
その2ヶ月前にトリュフォーは脳腫瘍を発症し、84年に52歳の若さで亡くなってしまったんですね。

映画の中でアルダンとトランティニャンが死について語るシーンがあり
トリュフォーは何かを予感していたのかしら、なんて 今見ると切ないですね。

でも映画自体は音楽も相まってとっても軽やか。
カメラのキャップを子供たちが蹴りあって遊ぶラストシーンも楽しくて、微笑ましく見終えました。
こんなさり気ない愛すべく作品が遺作になってしまうとは。
もっとたくさんの作品を撮って欲しかったですね。残念です。






       

トラックバック一覧

  1. 1. 日曜日が待ち遠しい  フランソワ・トリュフォー 1983年

    • [アンダンテ あっち行って ホイ♪]
    • July 21, 2013 21:28
    • 「大人は判ってくれない」「突然炎のごとく」「暗くなるまでこの恋を」 「恋のエチュード」「アデルの恋の物語」「隣の女」。。。 リアルタイムで観た作品も ビデオやTVで観た作品もありますが いつも新鮮で 少し怖い(心理的に) 映画が多いな という印象です



ピアニストを撃て
2013年07月16日 (火) | 編集 |




 

ピアニストを撃て(1960)フランス
原題:Tirez Sur Le Pianiste/Shoot the Pianoplayer
監督:フランソワ・トリュフォー
出演:シャルル・アズナヴール、マリー・デュボワ、二コール・ベルジェ、ミシェール・メルシェ、アルベール・レミー



テレビで先週、今週と トリュフォーを特集してくれてるので、この機会に。


トリュフォー長編二作目の本作は、クライムサスペンスをちょっとオフビートにして、哀愁で味付けしてありました。

主人公のピアニストを演じるのがシャルル・アズナヴール
彼の名前を初めて聴いたのは、由紀さおりさんの『恋文』
「アズナヴール流しながらこの手紙を書いてます」という出だしのフレーズでした。





この映画の中では、トラブルはごめんだと言いながらも、悪行に手を染めた兄を匿う男シャルリ。
元は著名なピアニストでありながら、悲しい過去から逃れるためその地位を捨て
それでもピアノを捨てきれず、場末のバーでピアノを弾く男。

彼がヒッチコック映画さながら二事件に巻き込まれる本作は
アズナブールの静かな風貌が醸し出す哀愁に、オフビートなドタバタ劇を混ぜ込み
おしゃれなピアノ曲で味付けしてノワールで締めくくる。
名監督の初期の作品ならではのミックス感が面白い風合いの作品でした。


それにしてもアズナブールの周りには、美しい女性が寄ってくるものです。

ラストシーンには、ちょっとした恋の予感を漂わせつつ
「俺に近寄ると危ないぜ」とでも言うような、
クールさと切なさの入り混じるアズナブールの表情が印象的です。

 

 

■トラックバックいただいてます

Tracked from 字幕映画のススメ at 2013-07-21 01:22 x

タイトル : 女運の悪い男 『ピアニストを撃て』
  1960 (C) Cocinor       「夜がくるのは止められないわ、だんだん暗くなるのだけ」 「もうそこから出られないのよ」 『 ピアニストを撃て 』(1960) TIREZ SUR LE PIANISTE フランソワ・トリュフォー の長編第二作は、彼が愛してやまないアメリカ映画、 ヒッチコックやニコラス・レイ、ハワード......more







『黒衣の花嫁』 トリュフォーからヒッチコックへのオマージュ
2012年05月28日 (月) | 編集 |
しつこく「ブラック」繋がりで、今日はフランソワ・トリュフォー作品を。
コーネル・ウーリッチのミステリ小説をジャンヌ・モロー主演で映画化した『黒衣の花嫁』です。



黒衣の花嫁
1968年(フランス/イタリア)
原題:La mari?e ?tait en noir
監督:フランソワ・トリュフォー
出演:ジャンヌ・モロージャン=クロード・ブリアリ
ミシェル・ブーケシャルル・デネクロード・リッシュ
ミシェル・ロンズデール


コートダジュールで独身生活を楽しんでいた男、
その近くの町の銀行員、若手政治家……と
連続殺人が起こる。その現場にはいつも謎の女性がいた。
彼女の目的は何か……。(映画.comより)




ジャンヌ・モロー演じるヒロインは5人の男たちを冷徹に殺していく。
その目的は何かという作品。

ヒッチコックを尊敬するトリュフォーが、ヒッチコックにオマージュを捧げたものだそうで
音楽に『サイコ』などで知られるバーナード・ハーマンを起用したことで
ヒッチコックらしい風合いの作品に仕上がってますね。

タイトルからも想像できるし、早々に明かされるので書きますが、
モローは花婿を殺された復讐を果たそうとしてるんですね。
幼い頃から彼だけを見つめて大人になり、ようやく結ばれたと思った矢先・・
そう思うと非常に切ないものがあり、モローの気持ちも理解できる。

ただね、年齢的にちょっと「?」なんですよね。
5年の準備期間があったとは言え、モローは老けすぎな気が(汗)
何よりも違和感があったのは、モローさんが少し太り気味なところ。





復讐手段の多様さが面白い。
姿を見せることなく、復讐を締めくくるラストシーンに
オーケストラのウェディングマーチが高鳴る、これが見事でした。

★★★★