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ラスト・ライド~最後の旅立ち~
2014年02月07日 (金) | 編集 |



逃げる映画特集4本目
今日は犯罪を冒した男と息子の逃避行を描く日本未公開のオーストラリア映画です。
ラスト・ライド~最後の旅立ち~(2009)オーストラリア
原題:Last Ride
監督:グレンディン・イヴィン
出演:ヒューゴ・ウィーヴィング / トム・ラッセル/ アニータ・ヘフ/ ジョン・ブランプトン/ ケルトン・ペール
日本公開:日本未公開
 
父と息子のロードムービーと聞くと『ネブラスカ~』みたいなほんわか暖かいものをイメージするんですが、本作はちょっと違いました。
冒頭、立ち寄ったダイナーのトイレで伸びた髪とひげを切る男。
男は小学生くらいの子供をつれていて、その後父子でバスに乗って移動する。
あれ?乗ってきた車は?と不思議に思っていると、父子は降り立った駐車場で鍵のついた車に乗り込み逃走。こうして食べ物や車を盗みながら旅をしているのだと分かってくるのです。


淡々とした映画でね。
父子が何故旅をしているのか、どこに向かおうとしているのかも語られないまま
旅を続けるごとに罪を重ねていく様子にハラハラし、辛いんですよ。
息子チョークまでもが空腹をしのぐために物を盗み、父への憤りから反抗的になっていく様子もリアル。




大半をやるせない気持ちで観ることになったけれど、父は息子を守りたかったんだと
悪戯に化粧を施した息子をこっぴどく殴ったのにも理由があったのだと知ることになり
男の不器用な生き方に胸が痛みました。

化粧とアレックス、携帯、ウサギ、泳ぎ、マジック・ベスト 等
さらりと描かれるアイテムが実は重要シーンの伏線となっているという脚本が見事。
何よりもヒューゴの演技が素晴らしく、わたし的にはオスカー級。
どうしようもない男だけど、最後に彼はようやく父親らしく息子と接するんですよね。
息子に「I love you 」と言われ、「Yeah?」と上ずった声を発するヒューゴが愛おしかった。

果てしなく続く荒野、オーストラリアの自然を映し出す美しい映像が父子の孤独を一層引き立てていました。
これすごく良かったわ。