映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
オンディーヌ 海辺の恋人
2013年07月17日 (水) | 編集 |




オンディーヌ 海辺の恋人(2009)アイルランド/アメリカ
原題:Ondine
監督:ニール・ジョーダン
出演:コリン・ファレル/アリシア・バックレーダ/アリソン・バリー/スティーヴン・レイ
日本未公開
 ニール・ジョーダン監督、コリン・ファレル主演
アイルランドの海辺の町をを舞台に、漁師の男と自らを人魚と名乗るミステリアスな女性との恋を描く作品。

コリン演じるシラキュースは妻と別れ、腎臓病もちの娘と暮らす男。
アル中の既往を持ち、今もリハビリ中だが、子供のためにまじめに生きようとしている。
ある日、彼の網に女性がかかり、自らをオンディーヌと名乗った。
誰とも会いたくないというオンディーヌを亡き母の家に匿うシラキュースだったが・・。



オンディーヌ(アリシア・バックレーダ)が海からやってきたことは勿論のこと
世間の目を避けようとすることや、美しい歌を歌えば大漁になること
幼い娘がオンディーヌを人魚と信じて疑わないことなどから
私もいつしか、「人魚と漁師の恋」を応援してしまってました。

ジョーダン監督は『狼の血族』『インタヴュー・ウィズ・ヴァンパイア』など
かつてはおとぎ話や伝説をベースにサスペンスやロマンスを描いてましたね。
そう言えば新作『ビザンチウム』は久々にヴァンパイアものだとか。

アイルランドの漁師町の風景や、コリン・ファレルの朴訥とした雰囲気も嵌っていて
こんなファンタジーもありかもと思わせる。
ところが、そうして能天気に見れば見るほど、終盤明かされる現実にドン引きますw

いやいや、ミステリーのもっていき方としてはうまいんですけどね
謎の正体がもう少し気持ちのいいものであって欲しかったとは思います。



監督の男ミューズ、スティーヴン・レイが主人公の告解を聞く牧師役で登場
コリンとの会話がユルい笑いを提供してくれてこれが最高w
登場時間は少ないながら絶妙なサポートでした。さすが!

人魚伝説をだまし絵に、思いがけずリアルな現実を描く作品でしたが
再生の物語としては悪くなかったです。





 
 

クライング・ゲーム
2012年03月31日 (土) | 編集 |
今月はセント・パトリック・デイにちなみ、アイルランド関連の作品を何本か観てきました。
最終日、トリを飾るのはやっぱりこれ。
アイルランドを代表する映画監督ニール・ジョーダンの傑作ラブサスペンス『クライング・ゲーム

the_crying_game.jpg

クライング・ゲーム
1992年(イギリス)
原題:The Crying Game
監督:ニール・ジョーダン
出演:スティーブン・レイジェイ・デビッドソンミランダ・リチャードソンフォレスト・ウィテカーエイドリアン・ダンバー

【ストーリー】
IRAのテロリスト、ファーガスは人質に取った黒人兵士と奇妙な友情で結ばれる。そして彼の死に立ち会い、彼の恋人に会う約束を交わす。ファーガスは身分を隠してその女性に近づくが、ミステリアスな魅力を秘めた彼女にやがて心を奪われていく……。(映画.comより)

IRAメンバーが黒人兵士ジョディ(フォレスト・ウィテカー)を拉致監禁したのは
ジョディの命と引き換えに仲間の釈放を要求するためで、猶予期限は3日。
麻袋を被せられ、メンバーで交互に監視される中、
唯一ジョディを人道的に扱おうとするIRAメンバーファーガス(スティーブン・レイ)との間に
奇妙な友情が生まれていきます。
しかし期限が迫り、死を覚悟したジョディはファーガスに頼むんですね。
「自分が死んだら、ロンドンにいる恋人に、愛していたと伝えて欲しい」と。

ここまでの過程が丁寧で、アイルランドの国民性や暮らしぶりまで垣間見れるのがいい。
あんな汚いアジトでも、お茶は欠かさないのもアイルランド的。
アカデミー賞脚本賞を受賞しただけあって、ジョディとファーガスの間に交わされる会話にも
生い立ちや差別やら、文化に至るまで盛り込まれていて秀逸。
友情や互いをリスペクトする気持ちがしっかり描かれているから
後半、ロンドンにジョディの恋人を探しにいくファーガスの行動にも必然性が生まれる。
IRAのメンバーにはなったけれど、もともとボランティア的な気持ちだったファーガスは
他のメンバーのようになれないことにも気づいている。
ジョディに「いい奴」だと自分のサガを指摘され、そのサガに正直に生きる
勇気を貰ったとも言えるでしょう。
あるいは、写真で見たジョディの美しい恋人ディル(ジェイ・デヴィッドソン)に、
最初から恋していたのかもしれない。

かくしてロンドンに赴くファーガスですが、そこからは思わぬ展開が待っていて
予想を超えたラブサスペンスになっていくんですね~(笑)←なぜ笑うw

私がこの映画に惹かれるのは
登場人物の孤独に共鳴するからかな。

IRAのエリート風なリーダーピーターも、美しい女闘士を演じたミランダ・リチャードソン(彼女が強烈)も
どうしてそんな風に生きなきゃいけないんだろうと哀しくなる。
IRAのお話に刹那感はつきものですね。

けれどこの映画は、ラストちょっと意外なところに落ち着くんだよね~。
さんざん、ミステリアスかつノワールに展開していながら
しかも薄幸顔のスティーヴン・レイなのに、最後こう来るか?ってなもんで
正直、一瞬腑抜けになったのだけど(笑)
最終的には幸せな気分になったからOKw