映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
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『裸のランチ』でカフカ・ハイ
2014年03月28日 (金) | 編集 |



作家シリーズ
今日はウィリアム・バロウズの同名小説をデヴィッド・クローネンバーグが映画にした『裸のランチ』
ようやく重い腰を上げて観てみました。
裸のランチ(1991)イギリス/カナダ
原題:Naked Lunch
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ピーター・ウェラー/ジュディ・デイヴィス/イアン・ホルム/ジュリアン・サンズ/ロイ・シャイダー
 1953年、ニューヨーク。ウィリアム・リー(ピーター・ウェラー)は害虫駆除の仕事をしていたが、殺虫剤が減るのが早すぎることに気づく。妻ジョーン(ジュディ・デイヴィス)が麻薬として使用していたのだ。ある日、麻薬捜査官に連行されたウィリアムの前に巨大な虫が現れ、彼に話しかける。スパイ活動と報告書提出を指示されるが・・

 『オン・ザ・ロード』や『キル・ユア・ダーリン』にも登場していた、ビート・ジェネレーションを代表する作家の一人ウィリアム・バロウズ。
映画の舞台が1953年ということは、まさに『キル・ユア・ダーリン』と同じ頃ですね。
バロウズの原作は未読のため、本作がどこまでオリジナルに忠実かはわからないのだけど、登場人物の名前がウィリアム(ビル)で害虫駆除の仕事をしていたり、妻ジョーンを殺害するエピソードが入っているところをみると、主役は明らかにバロウズ自身でバイオグラフィー的な意味もあるのでしょうね。



 害虫駆除を生業とする主人公ウィリアムが、仕事中に駆除薬を切らしてしまうとこから始まる本作。
薬が足りなくなったのは、妻が麻薬代わりに使っていたから(!w)。
一時は断っていた麻薬をウィリアム自身も使い始めるや、主人公の周りでおかしなことが起きはじめる。
まぁ、そのおかしなことというのが主人公の幻覚なのでしょうけど、害虫駆除への罪の意識からかw大きなゴキブリが出てきてウィリアムにスパイ活動としてレポートの提出を指示したりするんですね。
しかもお尻から喋るのがウケる(笑)



そうするうちにタイプライターが虫になったり、とんずらした先の異国で出合ったホモセクシュアルなお友達ジュリアン・サンズがベッドでムカデの化け物みたいになっていたり・・
正直ストーリーはあってないがごとく。内容を理解しようとすると苦痛にさえなるんですが
ジャンキーともなると世の中こんな風に見えるんかいなというのを映像にしたのは評価すべきでしょう。
最近ではすっかり影を潜めてしまったクローネンバーグのエログロの世界観に浸るにはもってこいw
私も内容を読み解くことを諦めたら気が楽になって、エログロ映像を笑って受け入れちゃいました。



 本作でウィリアムを演じるのは初代ロボコップのピーター・ウェラー。
甲羅が似合いそうだけど、残念ながらゴキブリには変身しませんでした。
ちなみに『オン・ザ・ロード』ではヴィゴ・モーテンセン、『キル・ユア・ダーリン』ではベン・フォスターがウィリアム・バロウズを演じています。
ハーバード大出で資産家の息子。アナーキーな雰囲気を醸しだすバロウズが
ドラッグとホモに溢れたこんな作品を書いてたんだ とそのギャップも楽しみどころかな。




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クローネンバーグ『コズモポリス』
2013年01月04日 (金) | 編集 |

 
 
コズモポリス 2012年(フランス/カナダ/ポルトガル/イタリア)
原題:Cosmopolis
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ロバート・パティンソンジュリエット・ビノシュ、 ポール・ジアマッティ、 サマンサ・モートン 、 ジェイ・バルシェル 、サラ・ガドン、 ケヴィン・デュランド、マチュー・アマルリック
 
 
マンハッタン。 28歳の億万長者エリック・パッカーは散髪に行くことをボディガードに告げる。
おりしもその日は大統領のパレードの日。
エリックを乗せたリムジンは途中客人を招き入れながらゆっくりと街を行く。
 

ドン・デリーロの同名小説を原作とするデヴィッド・クローネンバーグの新作です。
エリック・パッカーを演じるのは『トワイライト』シリーズのロバート・パティンソン

映画はエリックが長いリムジンに乗り、床屋に向かうとする一日を描くものですが
エリックというのは28歳にして投資会社の経営に成功し、ウォール街と世界の金融を動かす力のある男。
けれどもどこか実体がなく、その日失おうとしている100億単位の金も彼の存在自体も架空のものであるかのようなのが、
彼の空虚な表情から窺えます。

奇しくも街は大統領のパレードがあり、反政治者の暴動により大混乱
しかしエリックの乗るリムジンからは外界の音は完全にシャットアウトされ、
それはまるで都会に浮かぶタイムカプセルのように彼の孤独を浮かび上がらせるのです。
 
 

エリックは床屋に向かう道すがら、最近結婚した妻(サラ・ガドン)と朝食とランチを共にし
ジュリエット・ビノシュ演じる娼婦など数人の愛人たちと車内でセックスし、コンサルタントと金融について語り、
理論家(サマンサ・モートン)の話を聞きます。

その会話の殆どが原作どうりらしいのだけど、哲学的とも言える金融の話は私の頭を素通りし、話にはついていけません。
それでもエリックの虚無感と、実態を感じたいと切望する気持ちは痛いほど伝わるんですね。
 
22歳のコンサルタントはエリックの若かリし姿を想像させるし
サマンサ・モートンに至ってはエリックの行き着く先のようなカリスマ的な実態のなさを漂わせる。

エリックはハイテクな車内で毎日健康診断を受けるんですがw サマンサ・モートンと会話中にも、
医師により直腸診を受けてるんですよね~w
それに何の反応を示さないモートンにも笑えます。
 
さて、エリックがなぜ床屋に向かうのかは述べずにおきますが
エリックを演じたロバート・パティンソンの演技には脱帽しました。

ボディ・ガードの顔を見ることもしないシニカルな無表情さから床屋に対する少年のような穏やかさ。
ラストに向けての狂気。。
彼は色んな表現が出来る男だったんだねぇ。
 
終盤、長回しを多用し、エリックの最後の瞬間までの緊張を描き挙げる手法も渋い。
浮遊感と緊張感と刹那感の入り混じった作風は悪くないです。

日本公開は4/13~
 

★★★★



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