映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気
2016年12月06日 (火) | 編集 |
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 ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気(2015 アメリカ
原題:Freeheld
監督:ピーター・ソレット
脚本:ロン・ナイスワーナー
出演:ジュリアン・ムーアエレン・ペイジマイケル・シャノンスティーヴ・カレル

【あらすじ】
20年以上にわたり刑事として働くローレルは、ステイシーと出会い恋に落ちる。やがて一緒に暮らし始める二人だったがローレルが病に冒されていることが発覚。ローレルは自分の死後、ステイシーが遺族年金を受け取れるよう郡に申請するが・・


第80回アカデミー賞で短編ドキュメンタリー映画賞を受賞したドキュメンタリーを映画化した作品です。
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同姓婚カップル、ローレルとステイシーにジュリアン・ムーアエレン・ペイジ
愛し合う二人は出会いから間もなくパートナー登録し、晴れて公的なカップルになります。
しかし家も買い幸せな毎日を送る中、ローレルが癌に罹患。余命いくばくもないことを知り、ローレルは遺族年金をトレイシーが受け取ることを希望するのですが、郡は無碍もなく却下。
それでもローレルの思いは強く、同僚デーン(マイケル・シャノン)の助言もあって郡の委員会にかけあうことに。
委員会は同姓婚カップルの権利に対し、どんな判断を下すのかという話です。
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全米で同姓婚が認められることになったのは昨年のこと。それまでは認める、認めないは州によって違っていたんですね。舞台となるニュージャージー州が同姓婚を認めたのは2013年。ですから、当時のローレルとステイシーの関係はあくまでドメスティック・パートナー・システムで許可されたものにすぎず結婚とは違うもの。委員会がローレルの申し出を却下するのも、不思議ではないのです。
そんなこともあって個人的には同姓婚には異論はないものの、ローレルのケースで「平等」を求めるのには無理があると思ったんですが、支援グループが参加し自体が動き始めるのを興味津々で観ました。
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後半は法廷もののような展開になるんですが、活動家スティーヴンを演じるスティーヴ・カレルがゲイ・トークで笑わせてくれるし、朴訥としていながらも誠実にローレルを助ける刑事の相棒マイケル・シャノンとのやり取りも楽しい。友情だったり、同情だったり、あるいは信念や勇気だったりと、支援者の思惑もベクトルも違うのだけど、それがかえってリアルで、映画の楽しみどころにもなっていたのはサプライズ。

ローレルとステイシーの力は微力でも、同じ考えのものが集まれば声は大きくなる。
結局委員会は痛いところを握られるということもあり、ごり押し的ではあるものの最後は二人の愛と支援の力が大きなうねりを生み出す様には感動しました。

ジュリアン・ムーアは刑事でレズビアンで癌末期という難しい役でしたが、終盤は観ているこちらが苦しくなるほどの喘鳴を伴う息遣いを見せるなど細かい演技も秀逸。流石ですね。
製作にも携わるエレン・ペイジもナチュラルでよかった。プライベートでもゲイをオープンにするエレン、脚本のロン・ナイスワーナー(『フィラデルフィア』)ともに、思い入れの強さも感じるところでした。



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【映画】『マネー・ショート 華麗なる大逆転』・・副題変だよ
2016年02月04日 (木) | 編集 |
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マネー・ショート 華麗なる大逆転
2015)アメリカ
原題:The Big Short
監督:アダム・マッケイ
脚本:アダム・マッケイ/チャールズ・ランドルフ
出演:
スティーヴ・カレルクリスチャン・ベイル/ ライアン・ゴズリング/ ブラッド・ピット

【あらすじ
休金融トレーダーのマイケルはサブプライム・ローンが数年以内に債務不履行に陥る可能性がある事に気付くが・・


【感想
『マネー・ボール』のマイケル・ルイスの『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』を原作とする金融ドラマ。

『俺たちニュースキャスター』や『俺たちステップ・ブラザース-義兄弟-』などのコメディ派のアダム・マッケイが金融ドラマを撮って、しかもオスカー作品賞にノミネートされたことでも話題です。

もうひとつ話題なのはブラッド・ピットスティーヴ・カレルクリスチャン・ベイルライアン・ゴズリングといった人気スターたちが集結したこと。

彼らが演じるのはいずれも金融界のつわものたち。
ベイル演じるのは神経学者であり、今はヘッジファンドでアナリストをするマイケル・バリー。
マイケルは分析結果からサブプライム・ローンが近い将来やばいことに気づき、銀行などに進言するも相手にされません。
バブル期にある当時、住宅金融は安定と信じられていたんですね。

映画の中では出てきませんが本物のマイケルさんはアスペルガーで、天才だけど人間関係を上手く保てないちょっと変わり者。
オフィスでドラムを叩き、自分の変な髪形を棚に上げ、人にその変な頭は自分で切るのかとか言っちゃう男をクリスチャン・ベールが絶妙に演じてます。
ちなみに画像右は本物


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マイケルは分析結果を踏まえ住宅ローンのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)なる取引に投資する。
これは債務不履行などが生じた場合、取引先の金融機関が損失額を補填する仕組みらしく、ローンでの破産者が出れば出るほどマイケルが儲かることになるらしいのね。って良く分からずに書いてるので用語の使い方も間違ってるかもしれません。

その動きに気づいた狡猾な投資家ライアン・ゴズリングがヘッジファンドのカレルさんを誘い、
若い投資家にアドバイスを求められた元銀行マンのブラピが彼らを手助けしたり・・・
世界的な金融崩壊を逆手に取る投資家たちがいたという話。


正直、株もやらない金融音痴の私には、ベイルらの暗躍が金融システムにどう影響したのかとか、難しすぎてわからない(汗)色々に複雑ですから。



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にも関わらず楽しめるのは、キャラの利いたキャストの演技やマッケイのユーモアセンスによるものも大きいですね。
一番のお笑い担当がカレルさんでなくライアン・ゴズリングなのは意外性もあって楽しい。
へんなヅラで観客に向かって話すのと、いつもアシスタントとセットなのが笑える。
カメオのスターを使って難しい仕組みを平たく説明しようとする演出も有効です。

ただね、これイケイケドンドンな話じゃなく、邦題の副題にあるように華麗でもない。
だって、サブプライム・ローンというのは主に貧しい人たちが利用したローンで
焦げ付きは彼らから夢のマイホームを奪い、バランスを失った金融界は世界を巻き込み崩落したんだもんね。
彼らは当然罪悪感にも駆られます。

リーマンショックはどうして起きたか、その裏で金融マンはどう暗躍したか
それらをユーモアを交えつつも、シニカルに怖い話に仕上げ
しかもエモーショナルに描きあげたアダム・マッケイの知性を感じる一本。

もしも経済学者なり国なりが正確に経済を分析していれば、
あるいはマイケル・バリー氏の分析を深刻に受け止めていればリーマンショックは起きなかったかもしれない

この映画は一つの教訓を示すものでもあり、カレルさんに言わせるとホラーだそうです。

私が置いてけぼりを食らった部分も投資に興味のある人は楽しめるんじゃないかな。
あと、マイケル・ルイスの原作を読んでおくと助けになるようです。



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【映画】フォックスキャッチャー
2015年03月06日 (金) | 編集 |


フォックスキャッチャー(2014)アメリカ
原題:Foxcatcher
allcinemaデータ

96年に起きたデュポン財団御曹司による事件を題材にした実録ドラマ。
富豪のデュポンにスティーヴ・カレル、事件に巻き込まれていくオリンピック金メダリスト兄弟にマーク・ラファロチャニング・テイタムが扮し、カレルさんとラファロがそれぞれ主演、助演男優賞にノミネート、ベネット・ミラーが監督賞にノミネートされるなど、思わぬ快挙を成し遂げましたね。

DVDになったので楽しみに観ましたが、いやもうほんと、ゾワゾワと不快感を引きずるいやぁな映画だったな(汗)


冒頭、殺風景なアパートで質素で味気ない食事をとるマーク(チャニング・テイタム)。
その後トレーニングに励む姿に覇気はない。次に小学生を前に金メダリストとしてのスピーチをし20砲諒鷭靴鯑世襦事務員が兄「デイヴ」の名前でチェックを切ろうとするところを「マーク」に修正させて・・。

この一連のシークエンスで、経済状況やマークを思う兄の心情、兄のおこぼれに与らなくてはならない弟の負い目やら情けなさなどマークを取り巻く状況や、これから立ち向かおうとする問題を一気に集約させる見せ方がまず見事。

マークが次のオリンピックで金メダルを取りたいと思うのは、兄弟の夢であると同時に、自立のために不可欠だったんでしょう。
ところがその切実な思いはデュポンによって阻まれることになります。


デュポンはその行動がそう見せるのかとても醜いんですよね。特殊メイクを施してるとはいえ、全身から不快なオーラを発するその姿はとても『40歳の童貞男』や『ラブ・アゲイン』のカレルさんとは思えないほど。

デュポンの心の闇はどこから来るのか。
親の愛を得られなかった?富豪の孤独?そんなの知るかと言いたい。
神聖なスポーツを小さな人間の心の隙間を埋めるために利用することにとにかく腹が立って仕方なかったですもん。
デュポンが金持ちじゃなかったらマークたちに関わることもなかったのにと思うと悔しい。
でも、マークの中の弱さや物事に悲観的な彼の本質がデュポンを惹き付けたのかなと思うとそれも悲しくてね。

不幸が迫り来る様をじっと我慢して待つという辛い鑑賞になったけど、それも演出の上手さゆえでしょう。優しさ溢れる兄デイヴを演じたマーク・ラファロはじめ、それぞれの心理を表現した俳優陣はお見事でした。

左は本物のご兄弟。




【映画】 俺たちスーパーマジシャン<未>
2014年06月19日 (木) | 編集 |



俺たちスーパーマジシャン (2013)アメリカ
原題:The Incredible Burt Wonderstone
監督:ドン・スカーディノ
出演:スティーヴ・カレル/ スティーヴ・ブシェミ/ ジム・キャリー/ オリヴィア・ワイルド/ アラン・アーキン/ ジェームズ・ガンドルフィーニ/ ジェイ・モーア/ ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ  
日本公開:未公開

スティーヴ・カレルスティーヴ・ブシェミがデュオのマジシャンを演じるマジック・コメディです。
なんとギャンドルちゃんが出てるやないかい ということで観てみました。




バート(カレル)とアントン(ブシェミ)は小学生からの幼馴染。
マジック大好きな2人は互いに技を磨き、コンビを組んで憧れのプロ・マジシャンになるんですね。
昔のグループサウンズ(死語?w)風のいでたちでステージに登場するカレルさんとブシェミ先生のパフォーマンスが可笑しかわいくて、思わず頬がほころびます。


ところが、年月が過ぎ、おやじになっても2人のパフォーマンスは変わらずでちょっと寒い。
マンネリ化したマジックに客も離れてしまってるんですが、バートはそれさえ気づかない。ブシェミ先生演じるアントンとも言い争いが絶えなくなります。
そんなとき、奇抜なパフォーマンスを見せるストリートマジシャンのスティーヴ・グレイ(ジム・キャリー)が登場。バートとアントンはどうなるのか?というお話ね。

過去の栄光に囚われ、華やかさと傲慢さだけは一丁前。
そんな落ち目のマジシャンをカレルさんが演じてるんですが、変なメークと長髪なのもあってこれが恐ろしく似合わない(笑)すぐにカレルさんらしいキャラに戻ってくれるんだろうと信じてはいたけれど、まぁ馬鹿に時間がかかったね(汗)おかげで居心地の悪い時間が長かったよ。

やっと面白くなったのは、バートが全てを無くした自分に気づき再生に向かい始めてから。
きっかけとなる伝説のマジシャンを演じるアラン・アーキンがとってもいい。
喧嘩別れしていたアントンとの友情を取り戻すシーンはちょっと泣けるし
ラストにはあっと驚く(?)イリュージョンを披露してくれますよ。明かされる舞台裏も楽しい



おっと、忘れるところでしたが、ギャンドルちゃんが演じるのはカジノのホテル王で、バートとアントンの雇い主ね。でもギャンドルちゃんらしさはあまり拝めなくて、彼じゃなくてもよかったかなぁ。

全体的にせっかくのキャストを上手く使いきれてない気がしたけど、逆に言うと意外な面が見れた作品でもある。いつもはゴージャス過ぎて冷たく見えるオリヴィア・ワイルドもナチュラルな女性を演じて好印象。初めてステージのアシスタントに借り出されるシーンのもじもじ振りは新鮮でした。


そんな中にあっても、らしいキャラを発揮したのジム・キャリーかな。
どっちかというといけ好かない役ながら身体を張ったパフォーマンスは彼ならでは。身体鍛えてるね。
ブシェミ先生は地味だったけどいい人だったし、久々に『ウェディング・シンガー』を思わせるブシェミ先生を見れたのは嬉しかった。

ものごとを長くやってると、初心を忘れがち。
マンネリに甘んじて情熱をなくしてしまったらお終いだなぁなどと考えさせられます。
仕事にも趣味にも、家族の関係など全てに通じること。
初心に立ち返り、誰かに喜んでもらえる感動を呼び起こされれば、この映画は観た価値ありだと思いますね。



俺たちニュースキャスター
2013年06月28日 (金) | 編集 |



アパトー製作のコメディ『俺たちニュースキャスター』の続編が12月に全米で公開されます。
劇場予告に好きすぎる空気を感じ、未見のオリジナルを今頃だけど観賞~♪
俺たちニュースキャスター (2004)アメリカ
原題:Anchorman: The Legend of Ron Burgundy
監督:アダム・マッケイ
出演:ウィル・フェレル/クリスティーナ・アップルゲイト/ポール・ラッドスティーヴ・カレル/デヴィッド・ケックナー
日本未公開
 
70年代、まだインターネットなんてないこの時代、テレビは最大のメディ
グッドナイト&グッドラック』でデヴィッド・ストラザーンが扮したエド・マローのように、ニュースの顔は国民にとって世間に通じる大きな存在だったんでしょうね。
本作はサンディエゴのテレビ局を舞台に、おばかなニュースキャスターたちの巻き起こす騒動を描く、ジャズ・アパトー製作のコメディです。

ウィル・フェレルが演じるのは地元テレビ局の人気キャスター、ロン・バーガンディ。
そこに、クリスティーナ・アップルゲイト扮する女性キャスター、ヴェロニカが赴任してきたことから
男社会である、ニュース業界にひと騒動が巻き起こるというもの。

監督のアダム・マッケイはこれが初監督。
この後もウィルと組んで、『タラデガ・ナイト』『俺たちステップ・ブラザーズ』『アザーガイズ~』を監督してます。シモネタに走りすぎない描き方は好み。

新しいものに歯向かい、やがてその実力を認めて受け入れる描き方は、西部劇のそれ。
本作も、女性アンカーマンのニュース業界参入を基軸に、70年代の女性の社会的な地位を垣間見せ、ムーブメントの一環を見せる社会派な一面も持ってます。
ロンとヴェロニカのラブストーリーでもありますね。

共演者は、お天気キャスターにスティーヴ・カレル、レポーターにポール・ラッドデヴィッド・ケックナー
などコメディ系の楽しいメンバーが笑わせてくれます。
カメラマンにセス・ローゲンJBティム・ロビンスなどノンクレジットの面々も豪華。

言葉を喋るウィルのワンちゃん(ワン、ワンだけですがw)の活躍も楽しい。

お約束ではあるけれど、世間に干されて、再び立ち上がるという展開にホロりとさせられたしね。
これは本当に面白かった。続編がますます楽しみになりました。