映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】 あなたを抱きしめる日まで
2014年04月24日 (木) | 編集 |



マーティン・シックススミス
のノン フィクション本『The Lost Child of Philomena Lee』を原作に、18歳で未婚の母となり、幼い息子と強制的に引き離されてしまった女性フィロミナ・リーの子供探しの旅を描くヒューマンドラマです。
あなたを抱きしめる日まで (2013)フランス/イギリス
原題:Philomena
監督:スティーヴン・フリアーズ
出演:ジュディ・デンチ/スティーヴ・クーガン/ソフィ・ケネディ・クラーク/アンナ・マックスウェル・マーティン
イギリスの片田舎で家族と暮らすフィロミナは、ある日、長年胸に秘めてきた秘密を娘に明かします。
10代で妊娠したフィロミナは修道院に入れられ、重労働を余儀なくされた挙句、
幼い息子アンソニーと強制的に引き離されたという過去があったんですね。
50年に渡る母の苦悩を知った娘は、仕事場で出会ったジャーナリストのマーティンに相談を持ちかける。最初は気乗りのしなかったマーティンですが、作家として再起をかける時期にあり、取材に同意。アンソニーがアメリカに渡った事実を掴み、フィロミナとともに息子探しの旅に出るのですが・・

 監督は『クィーン』のスティーヴン・フリアーズ
フィロミナにジュディ・デンチ、原作者であり、旅のお供をするジャーナリスト、マーティン・シックススミスにスティーヴ・クーガンが扮します。

 アイルランドにおける修道院の実態は『マグダレンの祈り』で知ったところですが、
本作では修道院のさらなる残酷な事実が明かされることになり、その非情さに驚愕します。
でもそこはフリアーズ監督。
ジュディ・デンチを起用し母の愛を前面に出し、訳ありジャーナリストとのロードムービーとして描くことで、ユーモアと重厚さを併せ持ったヒューマンドラマに仕上げてくれました。




 フィロミナは、息子アンソニーに人目会いたい。
一日たりとも息子を忘れることのない彼女は、アンソニーが祖国アイルランドを、そして母のことを思うことがあったのかをどうしても知りたいのです。
アンソニーの思いにたどり着く過程はミステリーでもあり、フィロミナとともに一喜一憂してしまいました。

 とにかくデンチが魅力的でね。
好奇心旺盛で可愛らしく、ホテルの朝食を楽しむ様子なんか思わず頬が緩んでしまいますが
サバサバとして潔く、歯に衣着せぬフランクさも持ち合わせていて駄目なものは駄目と諭すんですね。
シニカルなマーティンが母親に叱られた子供のようになりながら
次第にフィロミナをリスペクトしていく様子が気持ちいい。

 真実を語ることをよしとするジャーナリスト VS カソリックという構図で
修道院の悪を明かしてはいくものの、憤りや悲しみを乗り越え、それでも赦しを与えることのできるフィロミナの姿に、彼女の信じる宗教の素晴らしさも感じます。
スティーヴ・クーガン自身も加わった脚本もいいんですね。

今回、フィロミナの語る言葉のひとつひとつにハッとするところがあり、いくつかをノートに書き留めました。
その中のひとつ「I don't want to hate people.」は究極にシンプルだけど、必ずしも簡単ではないでしょう。
でもそれを実践するフィロミナの強さに感動。
彼女のようにはなれないけれど、私も座右の銘として心に刻んでおこうと思ったのでした。

ちなみにこちら(下)が原作者のマーティン・シックススミス氏と本物のフィロミナさん



アカデミー賞では 作品賞、主演女優賞、脚色賞、作曲賞でノミネート
ヴェネチア映画祭で脚本賞を受賞しています。
いい映画でした!


マリーゴールド・ホテルで会いましょう
2013年01月29日 (火) | 編集 |
劇場で観てから数ヶ月が経ってしまった。
まもなく日本公開ということで、DVDで再見しました。




マリーゴールド・ホテルで会いましょう(2011)イギリス/アメリカ/アラブ首長国連邦
原題:The Best Exotic Marigold Hotel
監督:ジョン・マッデン
出演:ジュディ・デンチビル・ナイ、トム・ウィルキンソン、マギー・スミス、デヴ・パテル、ペネロープ・ウィルトン 、セリア・イムリー、ロナルド・ピックアップ


「神秘の国インドの高級リゾートホテルで、穏やかで心地よい日々を」という謳い文句と美しいガイド写真にひかれて、イギリスからインドにやって来た未亡人イブリンら、それぞれの事情を抱えた男女7人。しかし、彼らを待ち受けていたのは「近いうちに豪華になる予定」というオンボロのホテルと刺激的すぎる異国の文化だった。

映画はホテルに集った7人の男女がそれぞれの問題に向き合う様子を
ホテルの再生物語と平行させて描く群像ドラマです。

一昔前は定年したら海外でのんびり暮らしたいと思う人も多かったと思うけど
最近はどうでしょ。住むとしたらオーストラリア?それともハワイ? 
インドを候補地に挙げる日本人は少ないかな。



本作ではインドで老後を過ごそうとする7人のワケあり中高年者が
これまたワケありホテルに集い、それぞれの問題に向き合いながら
進む道を決めていくお話。男女7人+インドの若者の群像劇ですね。

まず老齢のイギリス人とインドという組み合わせが面白いよね。
インドに偏見を持ち、恐々として日々を過ごすマギー・スミスなど
ベテラン陣のコミカルな演技も楽しい。
常套手段ではあるけれど、最初はインドの表面的な部分を描き見せ
徐々にカルチャーや人々の魅力を見せていく手法。

人生も終盤に近づくと、最後の人生をどう生きようかと思うことでしょう。
7人はそれぞれに、何かを変えようと切望していて、彼らの思いには大いに共感できるのですよ。



平行して描かれるのがホテルマネージャーの若者(『スラムドッグ&ミリオネア』のデヴ・パテル)のエピソード。倒れかけのホテルを再建しようと奮闘する彼の情熱が老人たちの気持ちを守り立て、老人たちの英知が若者をバックアップする。美しい恋人も目の保養になりました。
インドの街もまたカラフルで力強い。
欲を言えば、カルチャーギャップをもう少し見せてくれるともっと楽しかったかな。
あくまでイギリス人が垣間見たインドの形だったと思います。




監督は『恋におちたシェークスピア』でジュディ・デンチにオスカーをもたらしたジョン・マッデン
本作でのデンチは悲しみをたたえながらも前向きに生きる女性。素直な笑い声も可愛らしい。
インドの喧騒にも自然に溶け込むデンチ、そして彼女に思いを寄せるビル・ナイも素敵です。

いくつになっても成長できるし人生変えられるのだというメッセージが心地よい作品でした。
★★★★



 

トラックバック一覧

  1. 1. ■マリーゴールド・ホテルで会いましょう■’13(洋2)

    • [ティアドロップス〜涙の数だけ〜]
    • February 04, 2013 16:57
    • ■マリーゴールド・ホテルで会いましょう■     チェック:『恋におちたシェイクスピア』のジョン・マッデン監督が、ジュディ・デンチら実力派ベテラン俳優陣を迎えた群像コメディー。人生の終盤を迎えそれぞれに事情を抱える男女7人が、快適な老後を送るため
  2. 2. 「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」 で人生観が変わってしまう!

    • [★ B型的偏見思考 ★]
    • March 19, 2014 13:21
    •     最初に言いたいことを言わせていただくと、   「素晴らしい! 人生観変わっちゃう! 齢取る事なんて怖くない! 世の中明るいさ!」   って思わせる映画ってコトかな!?       ジュディ・ディンチが主演なんだけど、



007 スカイフォール
2012年11月12日 (月) | 編集 |
今日の美女は・・
ボンドガールを挙げても良かったんだけどやめとこ
007 スカイフォール』観てきました




007 スカイフォール
2012年(アメリカ)
監督:サム・メンデス
出演:ダニエル・クレイグ ハビエル・バルデムジュディ・デンチレイフ・ファインズベン・ウィショー
ペレニス・マーロウ、ナオミ・ハリス


全世界に散らばっている諜報員たちのリストが奪われるという極めて危険な事態が発生。ボンドはリストを取り返すべく追跡する過程で、味方の誤射により橋から落下し姿を消した。さらにはMI6本部が何者かによってハッキング&爆破される事件が発生し……。(ぴあ映画生活より)

新ボンドシリーズおなじみの冒頭の追走劇
屋根の上をバイクで暴走したり、列車の上の奇想天外なアクションにサム・メンデスは新たな実力を見せ付ける。

でも本作の面白さは、心を鬼にしてギリギリの選択をするM(ジュディ・デンチ)の苦悩やスパイとして生きる者たちの葛藤が描かれるところにあり、これが深いのです。

金髪のハビエル・バルデムはジョーカー的悪役。
レイフ・ファインズベン・ウィショーなどMI6のスタッフたちの会話も小気味良くて楽しめたのだけど、ちょっと気になるところもあったのよねぇ。




まず残念なのはボンドガールの不在ですね。
一応ボンドガールに抜擢されたベレニス・マーロウはスタイルもよく綺麗だけど
目の化粧が濃くて個人的には魅力を感じないもんな。登場時間も短いし。
女性で目立ったのははむしろイヴ役ナオミ・ハリスでしょう。
女にしておくのが勿体ないほどに潔くてやんちゃさが魅力的。
次回作に出るのであれば期待ですね。




クレイグのアクションは文句なしにカッコいい。
けれど人間性が普通すぎてカリスマ性に欠ける部分もあったような。
女性を使い捨てにする部分など、冷酷さが垣間見えたり、楽しめるはずのイヴとの会話もちょっとワンパターン。

それでも要所要所にボンドグッズを配し、あの音楽を鳴らすのは
ファンには堪らないでしょう。
熾烈な戦いに原始的な「武器」を使うところには原点を感じます。
CGまみれになりつつある最近のアクション映画に警鐘を鳴らす意味もあったのかも。

IMAXのスクリーンに映えるエンタメ大作でした。

★★★★☆