映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち
2016年09月16日 (金) | 編集 |
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アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち(2014 アメリカ
原題:Stonehearst Asylum
監督:ブラッド・アンダーソン
脚本:ジョー・ガンジェミ
出演:ケイト・ベッキンセール
ジム・スタージェス/ブレンダン・グリーソン/ベン・キングズレーマイケル・ケイン

【あらすじ
研修医のエドワードは精神薬学を学ぶためストーンハースト病院にやってきた。


感想
エドガー・アラン・ポーの短編小説『タール博士とフェザー教授の療法』をもとに、ブラッド・アンダーソンが監督したサイコ・スリラーです。
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19世紀末のイギリス。舞台となるストーンハースト病院は、ラム院長(ベン・キングズレー)のもと、この時代には珍しく解放病棟で精神疾患患者を治療している。研修医として着任したエドワードは美しい患者のエリザ(ケイト・ベッキンセール)に一目ぼれ。しかし、エドワードはまもなく病院内の異常な事実を知ることになり・・といった風で始まる本作。
早い時期に明かされるその事実から、私たちは病院の善悪を目の当たりにする。
そしてエドワードと同じ視線で善を応援しようとするのだけど、次第にその判断基準を失って困惑することになります。すなわち、善と思っていたことが本当に正しいのか?真実の医療はどこにあるのかを考えさせられるんですね。

でもそんな話に終わらないのが流石アラン・ポー原作。
それまでに感じた様々な疑問や違和感が伏線として一気に回収される後半の展開に、ただ脱帽です。
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ネタバレしたくないので詳細は書きませんけど、今日はベン・キングズレージム・スタージェスだけでなく、ブレンダン・グリーソン、マイケル・ケインも一気斬り。
それぞれいい演技だったけど、ベン・キングズレーが素晴らしい。
stonehearstasylum3.jpg
あまりにも大きな悲しみを背負った者が正気のまま生きるのは過酷なことで
全てを忘れられるのはある意味で幸せなのかもしれないと思ったり。

劇中、ナースがエドワードに助言するラム医師の心を知って彼の心を癒しなさいとする言葉は医療の真髄にあたたかく迫るもので感動した。

ケイト・ベッキンセールが最後にアクションスターの片りんを見せてくれたのには爆笑。
ミステリーとしても超一級。これは面白かった。


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アップサイドダウン 重力の恋人
2013年06月27日 (木) | 編集 |





アップサイドダウン 重力の恋人(2012)カナダ
原題:Upside Down
監督:フアン・ソラナス
出演:キルステン・ダンスト/ジム・スタージェス/ティモシー・スポール
日本公開:9/7
 2重引力の存在する世界を舞台に、異なった引力の支配する世界に住む二人が惹かれあうという
ちょっと変わったSFロマンスです。

ジム・スタージェスは「下」の世界に住む青年アダム
キルステン・ダンストは富裕層の暮らす「上」の世界に住む女性エデン。
2人は幼い頃、引力の合流する地点で偶然知り合い、愛をはぐくむものの、ある事故で離れ離れに。




それから10年後、テレビでエデンが無事でいることを知ったアダムはエデンに遭う為に
危険を侵し、エデンの職場であるトランスワールドで働き始める・・

富裕層と貧困層の暮らす2重の世界が存在するというのは、近年SFでよく描かれるけれど
2つの重力が存在する世界と言うのは初めてかしら。
人々はそれぞれの世界の引力の影響を受けるため、アダムとエデンも逆さの状態で交流します。
上の世界のキルステンとスタージェス君のキスは、スパイダーマンを髣髴とさせるし
互いの引力を使って、大きくジャンプしながら森を駆け抜けたりするのが楽しい!


面白いのは一方の世界においても、元の世界の引力に支配されてること。
だから、エデンの世界で逢瀬を果たすのは大変なことで、
そのための苦労や工夫がコミカルで笑わせてくれます。
撮影はどうやったんだろうなぁと興味も沸きます。



しかし、異なった世界の交流は認められておらず2人の恋は危険を伴うことから
映画はサスペンスフルなものへと展開していくんですね。
それだけに、切実な恋物語として面白く観ました。

奇想天外なSFゆえ、ツッコミどころも多いですが
独創的な発想と、幻想的で美しい映像はとても新鮮でした。

上の世界は豊かではあるけれど強欲で、排他的
貧しい下の世界の人々の方が優しく素朴であることなど
富裕な国家に対する皮肉も垣間見えますね。

2人の恋を助けることになるトラススワールドでの同僚、「上」の世界のボブを演じるティモシー・スポールは、相変わらず脇役としていい仕事をしますね。
無重力を利用したスポールのダンスシーンは笑えました。

ラストはあまりに足早なんですが、続編ありきなのかなぁ。
ま、語り過ぎないくらいの方がいいのかもしれません。





 











ハートレス
2013年05月13日 (月) | 編集 |



DVDスルーにもならないのかなと思ってたジム・スタージェスの2009年の主演作『ハートレス』
今月公開されるようなので観てみたら、なんと面白いじゃないの。
ハートレス(2009)イギリス
原題:Heartless
監督:フィリップ・リドリー
出演:ジム・スタージェス、 クレマンス・ポエジー、 ノエル・クラーク、 ジョゼフ・マウル、 ニキータ・ミストリー、 エディ・マーサン、 ティモシー・スポール、 ルーク・トレッダウェイ
日本公開:5/11

10年前に父を亡くし、母とロンドンに暮らすジェイミー(ジム・スタージェス)は顔にハート型の大きなアザを持つ青年。兄のスタジオで働き、父から譲り受けたカメラで廃墟の撮影を趣味とするジェイミーが現像したフィルムには悪魔のような姿をが写りこんでいた。
ある夜、不気味な叫び声の先を追ったジェイミーは振り向いたギャングが写真と同じ、怪獣のような顔であることに驚愕。
ニュースではギャングの暴挙が報道され、ギャングはお面を被っているとの目撃談が語られる。しかし、その隣で一人の少女が「あれはお面なんかじゃない」と話すのを聞き、それらが人間ないことを確信。
そんなある日、父の10回忌の夜に、ジェイミーはギャングに襲撃され愛する母を失った。
哀しみに暮れるジェイミーの前にpapa-Bと名乗る悪魔が現れ・・

 ストリートギャングが社会問題となるイーストロンドンを舞台に、ギャングに母を殺され、悪魔と契約してしまった青年の苦悩を、現実と幻想を交え描くホラーサスペンス。
契約によりアザが消えたジェイミーが美しいティア(クレマンス・ポエジー)と恋におちるさまを描くラブストーリーでもあります。

 この映画はジェイミーの妄想と現実が混在する話ですが、最大のポイントは「亡き父への思い」でしょう。
と言うのも、彼は父の遺した「Nikon」を愛し、父を尊敬している半面で、顔のアザは「父が自分を愛するあまり顔にキスしてできたもの」と語っていて、愛する父とアザを結びつけるネガティブな思考を持っている。
正直ジェイミーが悪魔と契約を交すくだりなど、「何じゃこりゃ??」で、途中まではB級ホラーな様相なのだけど、ラストの10分になって、色んなシーンが意味をなしてくる。ジェイミーが浄化される瞬間、それまで感じていた疑問や違和感が消え、その後は哀しみと感動、二つの異なった感情が噴出しました。

終わってみれば、とんでもなく面白い映画でした。ただ、スタージェス君の演技が陰鬱すぎるのが残念。
それと、ボーっと観てると面白さに気づかない映画かもしれない。

母や甥っ子との会話などにも、後の種明かしに繋がるものがあるので、注意深く聴いておきましょう。
悪魔の名前がPapa-Bであることや、Papa-Bと出会うのが父の生まれ育った跡地だということにも注目。
ニュースに登場した女の子の顔も覚えておいてくださいね。
ただ、女の子が何故インド人風なのかとか、いくつかの疑問が残り、追求すればきっと意味があるんだろうなと思わせる。何度も観て楽しめる作品かもしれません。

監督はフィリップ・リドリー。カルト的な人気を誇る監督らしいのだけど過去作は未見です。
劇中流れる音楽の作詞も共同で手がけ、歌自体もストーリーを理解するのに役立つ形。
ちなみに挿入曲の殆どをスタージェス君が歌ってます。





ワン・デイ 23年のラブストーリー
2012年02月12日 (日) | 編集 |

 
今日からちょっぴりバレンタイン特集ね。
まずはアン・ハサウェイジム・スタージェス主演に、23年の愛を描くラブストーリー
デヴィッド・ニコルズのベストセラー小説の映画化で、監督は『17歳の肖像』のロネ・シェルフィグ
原作者が脚本を担当しています。
 
ワン・デイ 23年のラブストーリー(2011) アメリカ
監督:ロネ・シェルフィグ
出演:アン・ハサウェイジム・スタージェス/パトリシア・クラークソン
   ケン・ストット/ロモーラ・ガライ/レイフ・スポール
 

大学の卒業式で出会ったエマ(ハサウェイ)とデクスター(スタージェス)は
一夜をともにするも、恋人とはならないまま
この日を記念日として年に一度再会することを約束する。
性格も階級も違う二人は、それぞれの人生を歩むのだけど
貧しいながらも作家を目指し堅実に生きるエマに対し、
華やかなショービズの世界に入ったデクスターは次第に身を落としていく。
すれ違いを重ねるままに、20年の時が流れ・・
 
って、長すぎるわ!
 


映画のタイトル、ワン・デイというのは、年に一度再会する「記念日の一日」という意味と
いつの日か二人が結ばれるときという「未来のいつか」の
二つをかけてるのかなぁと思いながら観てました。
 
途中、デクスターは酒やヤクにおぼれ、両親からもエマからさえもダメだしを食らいます。
正直エマはデクスターのどこを愛したんだろうと思ったのだけど
最後の最後になって、二人には大切な思い出となる「一日」があったのだと知ることになりました。
運命に導かれた二人だったのに、時間がかかりすぎたよねとなんとも切ないんですけどね。
 
全てを失ったデクスターが、終盤父親と静かに語りあうシーンが好き。
 
バレンタインデーにと選んだ作品だったけど
ラブストーリーと言うよりは、
デクスターが、あるべき自分にたどり着くお話し として観た方がいいのかもしれません(汗)
 
日本公開難しいかも~と思ったら、6月に公開されるようです。