映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】『スプリット』23+1の人格を持つ男の物語が思わぬところに繋がってビックリ
2017年02月22日 (水) | 編集 |

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 スプリット(2016)アメリカ
原題:Split
監督/脚本:M・ナイト・シャラマン
出演:ジェームズ・マカヴォイアーニャ・テイラー=ジョイ/ジェシカ・スーラ/ヘイリー・ルー・リチャードソン/ベティ・バックリー

【あらすじ】
3人の女子高生ケイシー、クレア、マルシアは、クレアの誕生日パーティーの帰り道、見知らぬ男に拉致され、密室に監禁されてしまう。

【感想】
ジェームズ・マカヴォイが多重人格者を演じて話題の、M・ナイト・シャラマンの新作です。

多重人格者が出てくる映画で一番古典的なのは『ジキル博士とハイド氏』でしょうか。
『殺しのドレス』『アイデンティティ』など別人格の起こす犯罪を主題にした映画は多いですね。


本作でマカヴォイ演じるケヴィンは23の人格を持つ男。
表向きには治療でコントロールされ、10年間仕事もしている。
しかしながら彼の中のデニスという人格が高校生を拉致監禁してしまうんですね。
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これはまずマカヴォイの演技に拍手でしょう。
よくもまぁ瞬時に別人格を、それとわかるように演じ分けたもんです。
おそらく『Xメン』のあとの撮影だったんでしょう。
この坊主頭がタートルネックにスカートといういで立ちの、女性キャラの異様さを際立たせて非常にナイスw
予告を何度も目にしていたので新鮮味はないものの、3人の高校生の驚きや絶望感には大いに共感してしまった。

ここでひとつ疑問に思ったのは、パトリシアというキャラが他人格と会話してること。
『サイコ』でもそうだったけど、別人格同士が会話するというのは実際には可能なの?と
清水アキラの谷村新司と研ナオコの物まねを思いだしつつ思っちゃったな(笑)
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拉致された高校生の一人、ケイシーを演じるのは『The Witch』のアーニャ・テイラー=ジョイ。
他の二人とは明らかに違う、冷静さの中に彼女の背景が透けて見える演技が秀逸。
他に良いところを言うと、3人が拉致された場所に色々とお役立ちグッズがあって、抗う余地があったこと
24番目のキャラ出現のマカヴォイにはなにこれと思いながらもパフォーマンスとして楽しめます。
Anya Taylor Joy Split Movie
でも映画として面白かったかと聞かれると疑問で、ふーんと終わりかけたところで
え??とラストシーンに目がテン(!!!)
マジか、そう繋がるのか

シャマランから明かすなと(トレーラーで)くぎを刺されてるので言及しませんが
シャマラン映画をそこそこ観てる人ならビックリ&ニマニマできるはず。

日本公開は5月です。

お気に入り度3.6

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【映画】スターター・フォー・テン(原題)
2016年10月26日 (水) | 編集 |
 
英国男優総選挙、投票結果がついにサイトで発表になりました!

ふむふむ、なるほどー。


トムヒ二連覇ならずでしたが、コリン・ファースの一位も嬉しい。
トムハもようやくトップ10にこぎつけましたね。

さて、今日は日本未公開の英国産コメディで3位のジェームズ・マカヴォイと、7位フィニッシュのベネディクト・カンバーバッチのふたり斬り・・にするはずだったけど、50人斬りが怪しくなったので延べ人数でカウントすることにしますww
前出のドミニク・クーパー、チャールズ・ダンスさん加えて4人斬りだよ!!(笑)

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スターター・フォー・テン(原題)(2006 イギリス
原題:Sterter for Ten
監督:トム・ヴォーン
脚本:デヴィッド・ニコルズ
出演:ジェームズ・マカヴォイアリス・イヴ/レベッカ・ホール/ドミニク・クーパー/ベネディクト・カンバーバッチ

【あらすじ
晴れて大学一年生になったブライアンはクイズ部に入部。憧れの大学選手権を目指すが・・



【感想
大学生活を始めた主人公の恋や挫折を描く青春コメディです。

タイトルのスターター・フォー・10というのは映画の中で大学クイズ選手権で司会者が使う有名なフレーズで、
「まずは10ポイントから」ってところかな。
このタイトルは新しい岐路に立ったブライアンの、人生の始まりを意味してもいるんですね。

大学生役にはやや歳のいったマカヴォイだけど、イノセントな若者を純粋に演じて違和感を感じさせません。
女の子と出会ったり、勉強以外のことを学んだり。80年代を舞台にしてることもあって
音楽にしろ、服装にしろ何か懐かしい感じ。

親元を離れるのは不安になるものだけど、それは親も同じ。
ブライアンと別れるときいつも「新鮮な果物を食べてね」と言うお母さんの気持ちわかるな。
でも若ものに失敗はつきもの。
失敗してもそれを生かして、次に頑張ればいいんだと、タイトルの意味含めそういう映画でしょう。

終盤挫折を乗り越え、友情を修復し、新しい恋に向かうブライアンに、地味に気持ちが高まりました。
80年代映画テイストなのもよかった。


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共演はブライアンが入部するクイズ部の部長パトリックに当時30歳のカンバーバッチ。
卒業生なのに部に所属し、選手権に挑戦し続けてるというから迷惑極まりないw
KYで几帳面なキャラで笑わせてくれるベネさんは流石のコメディセンスですわ。

核反対など社会的な活動にいそしむ女性に、本作が映画デビューとなるレベッカ・ホール。
ブライアンの田舎の友人にドミニク・クーパー。
チャールズ・ダンスさんはアリスのお父さん役で出演してます。





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田舎の同級生
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【映画】ヴィクター・フランケンシュタイン
2016年04月22日 (金) | 編集 |
殿下プリンスが急逝されましたね。寂しいことです。
失われる命もあれば、生まれる命もある。昨日はエリザベス女王とジェームズ・マカヴォイ君のお誕生日でした。

一日遅れになりましたが、今日はエリザベス女王の新作・・はないので
マカヴォイ君がフランケンシュタイン博士を演じた『ヴィクター・フランケンシュタイン(原題)』を観ました。

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ヴィクター・フランケンシュタイン(2015)
アメリカ
原題:Victor Frankenstein
監督:ポール・マクギガン
脚本:マックス・ランディス
出演:ジェームズ・マカヴォイ / ダニエル・ラドクリフ/  ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ/チャールズ・ダンス  

 【あらすじ
サーカスのピエロ、せむし男のイゴールは、ひょんなことから医学生フランケンシュタインの秘密の研究を助けることになる・・


【感想
数あるフランケンシュタインものの中でもフランケンシュタインがまだ医学生という設定は珍しいのでは?
若きフランケンシュタインを演じるのはジェームズ・マカヴォイ
亡き者を蘇らせることにとりつかれた男。

もう一人の主人公はダニエル・ラドクリフ君演じるせむし男。
幼い頃からサーカスの見世物とされた孤児のせむし男ですが、彼は自分の身体の醜さからか、生体の構造などに深い興味をもち観察に余念がない。

そんなせむし男に目を付けるのがヴィクター・フランケンシュタイン。
彼はひょんなことからせむし男のサーカスからの脱出を手助けし、イゴールという名を与え男をアシスタントとして迎え入れるのです。
こうしてタッグを組んでしまった二人が作り出すのは勿論モンスターですね。

お誕生日企画で取り上げながらこんなこと言うのもなんですが、マッド・サイエンティストを演じたマカヴォイ君の狂気の表現はテンパりすぎて少々過剰。
図らずも今回は解剖学への興味とヴィクターへの忠心とモラルとのはざまで揺れるイゴールを演じたラドクリフ君のうまさが光りましたね。

せむし男としてのラドクリフ君の「動き」も絶賛したいところ。
どうやったらあんな風に歩けるんだ!
その後ヴィクターに背中のこぶを治療されて普通のラドクリフ君になるんですが、それでも手の格好とか
細かい部分でせむし男の特徴を維持しながら演じてるんですよね。
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本作はラドクリフ君の初恋物語でもあって、初めて男になった日の会心の笑顔は、『(500)日のサマー』のジョセフ君のダンスに匹敵する。お相手はマカヴォイちゃうよ、念のため(笑)
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監督は『SHERLOCK(シャーロック)』のシーズン1の監督としても知られるポール・マクギガン
設定もしっかりしてるし、二人を追う警察や医学生仲間など、登場人物それぞれのエゴや葛藤をきちんと描いているのもいい。
ただ後半アクション・ホラーになってしまってからはトーンダウンで個人的には退屈だった。
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モンスターの視点がないのは、フランケンシュタインものに期待するファンには物足りないかも。
せむしのこぶの治療シーンや失敗作のモンスターなど結構グロかった。

それにしてもラドクリフ君は狼男を地で演じられられそうだよね(汗)






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【映画】ダンシング・インサイド/明日を生きる
2015年10月14日 (水) | 編集 |

ダンシング・インサイド/明日を生きる(2005)イギリス
原題:Inside I’m Dancing
   Rory O'Shea Was Here (米タイトル)
監督:ダミアン・オドネル
出演:スティーヴン・ロバートソン / ジェームズ・マカヴォイ/ アラン・キング  / ブレンダ・フリッカー/ ロモーラ・ガライ/ ルース・マッケイブ

障害者施設に暮らす小児麻痺のマイケル(スティーヴン・ロバートソン)は、施設に新しく入ってきた筋ジストロフィーの青年ローリー(ジェームズ・マカヴォイ)と知り合う。
ローリーがマイケルの言葉を理解したことから、互いに出来ないことを補い合う存在として交流を深めていく2人。
自立を求めるローリーの働きかかけで、やがて彼らは施設を出て共同生活を始めるが。。

英国男優総選挙 特集 6回目
 
今日は上位入賞が予想されるジェームズ・マカヴォイでいきましょう。
イギリスのテレビムービーです。




筋ジスのローリーと小児麻痺のマイケルとの交流を描く作品・・
障害者二人が主人公と聞いて引く人もいるかもだけど、これは凄くいい作品でした。

『ブリジット・ジョーンズの日記』『リトル・ダンサー』の製作者が作ってるとあって、施設内の出来事もププッと笑えるユーモアもたっぷりに描かれています。

鼻ピアスでパンク風なマカヴォイの風貌もいいでしょ。
筋ジスのローリーは、入所早々に大騒音で夜中にヘビメタを聴き
早速トラブルメーカーの烙印を押されることに。

そんなローリーですがあちこちの施設で6年も過ごしてきた実績もありw
誰も解らない(解ろうとしてない)小児麻痺のマイケルの言葉を理解するんですね。
コミュニケーションをとれずストレスをためていたマイケルは大喜び。
ローリーがマイケルの言葉を代弁し、マイケルはローリーの髪のセットを手伝うw
互いの能力を補い合いながら交流を深める2人のデコボココンビぶりが楽しいのですよ。

ただし、楽しいだけでは勿論なくて
ローリーの言葉の端々にある不安がよぎり始めるんですが
その不安はローリーが21歳の誕生日を迎えることで確実となります。
筋ジスという難病について、少しでもご存知の方は
その意味がお分かりでしょう。

ローリーがルールに縛られるのを嫌い
自立した暮らしを送りたいと思うのは
それが人間らしく尊厳を持って生きる証だから。

ローリーはマイケルにも自分の可能性を知ってほしいと思うのだけど
でも諦めなければいけないこともいっぱいあって
それもマイケルに教えないといけないのが
見ていて凄く辛くて、泣けて仕方なかったな。

イギリスの障害者支援の現状など垣間見れる部分もあって
興味深い一本ですが、これは身障者映画とだけ観る必要はなく
普遍的な青春映画としても見ごたえありました。


電動車いすを操作する以外、首から下は一切使わない状態で
ローリーの優しさや葛藤や哀しみを表現したマカヴォイはあっぱれ。

マイケルを演じたスティーヴン・ロバートソンも
小児麻痺という身体状態を表現するだけでも大変だったはずだけど
これまた最高に素晴らしい演技。
マイケルの成長にも感動します。

身体に不自由があるわけでもないのに、自分で勝手に限界を決め
努力も冒険もしないまま、色んなことを諦めてる
私なんかはハッとするところがありました。


インタビュー動画です



毎年3位のヴォイ君、今年は2位くらいに躍進しないかな。
あ、でも、トムヒにも頑張ってほしい。
そろそろ個人的な予想順位出そうと思うのだけど悩むねぇ。





【映画】ラブストーリーズ:Them
2015年02月05日 (木) | 編集 |

ラブストーリーズ:Them(2014)アメリカ
原題:The Disappearance of Eleanor Rigby: Them
オフィシャルサイト

ジェームズ・マカヴォイジェシカ・チャステイン主演で喪失から始る男女の別れと再生を、男の視点、女の視点から、2つの映画で描きだすラブストーリー・・
のはずなんですが、私が観たものは「Them」バージョン。


 
エリナー(ジェシカ・チャステイン)はあることからコナー(ジェームズ・マカヴォイ)の前から姿を消す
。オフィシャルサイトでは簡単に説明されてるけどw私が観た「Them」バージョンではそれが判るまで結構時間がかるんですよ。そうなると、観客は宙ぶらりんにエリナーの憂鬱を眺めるしかなく、彼女の悲しみに共感したくても共感しようがない。
もしこれ一本で見せるのなら、短くてももっとうまく繋いで欲しかったですが
多分監督は「コナーの涙」「エリナーの愛情」と「Them」の3本で三部作構成というつもりで作ってるんでしょうね。

Themだけを観てしまった感想としては、とにかく端折りすぎ。
エリナーとコナーの関係だけでなく、家族との関係や問題がイマイチわかりにくい。
エリナーの母親役のイザベル・ユペールもなんでプチアル中状態なのかとか結局よくわからなかったし。
そんな中にあって、大学講師役のヴィオラ・デイヴィスはフランクな人柄が、殻に閉じこもったエリナーの心を融かし、エリナーが自然に悲しみに向き合うことを助けていてグッジョブ。

愛し合っていると思っていても、一緒にいては問題が解決しないこともあるんだろうな。
とことん傷ついて、ようやく立ち上がったとき、人の痛みをわかるようになったり
そんな小さな「あるある」を感じさせてくれる作品。
ちなみに監督は無名の頃のジェシカ・チャステインと4年間恋人同士だったそうです。
エリナーをひたすら追うコナーに、監督は自分の思いを重ねたのかな と勝手に想像しちゃったな。
ショートカットのジェシカ可愛いっす。


日本ではちゃんと「コナーの涙」「エリナーの愛情」と分けて公開するようですね。
私も順番に観たかった。