映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】『クリムゾン・タイド』
2014年11月14日 (金) | 編集 |



クリムゾン・タイド(1995)アメリカ
原題:Crimson Tide
監督:トニー・スコット
出演:デンゼル・ワシントン/ ジーン・ハックマン/ ジョージ・ズンザ/ ヴィゴ・モーテンセン/ ジェームズ・ガンドルフィーニ/ マット・クレイヴン
クーデターが勃発しロシア情勢は一気に悪化、反乱軍が核施設を制圧した事で世界は第三次大戦の危機を迎えた。米海軍はベテランの艦長と新任の副長を乗せた原潜アラバマを派遣するが・・・。



ドン・シンプソン、ジェリー・ブラッカイマー製作、トニー・スコットがメガホンをとった潜水艦ものです。
艦長にジーン・ハックマン、副艦長にデンゼル・ワシントン
実践豊富で叩き上げの艦長は、エリートで臆せず自分の意見を言うデンゼルさんを最初から警戒。

2人がまさしく水面下で溝を深める中、魚雷攻撃のダメージにより、軍からの指令を受ける通信システムが停止。ミサイル発射の指示が中途半端な状態で止まってしまい、その判断をめぐって2人が完全に対立。
核戦争に突入するかどうかの究極の選択をタイムリミット付きで見せるのだから面白くないわけないですよね。



とにかくハックマン、デンゼルさんのキャラが立ちまくりで、2人の対立に説得力があります。
ハックマン演じる艦長はそもそも黒人エリートのデンゼルさんが気に入らない。
長い間培われた差別精神は簡単には変わるもんではないでしょう。
馬にたとえて差別発言が飛び出したのには「えげつな!」で、両者が溝を深めていく過程がとにかくスリリングで面白い。しかし、人として完全でない艦の長が核ミサイル発射の権限を持つというのには恐怖を感じましたね。
アメリカには赤い州と青い州があるのはご存知でしょう。
コンサバな共和党派が赤、リベラルな民主党派が青
ハックマン派が赤、デンゼルさん側が青のキャップをかぶるシーンは象徴的でした。
ヴィゴやギャンドルちゃんはじめ豪華な共演者たちも、それぞれ究極の判断を迫られる状況を手堅く演じてました。

頑固な指導者が似合いすぎるハックマンですが、本作は彼を必ずしも悪役に描いていないのもいい。
デンゼルさんとて、ときには非情な判断をせざるを得ない。
長い間現場を指揮するハックマン艦長が国を守るという使命感のもと、独裁的になっていっただろうことも容易に想像できますから。
軍記破りのペット持込みなどやりたい放題だけど、ワンちゃんがハックマン大好きだったもんね。
動物に好かれる人に悪い人はいないはず。
ラストシーンの後ろ姿に一抹の寂しさは感じるものの、わんことの穏やかな暮らしを想像して少しホッとした。

私の平和ボケのせいか、核戦争勃発の危機をイメージし難くかったという印象ではあるものの、人間を主体としたサスペンスとして見ごたえありました。



【映画】『ザ・メキシカン』二大スター競演も、恋人に見えない
2014年10月11日 (土) | 編集 |



ザ・メキシカン(2001)アメリカ
原題:The Mexican
監督:ゴア・ヴァービンスキー
出演:ブラッド・ピット/ ジュリア・ロバーツ/ ジェームズ・ガンドルフィーニ/ デヴィッド・クラムホルツ/ ジーン・ハックマン/ J・K・シモンズ /ボブ・バラバン 
 
「こんな旅は嫌だ!」な映画が続きますが、
旅を描く映画特集 今日は南米方面に向かいましょう。

『ランゴ』のゴア・ヴァービンスキー監督が、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツの二大ハリウッドスターを起用し、伝説の拳銃「メキシカン」を巡る攻防をスリルとユーモアたっぷりに描くロードムービー風ロマンティック・コメディです。

ブラッド・ピット演じるのは、ひょんなことからマフィアのボスの車にぶつかり、刑務所送りにしてしまったことから組織のパシリとして使われる羽目になるダメダメ男ジェリー。
おかげで恋人サマンサ(ジュリア・ロバーツ)との仲は険悪となり、アパートを追い出された末
最後の仕事として仰せつかった伝説の拳銃「メキシカン」をゲットするためメキシコに向かう。
簡単に拳銃をゲットした!ジェリーだったが、そんなにうまくことが運ぶはずもなく、拳銃を巡る争奪戦に巻き込まれることに。
一方、ベガスへの一人旅行を敢行するサマンサにも悪の手が・・という話。


映画は、拳銃を巡る攻防を描きつつ、喧嘩別れしたジェリーとサマンサの恋の行方を描くわけなんだが・・



ヴァービンスキー監督というのは、妻子持ちのファミーリーマンらしいのだけど、もしかしてゲイなのかな。
男女のロマンスにはそれほど興味がないように感じるんですがw
本作でも、監督の演出が悪いのか、ジュリアの髪型がおばさん臭いからなのか、ブラピとジュリアが愛し合う恋人同士には見えず、ロマンス部分がかなりおざなりなんよね。
その代わり、というのも変だけど、ベガスでジュリアを拉致する殺し屋リロイを演じるジェームズ・ガンドルフィーニのゲイ同士のコミュニケーションの方が妙にリアルw
でもってギャンドルちゃんとの絡みのほうがジュリアを魅力的に見せるし
ブラピに至ってはワンコとの関係の方が面白いっつーね(笑)

拳銃に絡む因果関係にしても、ロマンス部分に思い入れを感じられないから
最後にたどり着く大者がらみの事実にも「あ、そう」ってなもんで、二転三転させてまで描く価値あるんかなと思ったり。相関図が欲しくなるしね。

そんなどーでもいい因縁がベースにある、どーでもいいロマンスを描く作品の中にあって
ひときわ輝くのは、やっぱりブラピだよねぇ。
向こう見ずでやんちゃで、軽くて情けない、でもやっぱりカッコよくて、
たまに見せる爽やかな笑顔にも目がハートになっちまう、若きブラピの可愛いこと。



そして忘れちゃいけないのがジュリアを拉致する殺し屋リロイを演じるギャンドルちゃんね。
ゲイが暴かれるシーンは爆笑だけど、ジュリアに愛とはなんぞやを教えるギャンドルちゃんの存在が唯一この映画に重みを与えてる。冷徹さと暖かさと虚無感を演じきるギャンドルちゃんが魅力的で
だから最後はもう少し違ったアプローチであって欲しかったとも思ったり。

監督の西部劇好きが感じられる音楽の使い方がいいし、笑えるところもあって嫌いじゃない。
でも足りないのはやっぱりハートかな。惜しい。

時々『セブン』入ってたね。


      

【映画】『クライム・ヒート』トムハとわんこに萌え死に!
2014年09月14日 (日) | 編集 |
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シッチェス映画祭特集お休みして、今日は楽しみにしていたトム・ハーディ新作の紹介を。
クライム・ヒート(2014)アメリカ
原題:The Drop
監督:ミヒャエル・R・ロスカム
出演:トム・ハーディ/ジェームズ・ガンドルフィーニ/ノオミ・ラパス/マティアス・スーナールツ
日本公開:
ブルックリンでギャング上がりのマーヴ(ジェームズ・ガンドルフィーニ)が経営する小さなバーは
マフィアの裏金が一時的に集められる集金所“ザ・ドロップ”として機能しており
マーヴのいとこのボブ(トム・ハーディ)がバーテンダーをしながら仕事を手助けしていた。
あるとき覆面の強盗に店の金を盗まれたことから、マーヴとボブはトラブルに巻き込まれていく・・



デニス・ルヘインによる短編小説「Animal Rescue」の映画化
ルへインが脚本も手がけ、『闇を生きる男』のミヒャエル・R・ロスカムがメガホンをとったクライムサスペンスです。

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ふふ、ハーディ好きにたまらない一本でした!
ハーディ演じるボブは黙々と仕事をし、寡黙で朴訥とした男。
バーテンダーなのでかっこよくカクテルを作ったりするのかと思いきや、
そんな小じゃれた店でもなく、せいぜいウォッカを注ぐ程度。
それよりも店に持ち込まれる闇の金を受け取り処理する姿の方が華麗ですねw
本作が遺作になってしまったガンドルフィーニとのやり取りにユーモアがあって
ゲラゲラではないけれど、ニマニマと笑ってしまった。


孤独に生きるボブが出会うのが仔犬のピットブル。
怪我をしてトラッシュ缶に捨てられたこの子を拾い、その際に出会ったナディア(ノオミ・ラパス)と
仔犬を介しての交流が始まります。
ネットでも話題ですが、そもそも犬好きのハーディが「はじめてのワンコ」状態で
ロッコと名づけた仔犬に不慣れながら愛情を持って接する様子がマジたまらん。
ロッコがお洒落な犬じゃなく、素朴でキュートなピットブルなところがまたよくて
ボブとロッコ セットで萌え死にそうになりましたから。

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そんなキュートな面を見せてくれる一方で、映画は次第に危険度を加速させていく。
これ以上は書けませんが、トムハの素朴さと肝の据わった内面の怖さとのギャップが素晴らしく
映画の質を思いっきり高めてます。
トムハの魅力を最大限引き出した監督に感謝。

裏社会に生きることの無常さに複雑なものが残るのものの
最後に少しだけ安らぎを感じさせてくれるのは、原作者のこれまでの映画化作品『ミスティック・リバー』や『ゴーン・ベイビー・ゴーン』に通じるものがありますね。
本作が遺作になってしまったガンドルフィーニは顔色が優れず、息遣いの荒さにも
体調の悪さを感じ見ていて辛かった。
最後まで万全に演じられていたらきっともっと見せ場も用意されていたのではないかな。
でもしがないヤクザもんで締めるのもギャンドルちゃんらしいのかもしれない。
エンドロールの追悼の文字にまたもウルル。お疲れ様でした。

色々語りたいけど語れずもどかしいですが
あとになってあれもこれも伏線だったなと思える脚本、演出もうまく、今のところIMDbでも8.0の高評価。
日本上陸はいつかな。



【映画】 俺たちスーパーマジシャン<未>
2014年06月19日 (木) | 編集 |



俺たちスーパーマジシャン (2013)アメリカ
原題:The Incredible Burt Wonderstone
監督:ドン・スカーディノ
出演:スティーヴ・カレル/ スティーヴ・ブシェミ/ ジム・キャリー/ オリヴィア・ワイルド/ アラン・アーキン/ ジェームズ・ガンドルフィーニ/ ジェイ・モーア/ ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ  
日本公開:未公開

スティーヴ・カレルスティーヴ・ブシェミがデュオのマジシャンを演じるマジック・コメディです。
なんとギャンドルちゃんが出てるやないかい ということで観てみました。




バート(カレル)とアントン(ブシェミ)は小学生からの幼馴染。
マジック大好きな2人は互いに技を磨き、コンビを組んで憧れのプロ・マジシャンになるんですね。
昔のグループサウンズ(死語?w)風のいでたちでステージに登場するカレルさんとブシェミ先生のパフォーマンスが可笑しかわいくて、思わず頬がほころびます。


ところが、年月が過ぎ、おやじになっても2人のパフォーマンスは変わらずでちょっと寒い。
マンネリ化したマジックに客も離れてしまってるんですが、バートはそれさえ気づかない。ブシェミ先生演じるアントンとも言い争いが絶えなくなります。
そんなとき、奇抜なパフォーマンスを見せるストリートマジシャンのスティーヴ・グレイ(ジム・キャリー)が登場。バートとアントンはどうなるのか?というお話ね。

過去の栄光に囚われ、華やかさと傲慢さだけは一丁前。
そんな落ち目のマジシャンをカレルさんが演じてるんですが、変なメークと長髪なのもあってこれが恐ろしく似合わない(笑)すぐにカレルさんらしいキャラに戻ってくれるんだろうと信じてはいたけれど、まぁ馬鹿に時間がかかったね(汗)おかげで居心地の悪い時間が長かったよ。

やっと面白くなったのは、バートが全てを無くした自分に気づき再生に向かい始めてから。
きっかけとなる伝説のマジシャンを演じるアラン・アーキンがとってもいい。
喧嘩別れしていたアントンとの友情を取り戻すシーンはちょっと泣けるし
ラストにはあっと驚く(?)イリュージョンを披露してくれますよ。明かされる舞台裏も楽しい



おっと、忘れるところでしたが、ギャンドルちゃんが演じるのはカジノのホテル王で、バートとアントンの雇い主ね。でもギャンドルちゃんらしさはあまり拝めなくて、彼じゃなくてもよかったかなぁ。

全体的にせっかくのキャストを上手く使いきれてない気がしたけど、逆に言うと意外な面が見れた作品でもある。いつもはゴージャス過ぎて冷たく見えるオリヴィア・ワイルドもナチュラルな女性を演じて好印象。初めてステージのアシスタントに借り出されるシーンのもじもじ振りは新鮮でした。


そんな中にあっても、らしいキャラを発揮したのジム・キャリーかな。
どっちかというといけ好かない役ながら身体を張ったパフォーマンスは彼ならでは。身体鍛えてるね。
ブシェミ先生は地味だったけどいい人だったし、久々に『ウェディング・シンガー』を思わせるブシェミ先生を見れたのは嬉しかった。

ものごとを長くやってると、初心を忘れがち。
マンネリに甘んじて情熱をなくしてしまったらお終いだなぁなどと考えさせられます。
仕事にも趣味にも、家族の関係など全てに通じること。
初心に立ち返り、誰かに喜んでもらえる感動を呼び起こされれば、この映画は観た価値ありだと思いますね。



【映画】 クリステン・スチュワート ロストガール
2014年06月12日 (木) | 編集 |



また少しギャンドルちゃん追悼記事を。
クリステン・スチュワート ロストガール(2010)アメリカ
原題:Welcome to the Rileys
監督:ジェイク・スコット
出演:ジェームズ・ガンドルフィーニクリステン・スチュワート/メリッサ・レオ/ジョー・クレスト
日本公開:未公開
また少しギャンドルちゃん作品を。
リドリー・スコットの息子ジェイク・スコットの2本目の監督作品である本作は、娘を失った夫婦と訳あり娼婦の出会いと再生を描くヒューマンドラマです。



ジェームズ・ガンドルフィーニ演じるダグ・ライリーは娘を亡くし、妻との関係も冷え切った寂しい中年男。唯一安らぎを感じることのできたダイナーのウェイトレスが急死し、傷心で出かけた出張先のニューオリンズで死んだ娘に似た少女マロニーと出会うんですね。それがクリステン・スチュワート
ダグはマロニーが娼婦で生計を立てていることを知り、なんとか更正させようと彼女の家に住み着くことをことに(笑) 一方妻のロイスは帰らぬ夫を心配し、ニューオリンズに行くことを決めるんですね。
娘を亡くして以来引きこもりになっていたロイスが家を出るまでが大変コミカルでね。メリッサ・レオの浦島太郎振りも楽しい。頑張って未来を拓こうとするロイスは清々しかった。





監督作品はお初でしたが、さりげないコメディセンスがあってわかりやすいのがいいね。
何よりキャスティングも秀逸で、ギャンドルちゃんをこういう普通のおやじに使ってるのが嬉しいな。
クリステン・スチュワートも蓮っ葉なマロニーを好演。実はインディーズ系の作品で実力を発揮する人ですよね。お金を貰う=性的サービスを提供することと割り切るマロニーと、マロニーに娘の面影を重ねサービスを拒むギャンドルちゃんの攻防も見ものです。

邦題は売り出し中のクリステン推しで彼女になってますが、原題は「ライリー家へようこそ」。
ニューオリンズで合流したライリー夫妻とマロニーの関係の行方は気をもむものがあったけれど
思ったような押し付けの結果に終わらず、さりげなく双方の再生を匂わせるのがさわやかでした。

愛人を亡くし、ガレージで嗚咽するギャンドルちゃん
ひとりニューオリンズまでやってきた妻の勇気を称え、ぎゅっと抱きしめ最高の笑顔を見せるギャンドルちゃん
クリステンのきったない便器をお掃除するギャンドルちゃんw
色んなギャンドルちゃんを堪能しました!!

製作総指揮の筆頭にはリドリー・スコット、トニー・スコットの名前もあり、凄くまとまりのよい作品になってます。日本未公開で、知らずに終わるところだったけど、これは観てよかった、お勧めです!