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それぞれに落ち着ける場所がある『最終目的地』
2012年09月12日 (水) | 編集 |
今日は10月に日本公開になる作品からジェームズ・アイヴォリー監督の『最終目的地』。





最終目的地
2009年(アメリカ)
原題:The City of Your Final Destination
監督:ジェームズ・アイボリー
出演:アンソニー・ホプキンス、 ローラ・リニー、 シャルロット・ゲンズブール、 オマー・メトワリー、 真田広之、アレクサンドラ・マリア・ララ


南米ウルグアイの人里離れた邸宅に、いまは亡き作家の妻と愛人、娘、兄、そして兄のパートナーの男性が暮らしていた。ある日、作家の伝記を書きたいというアメリカ人青年のオマーが邸宅を訪れるが、妻キャロラインはその申し出を拒否する。一方、兄アダムは遺族として公認を与えるかわりに、オマーにある提案をもちかけ……。

オマー(オマー・メトワリー)は拳銃自殺を遂げた高名な作家ジュード・グイドの伝記の執筆権を得るため、遺族に会いにウルグアイに向かいます。
一度は手紙で断られたにも係わらず、彼に再挑戦を決意させたのは、恋人に直談判を強要されたこともあるけれど、一つにはオマーは彼自身で人生を切り拓きたかったから。

そうしてやってきたウルグアイのグイドの邸宅で出会うのが、グイドの未亡人(ローラ・リニー)、愛人アデーンとその子供、グイドの兄(アンソニー・ホプキンス)とそのパートナー(真田広之)という、それぞれに人生に行き詰まりを感じつつその地に留まっている人々。
邸宅に滞在するうち、オマーはアーデン(シャルロット・ゲンズブール)のナチュラルな美しさに惹かれていき、そのことはオマーは勿論、グイド家の人々にもある変化をもたらすというお話し。

2009年の製作ですが、『眺めのいい部屋』のジェームズ・アイヴォリー監督の最新作ということになります。
自分には敷居が高い気がしてあまり監督作品観てなかったのだけど、これはどストライクな一本でした。



冒頭、オマーは飼い犬を追って沼地に足を取られ、片方の靴を無くします。
このさりげないシーンに、主人公の沈みかけた日常を被せているのが上手いところで、後半、再び靴を無くそうとする彼が、靴を取り戻すことで、人生をの扉を開けていくという見せ方が見事です。

恋人がいながら、異国の地で知り合った女性に惹かれるという話しながら、単にオマーとアーデンの恋ばなにせず、登場人物それぞれの人生を優しく描く丁寧さがいい。
オマーの恋人アレクサンドラ・マリア・ララなんて、途中までは仕切り屋で非情な女な描き方なんだけど、実は彼女の存在があって、みんなの人生が動き出したという意味でもキーパーソン的ポジション。
3年後の幸せそうな彼女を見せることで、人にはそれぞれに落ち着く場所があると教えてくれる。
これがタイトルの伝えているところでしょう。



演技派の役者陣の中にあって、アンソニー爺の恋人を演じた真田さんの活躍も嬉しかった。
英語も上手くなりましたね。キスシーンもある難しい役を爽やかにこなしています。

ちなみにIMDbで調べると、この映画を好きな人はこれも好きと、いくつかタイトルを挙げてくれてるんですが
『シングルマン』『ラビット・ホール』『17歳の肖像』と、ここ数年の年間ベスト3に入る作品が並んでてビックリ。よく知ってるよね♪
映像の美しさにもうっとりの素敵な作品でした。

★★★★☆