映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】ペキンパー『ガルシアの首』と辿る男への道
2014年10月07日 (火) | 編集 |
 

今月は「旅に出たくなる映画」を特集する予告しましたが紹介する映画が必ずしも「行きたい」と思うものでなさそうなので、
少し予定変更w主にはロードムービーと、あとは単純にタイトルに土地の名前が出てくる映画を取り上げますね。

今日はサム・ペキンパー監督の『ガルシアの首』。
ガルシアの首(1974)アメリカ
原題:Bring Me the Head of Alfredo Garcia
監督:サム・ペキンパー
出演:ウォーレン・オーツ / イセラ・ベガ/ ギグ・ヤング/ ロバート・ウェッバー/ エミリオ・フェルナンデス/クリス・クリストファーソン/ ヘルムート・ダンティーネ 
 


メキシコの大地主の娘の妊娠が発覚。
これに起こった地主は娘から相手の名前を聞き出し、アルフレド・ガルシアの首に賞金を懸けた。
酒場のピアノ弾きベニー(ウォーレン・オーツ)は、情婦のエリータ(イセラ・ベガ)から
ガルシアが事故で死んだことを聞き、エリータと共にガルシアが葬られた彼の故郷を目指す。
 
 
しがないピアノ弾きが懸賞金のかかったガルシアの首を求めて、
メキシコの田舎町を行くこれも一種のロードムービーですね。

しかしながら、目指す首は墓の中しかも同じく懸賞金目当てのつわものどもとの熾烈な戦いが待ち受けているわけで・・
はっきり言ってこんな旅はいやだ!(笑)
 
そもそも腕に自信があるわけでもないベニーが危険なミッションに挑むのは何もいいことない下り坂人生から
何とか這い上がるチャンスを得たいから。

ベニーの向こう見ずなまでの生き様は、アル中、ヤク中で身を滅ぼしたとされるペキンパー自身にも被るようで
やるせなくもあるのねぇ。
 
 

不安に震えながらも惚れた弱みで、地獄の果てまでついていく覚悟のエリータは
大地のような存在感。

途中、エリータと結婚の約束をしたり、ピクニック気分でひと時幸せな時間が流れるのが
その後に訪れる修羅場との対比になっていて、これまたたまらん。

正直バイオレンス描写に定評があると聞いて避けてきたペキンパーだけど
暴力シーンの影にこんな男の刹那を描く監督だったんだなぁと改めて知った次第。

ベニー役のウォーレン・オーツは、決して男前ではないけれど、
エリータへの愛や金よりプライドという男気と意地、哀愁が滲み出る演技が素晴らしい。

ガルシアの首を「アル」と呼び、画面の外にまで臭ってきそうなずた袋の中の「アル」と
唯一無二のバディ同士のようになっていくところにも、
敵に囲まれ信じるものが他にないベニーの孤独が強調され、
可笑しさの反面切なくもあった。 ベニーカッコいいよ。

とにもかくにもグッときた!
      

ゲッタウェイ
2014年02月03日 (月) | 編集 |




逃げる映画特集2本目は『ゲッタウェイ』
サム・ペキンパー監督、スティーヴ・マックィーン主演のサスペンス・アクションドラです。
ゲッタウェイ(1972)アメリカ
原題:The Getaway
監督:サム・ペキンパー
出演:スティーヴ・マックィーン/ アリ・マッグロー / ベン・ジョンソン/ アル・レッティエリ/ サリー・ストラザース / スリム・ピケンズ/ ボー・ホプキンス/ リチャード・ブライト 
 銀行強盗の罪で4年間服役中のドク・マッコイ(スティーヴ・マックィーン)に釈放の許可が下りた。地方の政治家と裏約束を交わしたのだ。予定通り銀行強盗を働くドクだったが、ギャングには渡さず金を持ったまま逃走した。


古い作品でもあるので、今回はネタばれ全開です。未見の方はご注意くださいね。

冒頭、仮釈放を許されなかったドクの苛立ちを散々映し出した後
面会に来た妻キャロル(アリ・マッグロー)を役人の部屋に行かせ、次のシーンでは出所。
ペキンパーの手際のよい演出に感心しながらも、妻を利用するとはいただけないなと勝手に思ってしまった。
でも違ったのね。どうやら妻キャロルは自分の意思でドクのために身体を差し出したようで、
それを知ったドクは激怒。なんだぁ、ドクが仕向けたんじゃなかったんだ。
うんうん、マックィーンはそうでなくっちゃ。
しかし面白いのは、この夫婦、逃避行中もずーーっとその不協和音を引きずるんだな(笑)
苛立ったマックィーンは北島のサブちゃんに見えたし(汗)




カーチェイスや巧く追っ手を交わしたりの、スリリングなアクションを楽しむ一方で
マックィーンとマッグローの顔がずっと曇ったままなのが気になる。
修復を図れるのかという夫婦の問題を軸に据えた見せ方が面白い。

2人の関係を回復させる鍵となるのがごみ収集車のシーンでしょうね。
マッグローの半泣きはマジでしょと思うほど、アクションとしても迫力なんだけど、
ごみにまみれ汚れ果てたことで、過去の汚れを払拭できたというのかな。
その後から2人の距離がグンと縮まったのを感じ、ようやく安堵。
緩急の見せ方もお見事です。




2人を執拗に追う、悪役ルディ(アル・レッティエリ)の存在感も面白いよね。
そのルディに拉致された医者の妻(サリー・ストラザーン)が、水を得た魚のように生き生きしてくるのがまた可笑しい。先日ペキンパーの『砂漠の流れ者』のTV放送を録画しながらチラ見したのだけど、監督はイロっぽい金髪女性がお好みに違いない(笑)

ラストシーンは爽快でした!!