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サマンサ・モートン監督『The Unloved』
2013年04月02日 (火) | 編集 |




 

The Unloved(2009)イギリス

原題:The Unloved
監督:サマンサ・モートン
出演:モリー・ウィンザー、ロバート・カーライル、ローレン・ソウチャ


11歳のルーシー(モリー・ウィンザー)は、父(ロバート・カーライル)の虐待を受け、自ら電話してソーシャルワーカーに助けを求める。
どうやらそうすることを義務付けられていた様子。
施設に入れられ、16歳のローレンと同じ部屋で過ごすことになるか・・

女優さん初監督作品2本目は、サマンサ・モートンの『The Unloved』。
モートン自身、幼少期から18歳までを里子に預けられたり、施設で過ごしたりしたそうで
本作は彼女の半自伝作品らしいです。

まぁ、切ない話ですよ。
映画は主にルーシー目線で描かれるため、大人の事情は断片的にしかわからないのだけど
11歳という年齢で、親に養育を放棄されたらどうすればいいんでしょう。





施設で過ごすことになっても、ルーシーは不平一つ言わず、泣くこともない。
しかし同室のローレンは16歳、話が合うはずもなく、おまけに
部屋でヤクをやったり、施設の職員といちゃついたり
そのたびにルーシーは一人外に出て街をさ迷うのです。





ルーシーの孤独が際立って、ポエティックで美しい映像にセンスを感じます。
ただ、個人的には『卒業』を思わせるラストシーンに不満が残りました。
ここ、ルーシーの表情をエンドロールまでとらえ続けるのだけど、とにかく長く居心地の悪さを感じてしまった。

自伝ということで、極力センチメンタルを排したいモートンの気持ちもわからないではないけど
一度も泣かないルーシーだからこそ、最後に一粒の涙を流させた方がタイトルの『The Unloved』が生きてくる気がしたなぁ。

「何か望みはない?」と聞かれるたびに
「ママと暮らせる方法はないの?」と訊くルーシー。
けれどソーシャルワーカーや大人の答えは
「裁判所の決定に従わないといけないから」。

子供の幸せと、社会システムは必ずしも合致しないのが切ないところ。
そんなルーシーが、神を幻想し、その存在を身近に感じることで
辛うじて、気力を保たせているのが印象的
ルーシーを演じたモリーの存在そのままに、静的でピュアな作品でした。