映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
『ブルージャスミン』:ケイト・ブランシェットの主演女優賞なるか
2014年01月24日 (金) | 編集 |




オスカー特集
今日ウディ・アレン監督のシニカルドラマ『ブルージャスミン』をDVD鑑賞しました。


ブルージャスミン(2013)アメリカ
原題:Blue Jasmine
監督:ウディ・アレン
出演:ケイト・ブランシェット / アレック・ボールドウィン/ サリー・ホーキンス/ルイス・C・K / ボビー・カナヴェイル/ アンドリュー・ダイス・クレイ/ ピーター・サースガード/ マイケル・スタールバーグ
日本公開:2014・5・10
ニューヨークでのセレブ生活が崩壊したジャスミンは、サンフランシスコに住む妹ジンジャーのアパートを訪ね、一緒に暮らし始める。全て失いお金もないジャスミンだが、簡単な仕事につくことはプライドが許さない。
自分に合ったインテリアの資格を得るため、まずはコンピューターの学校に通い始めるのだが・・

ケイト・ブランシェットがヒロイン ジャスミンを演じ、オスカー前哨戦を独走中という一本。



 
破産し全てを失ったにも拘わらず、ブランド品を身にまとい、ファーストクラスに乗るジャスミン。
スーパー勤めの妹の世話になりながら、妹やその恋人までも見下すいけ好かない女です。
映画は、夫ハル(アレック・ボールドウィン)とのニューヨークでのセレブな暮らしぶりをフラッシュバックで見せつつ、ジャスミンの転落生活を描き出すというもの。

オスカー主演女優賞にノミネートケイト・ブランシェットが評判どおり素晴らしい。
ハルとの新婚時代や、新しい恋人にときめく様子はやたら可愛らくて、彼女いくつだっけ?と確認したくなるほど。一方、精神的に破綻したジャスミンは悲しいまでに凄まじい。いけ好かないぶりは笑ってしまうほど。



しかし、ジャスミンはどうしてこんな女になったのか?
実はジャスミンは妹とは血の繋がりがない。二人とも養子として育てられたんですね。
おそらくは里親の愛情を得るために、常に努力したであろうジャスミンは、容姿端麗学業優秀なパーフェクトな女性に成長。夫に見初められセレブな暮らしを謳歌するわけですが、ジャスミンの価値観を決定付けるのに、この養子として育ったという背景はキーになる部分だと思います。

ジャスミンが培ってきた価値観は間違えてるんだけど、それが愛を得るための手段であったことを思うと、なんだか切ないんですよね。




同じく養子で育った妹ジンジャーにサリー・ホーキンス
容姿も10人並のジンジャーは、美しいジャスミンにおよそ勝ち目がない。
「遺伝子だから」と諦め、自分に見合った暮らしをし、自分に見合った恋人を選ぶジンジャー。
両極端な姉妹を対比させることで、価値観や本当の幸せについて考えさせる作りもうまい。
ジンジャーはジャスミンにあることで恨みも持っているのだけど、血の繋がりはないながら、二人は唯一の身内でもあるんですね。少しだらしないながら、ジャスミンへの複雑な愛情も滲ませるジンジャーを演じるサリー・ホーキンスの演技も絶妙で、オスカー助演女優賞にノミネートされています。

98分という時間にこれだけの人生模様を盛り込むウディ・アレンの脚本はまさに職人技。
会話中のキーワードから、過去にフラッシュバックしていく切り替えも巧妙で
これまたオスカー脚本賞にノミネートです。

シニカルで辛らつだけど、底に流れるのは悲しいまでの愛。
観終わって切なさに泣いてしまったけれど、とっても面白い作品でした。
ケイト・ブランシェットの主演女優賞に異議なしです。

ハンナ
2012年03月04日 (日) | 編集 |



ハンナ
2011年(米)

原題:HANNA
監督:ジョー・ライト
出演:シアーシャ・ローナン  
       エリック・バナ  
       ケイト・ブランシェット  
       トム・ホランダー  
       オリヴィア・ウィリアムズ  
       ジェイソン・フレミング 
       ジェシカ・バーデン

【ストーリー】
フィンランドの山奥で元CIA工作員の父に戦闘技術を徹底的にたたき込まれて育った16歳の少女ハンナは、ある任務のためヨーロッパを旅立つ。しかし、父のかつての同僚でCIA捜査官のマリッサがハンナを執ように追跡する。(映画.comより)



今月のキーワード「アイリッシュ」
なんでアイリッシュのキーワードでこの映画が出てくるかといいますと
主演の
シアーシャ・ローナンがアイルランド人だから(笑)
アイルランドアカデミー賞でもデビュー以来5年連続 賞を受賞する
国民的女優に成長していますね。

本作は、父親を凌ぐ戦士に成長した16歳のハンナが
ついにフィンランドの森を離れることになるが
それは同時にCIA捜査官のマリッサとの対決を意味していた という話で
文芸もののイメージのある
ジョー・ライト監督には珍しく、アクション映画の仕上がりです。

個人的にはこれは、フランケンシュタインものとして面白く観ました。
もっと言うならミュージカル版フランケンシュタインかな。

百科事典的な知識は持ち合わせているものの、
森ではほぼ野生のような暮らしをしていたハンナが外に出て
文明に触れ、父親以外の人と触れ、友を作り、家族と言うものを知る。
初めて目にした電気やシャワーに驚きパニックに陥るシーンなんて
とってもミュージカル的に観えたな。

ハンナが目にする他民族の歌や踊りもエキゾチックで
常に音楽が溢れていたのもそう感じた一因でしょうか。
アクションも何かリズムを感じましたね。

なぜフランケンかは、映画をご覧になった方には判ってもらえると思います。
モンスターである自分を知ることになるハンナの切ない物語でもありました。




強烈だったのはマリッサを演じた
ケイト・ブランシェットでしたね~。
冷徹かつ執拗に任務を遂行するマリッサは、ある意味ハンナ以上にモンスターな存在。
そのストイックさを表現するのに、歯磨きのシーンを採用してるのだけど
電動歯ブラシで血が出るまで磨くんですよね。あれには笑った(笑)

さて、モンスター対決を制すのは、ハンナかマリッサか は観てのお楽しみ。

そんなに強いならハンナは逃げなくてもいいんじゃないか・・とか
森での生活色々など、ツッコミどころはあるけど
ありきたりなアクションものになってなかったところが面白かったです。