映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】 『宇宙からの脱出』:元祖『ゼロ・グラビティ』
2014年07月09日 (水) | 編集 |



宇宙から巨大な台風の雲を捉えた写真がネット上に掲載されていました。
それを見てこの映画を思い出した方もいるのでは?

宇宙からの脱出(1969)アメリカ
原題:Marooned
監督:ジョン・スタージェス
脚本:メイヨ・サイモン 
出演:グレゴリー・ペック/ リチャード・クレンナ/ デヴィッド・ジャンセン/ ジーン・ハックマン 
 ジェームズ・フランシスカス/ マリエット・ハートレイ/ リー・グラント/ ナンシー・コヴァック
日本公開:
 
アメリカの宇宙船アイアンマン1号(笑)の故障により3人の乗組員が宇宙空間で遭難。
管制センターでは3人を救助する手段が検討されるが・・


宇宙空間での遭難を描いた作品といえば、『ゼロ・グラビティ』が記憶に新しいですが
45年も前に宇宙からの脱出を描くこんな映画が作られていたんですね。
しかもこの映画が製作された翌年にはアポロ13号の事故が起きていて
本作が事故を予期したようだということでも話題になったようです。

『ゼロ・グラビティ』のように宇宙空間で次々に異物が襲ってくるわけではなく、アクションを主体にした作品ではありません。大半は管制とのやり取りであることから静かな印象すらあります。
しかしながら地球からの救助を待つには、どう考えても酸素が足りない状況にあり、クルーが無事に生還できるのかとドキドキしながら行方を見守ることになりました。

劇中クルーは地球上空にハリケーンの雲を見ます。
このハリケーンが救助の妨げにもなるんですが、ある興奮も生み出す大事なポイントにもなります。



管制のトップにいるのがグレゴリー・ペック演じるキース。
何時何分レベルで細かな行動計画を口にするキレもののキースが、時に勇敢に、ときに苦渋の決断をし的確にクルーに伝える。この人に任せておけば間違いないというリーダー像を見事に演じてますね。

絶望感漂う中、映画は意外な結末を迎えます。
冷戦時代に作られたことを思うとこれは画期的で興奮してしまいました。




クルーの一人にまだ若きジーン・ハックマン
3人の中では一番暴れん坊な印象ながら、登場人物の背景等はあまり描かれないためキャラクターを掴むのは難しい感じ。もともと、この映画はフランク・キャプラが製作を進めていながら、資金の問題で断念し、ジョン・スタージェスが代わって引き受けたのだとか。
キャプラならもっと人物の心情にスポットを当てたのかなと思うところでもありますが、スタージェスの男気のある演出もよしです。




古い作品につき、映像は多少リアリティに欠けるものの、特撮でアカデミー賞を受賞しており
この時代にしては十分に頑張っています。
クライマックスでのハックマンの宇宙遊泳は期待に胸を膨らませた瞬間だっただけに
「ネタなの?」と爆笑しそうになりましたが(笑)
そんな部分含め、期待以上に楽しめた一本でしたよ。




ブラジルから来た少年
2012年03月18日 (日) | 編集 |


ブラジルから来た少年
1978年(アメリカ)
原題:The Boys from Brazil

監督:フランクリン・J・シャフナー
出演:グレゴリー・ペック、ジェームズ・メイソン、ユタ・ヘーゲン
   ローレンス・オリビエ

【ストーリー】
アウシュビッツ収容所で死の天使と恐れられた遺伝学者ジョセフ・メンゲレ。彼は各地に潜伏中のナチス残党とともに、65歳の公務員94人を殺害するという奇妙な計画を企てる。ナチス残党を追跡していたリーバーマンは、この事件を追う内に彼らの恐るべき本当の狙いを知る。(映画.comより)


最後の大物戦犯の一人と言われたナチスドイツの元看守が収容先の老人施設で亡くなったとのニュースを受け、
ナチス残党を扱った映画をいくつか思い出したので、この機に移動しときます。
まずはアメリカの良心とも言うべき、誠実なイメージのグレゴリー・ペック
ヒトラーを狂信するマッドサイエンティストを演じていてプチショックを受けた本作を。

何万人というユダヤ人の殺害に関わったナチス残党がまだ生きていたということ自体
驚きますが、彼が余生をどう生きたのかも問題ですよね。
罪の意識を持ちつつ、化石のごとく年老いていったのだろうか。

まぁ、困るのはこの映画みたいな残党ですよ。
だって彼らの目指すのはナチス復興なんだもの。(゚Д゚)ゴルァ!!

有能な遺伝子学者であったナチス残党メンゲレ(ペック)が、南米に潜伏しつつ
元SSなどを集め、虎視眈々とある陰謀の計画を進める。
その手段として利用するのがクローン技術ってんだから、
この映画が作られた当時にしては、かなりぶっ飛びなSFですよね。
タイトルをみると原題は『THE BOYS FROM BRAZIL』となっていて
少年は複数形というところもポイント。黒い髪にブルーの瞳の少年が不気味!

 
世界のユダヤ系の人はこの映画をどう観たでしょうね。
医学の発達により、クローン技術も十分実現可能な今
同じような陰謀から、存在してはならないクローンが静かにその時を待っている・・
なーんてこともありうるんじゃないかと、真から恐ろしい気持ちになったし
ラストのワンシーンには背筋が凍る思いでした。
ペックも怪演でしたが、ローレンス・オリビエが老齢のナチスハンターを演じているのも渋い。
サスペンスフルで面白い作品でした。
日本で劇場未公開ということですが、DVDにはなっています。