映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】『マネー・ショート 華麗なる大逆転』・・副題変だよ
2016年02月04日 (木) | 編集 |
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マネー・ショート 華麗なる大逆転
2015)アメリカ
原題:The Big Short
監督:アダム・マッケイ
脚本:アダム・マッケイ/チャールズ・ランドルフ
出演:
スティーヴ・カレルクリスチャン・ベイル/ ライアン・ゴズリング/ ブラッド・ピット

【あらすじ
休金融トレーダーのマイケルはサブプライム・ローンが数年以内に債務不履行に陥る可能性がある事に気付くが・・


【感想
『マネー・ボール』のマイケル・ルイスの『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』を原作とする金融ドラマ。

『俺たちニュースキャスター』や『俺たちステップ・ブラザース-義兄弟-』などのコメディ派のアダム・マッケイが金融ドラマを撮って、しかもオスカー作品賞にノミネートされたことでも話題です。

もうひとつ話題なのはブラッド・ピットスティーヴ・カレルクリスチャン・ベイルライアン・ゴズリングといった人気スターたちが集結したこと。

彼らが演じるのはいずれも金融界のつわものたち。
ベイル演じるのは神経学者であり、今はヘッジファンドでアナリストをするマイケル・バリー。
マイケルは分析結果からサブプライム・ローンが近い将来やばいことに気づき、銀行などに進言するも相手にされません。
バブル期にある当時、住宅金融は安定と信じられていたんですね。

映画の中では出てきませんが本物のマイケルさんはアスペルガーで、天才だけど人間関係を上手く保てないちょっと変わり者。
オフィスでドラムを叩き、自分の変な髪形を棚に上げ、人にその変な頭は自分で切るのかとか言っちゃう男をクリスチャン・ベールが絶妙に演じてます。
ちなみに画像右は本物


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マイケルは分析結果を踏まえ住宅ローンのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)なる取引に投資する。
これは債務不履行などが生じた場合、取引先の金融機関が損失額を補填する仕組みらしく、ローンでの破産者が出れば出るほどマイケルが儲かることになるらしいのね。って良く分からずに書いてるので用語の使い方も間違ってるかもしれません。

その動きに気づいた狡猾な投資家ライアン・ゴズリングがヘッジファンドのカレルさんを誘い、
若い投資家にアドバイスを求められた元銀行マンのブラピが彼らを手助けしたり・・・
世界的な金融崩壊を逆手に取る投資家たちがいたという話。


正直、株もやらない金融音痴の私には、ベイルらの暗躍が金融システムにどう影響したのかとか、難しすぎてわからない(汗)色々に複雑ですから。



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にも関わらず楽しめるのは、キャラの利いたキャストの演技やマッケイのユーモアセンスによるものも大きいですね。
一番のお笑い担当がカレルさんでなくライアン・ゴズリングなのは意外性もあって楽しい。
へんなヅラで観客に向かって話すのと、いつもアシスタントとセットなのが笑える。
カメオのスターを使って難しい仕組みを平たく説明しようとする演出も有効です。

ただね、これイケイケドンドンな話じゃなく、邦題の副題にあるように華麗でもない。
だって、サブプライム・ローンというのは主に貧しい人たちが利用したローンで
焦げ付きは彼らから夢のマイホームを奪い、バランスを失った金融界は世界を巻き込み崩落したんだもんね。
彼らは当然罪悪感にも駆られます。

リーマンショックはどうして起きたか、その裏で金融マンはどう暗躍したか
それらをユーモアを交えつつも、シニカルに怖い話に仕上げ
しかもエモーショナルに描きあげたアダム・マッケイの知性を感じる一本。

もしも経済学者なり国なりが正確に経済を分析していれば、
あるいはマイケル・バリー氏の分析を深刻に受け止めていればリーマンショックは起きなかったかもしれない

この映画は一つの教訓を示すものでもあり、カレルさんに言わせるとホラーだそうです。

私が置いてけぼりを食らった部分も投資に興味のある人は楽しめるんじゃないかな。
あと、マイケル・ルイスの原作を読んでおくと助けになるようです。



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【映画】 ベイルを侮るな!『ファーナス/訣別の朝』
2014年04月20日 (日) | 編集 |



『クレイジー・ハート』のスコット・クーパー監督の新作です。

ファーナス/決別の朝(2013)アメリカ/イギリス
原題:Out of the Furnace
監督:スコット・クーパー
出演:クリスチャン・ベイル/ ウディ・ハレルソン/ ケイシー・アフレック/ フォレスト・ウィテカー/ ウィレム・デフォー/サム・シェパード
日本公開:2014/9/27
 ラッセル(クリスチャン・ベイル)とロドニー(ケイシー・アフレック)は寂れた鉄鋼業の町に暮らす兄弟。
よりよい人生をと思いながらも、病気の父を抱え、生活のために地元で働く兄ラッセル。
一方弟ロドニーは、定職にもつかず賭博金の借金から賭けボクシングに関わり始めていた。
ある日、オーバーワークを重ねるラッセルが事故を起こしたことから、兄弟の人生は更に狂い始め・・
 
 冒頭、ドライブイン・シアターで起きるトラブル。
無慈悲に暴力を振るい、周りを震え上がらせる男ハーラン(ウディ・ハレルソン)が影でこの町を支配する悪の根源であることがわかってきます。
このとき上映されているのが、『ミッドナイト・ミートトレイン』(2008)。
今でもドライブインシアターが存在するところにも、この町のひなびた一面が見えるというもの。




 クリスチャン・ベイル演じるラッセルはまじめで優しい男ですが、彼の起こした事故により家計を支えることができなくなり、兄弟の未来に暗雲が立ち込めるんですよねぇ。
監督がベイルをあて書きしたとあって、ベイルははまり役。



ケイシー・アフレックも、フラフラと頼りないのに危なっかしい男を演じさせたら右に出る者なしでしょ。
心に傷を負ってやさぐれてはいるけれど、家を支えたい思いは彼にもあり、その責任感が不幸へとつながってしまうのが悲しいんですよね。
今回は賭けボクシングで細マッチョな一面も見せてくれます。



 中盤まではとことん落ちていく兄弟の悲哀にひたすらドヨヨーン
行方不明になった弟を探すため、ラッセルが動き出すあたりから緊張感もピークに。
巨万の富も、バットマンスーツも持たないベイルが、どう悪に立ち向かうのかも興味あるでしょ。
しかも彼を援護するのが『MUD』でのお姿も記憶に新しいサム・シェパードですからね。
ま、実際は思ったよりもかなり地味でしたが・・

 ロドニーを雇う町のやくざに ウィレム・デフォー、警察にフォレスト・ウィテカー
田舎町の閉塞感と、そこに生きる男たちの悲哀がたまらない映画です。
ケイシーとベイルの兄弟愛も見もの。
ケイシーがイラク帰りで心に傷を負っていたり、経済の破綻を垣間見せるところに
政治の問題も垣間見せますね。
嫌いじゃないけど元気なときに見るのが正解かな。

ポスターは『クレイジーハート』のギターをライフルに置き換えただけ・・みたいなw