映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
ミア・ファローの揺れる乙女心『フォロー・ミー』
2012年07月14日 (土) | 編集 |
今ではツイッターお誘いの常套句になってしまいましたが・・
『フォロー・ミー』

『第三の男』の名匠キャロル・リードの遺作である本作は
夫婦の揺らぐ愛を優しい視線で描く、キュートな恋愛ドラマです。







フォロー・ミー
1971年(イギリス)
原題:The Public Eye
監督:キャロル・リード
出演:ミア・ファロートポルマイケル・ジェイストンマーガレット・ローリングス

 
会計士のチャールズは、妻のベリンダの行動に疑問を抱いていた。
彼は私立探偵のクリストフォローに、妻の行動を探るように依頼する。

マイケル・ジェイストン演じる会計士チャールズは、悩んでいた
最近どうも妻べリンダ(ミア・ファロー)の様子がおかしい。
隠れて浮気をしているの違いないと踏んだチャールズは私立探偵を雇い
妻の素行調査を依頼するのだが・・・

イギリスのお坊ちゃま育ちのチャールズと、自由を謳歌する根無し草なベリンダ
ベリンダはチャールズの世界観に自分を当てはめることに疑問を感じ
そんな妻のストレスをチャールズは理解できない
もうそこに愛はないのか と思い始めた頃
夫の雇った私立探偵(トポル)の存在が二人の関係の修復に
一役買うことになるんですね。
 
強制されるのも、形にはめられるのもいや。
でも心を繋ぎとめてあげなければ、風船のようにフワフワと飛んでいきそう。
不思議ちゃんなミア・ファローは、そんな揺れるヒロインにぴったりでした
 




白いコートに身を包んだトポル演じる探偵クリストフォロー(命名がまた絶妙w)は
謎の中東人風で胡散臭そうなのだけど、実際には何でもこなす不思議なキャラクター。
彼の素性を探れば、それはそれで面白いスピンオフ作品が生まれそう
イギリス映画にこんな人物が登場する意外性も楽しいよね。

 
孤独に歩けば物寂しいだけのロンドンの街並みも、
気分が変われば、また新鮮に見えてくる。
出会いのときめきや、同じ空気を吸い、同じ時を共有することの幸せを感じられたりと思いがけない恋のエッセンスが詰まってるのも、この映画の魅力ですね。
 
さてさて、夫婦の運命は
 
最後は可笑しいやら、嬉しいやら
とっても幸せな気持ちになりました。
 
キャロル・リードはこんな優しく愛おしい映画も撮ってたんですね。
元気になれるキュートな作品です。大好き!

         ※旧ブログから移動、加筆しています

★★★★★



第三の男
2010年03月30日 (火) | 編集 |

1949年(イギリス)

監督:キャロル・リード

出演:ジョセフ・コットン/オーソン・ウェルズ/アリダ・ヴァリ/トレヴァー・ハワード


■感想
キャロル・リード監督のフィルム・ノワーレ
舞台は第2次世界大戦直後、米英仏ソの4カ国に分割統治されるオーストリアのウィーンが舞台。
 
友人を頼りにやってきたアメリカ人の売れない小説家ホリー・マーティンは
友人ハリーの家に着くや、彼が交通事故で死んだばかりだと告げられる。
葬式で出会った英少佐キャロウェイからハリーは闇取引で面倒を起こす悪人と聞かされ
信じられないマーティン。しかしハリーの死には不審な点が多く、マーティンは謎の解明に走り始めた。



マーティンにを演じるジョセフ・コットンが小説家という設定が巧く作品に生きてます。
彼の好奇心、洞察力が思わぬ謎を解明することになるのだけど、そこには
第2次世界大戦の傷跡が深く刻まれてるんですよね。
おそらくはこんな時代でなければ犯罪に手を染めることなどなかったかもしれないハリー
パスポートを偽造し、不正の中生きなければならないハリーの恋人アンナ(アリダ・ヴァリ)
事件に迫るうちにアンナに惹かれていくマーティンの暮らすアメリカも大変な時代だったでしょう。
 
中盤、死んだはずのハリーを演じるオーソン・ウェルズが暗闇から姿を現すシーンは
光と影を巧みに使った映像と、驚きとで、ゾワワと鳥肌もの。猫も可愛いしねw
地下下水道の追跡シーンで、ハリーが四方から追い詰められ、行き場をなくし立ち尽くすところも
ドキドキと切なさが交錯しました。
 
なんといっても一番に印象に残るのはアントン・カラスのチターの演奏の主題歌
冒頭から終始一貫っこの曲だけなのに、時々でアレンジを変えているので
時にコミカルに時にサスペンスフルに、そしてラストシーンでは哀愁を帯びてくるのですよね。
 
うん、ラストの哀愁がたまりません!! 
冒頭のお葬式のシーンを再現する構成も巧みだけど
長まわしで見せるこのラストシーンの哀愁に痺れます。
至極の1本。