映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】『Far from the Madding Crowd(原題)』-遙か群衆を離れてー
2015年05月30日 (土) | 編集 |



Far from the Madding Crowd (原題)(2015 )
イギリス/アメリカ原題:Far from the Madding Crowd
日本公開:未定

あらすじ
19世紀のイギリス南部。叔父から相続した農場切り盛りする女主人のバスシーバは3人の男性から求婚される。
トレーラー

感想

『偽らざる者』のトマス・ヴィンターベアが、イギリスの文豪トマス・ハーディの原作小説『遙か群衆を離れて』を映画化した一本。
19世紀のイギリス南部を舞台に、3人の異なるタイプの男に愛された女農場主の姿を描く文芸ドラマです。

農場主バスシーバを演じるのはキャリー・マリガン
バスシーバは叔父から相続した農場を守るために、働きの悪い労働者をくびにすることも辞さないしっかり者の女性。しかも美しく可憐ですからね、農夫のゲイブリエル(マティアス・スナールツ)、隣の大地主のボールウッド(マイケル・シーン)、軍曹のトロイ(トム・スターリッジ)といった面々が次々と彼女に魅了され求婚する。バスシーバのハートを射止めるのは・・という話。


ふむ、四角関係を119分でまとめるって至難の業だったんじゃないだろうか。
出会ってすぐにプロポーズされる(ように見える)という展開に無理を感じて
正直ちょっと苦笑いになっちゃったんですが(笑)
それでも2時間で各キャラクターの特徴を的確に描き、理解に支障ないのは凄い。

バスシーバはこの時代には珍しく独立心のある女性で、人に所有されることを嫌うがゆえに図らずも男性を翻弄してしまう。そんな彼女も三人三様の魅力に心を動かされる。

特に印象に残ったのは軍曹トロイと恋に落ちるシーン。
トロイのサディスティックな行動はともすれば失笑を買うところだけど
二人の間に存在する危険で甘い官能にはちょっとドキッとするし、ポスターにもあるように
トロイの勝負服 軍服の緋が効いて、なんたって映像が美しい。

シリアスドラマを手がけてきたヴィンターベア監督がこういう文芸ロマンスもいけるというのは意外でもあったな。 風景の美しさも際立ってました。
トレーラーのマリガンの美しい歌声もぜひ聴いていただきたい。

ところで、コスチューム姿のマリガンはウエストが驚くほど細かったのだけど
このプレミアのお写真から推察するに、ご懐妊なのかな。




ちなみに68年のジョン・シュレシンジャー版は170分の大作。
バスシーバにジュリー・クリスティ、ゲイブリエルにアラン・ベイツ、ボールウッドにピーター・フィンチ、トロイにテレンス・スタンプというキャストもいけてるし、撮影がニコラス・ローグというのが気になる。


トラックバックされた記事

 
忠愛の男

 アイルランド⇔日本 機内映画鑑賞記?  「Far From the Madding Crowd」  19世紀のイギリス西部エセックス。聡明で独立心の強い農家の娘バスシーバは、羊飼いのガブリエルに求婚されるが男は要らないと断る。叔父から遺産を相続したバスシーバは、不運な事故で全財産... 

2015/10/10(土) 午後 6:25 [ まつたけ秘帖 ]


インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
2014年01月18日 (土) | 編集 |



オスカー特集
今日はコーエン兄弟の新作『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』を観てきました。
インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(2013)アメリカ
原題:Inside Llewyn Davis
監督:ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
出演:オスカー・アイザック/ キャリー・マリガン/ ジョン・グッドマン /ギャレット・ヘドランド/ F・マーレイ・エイブラハム/ ジャスティン・ティンバーレイク
日本公開:2014年、初夏
60年代にニューヨーク・グリニッチ・ヴィレッジのフォーク・シーンで活躍したデイヴ・ヴァン・ロンクをモデルに描く音楽ドラマです。


カンヌ審査員特別グランプリや、全米批評家協会賞などでも作品賞やオスカー・アイザックが主演男優賞を獲ってますが、オスカーでは主要部門から外れ、撮影賞と録音賞だけのノミネートというのは、今回の一番のサプライズ。でも観終わって思うのはちょっと人を選ぶかなということ。
ボブ・ディラン以前のフォークソングが主役なので、観るものの思い出指数が多分に加味されるかもしれません。



舞台は1960年のニューヨーク。
オスカー・アイザック演じるルーウィン・デイヴィスは、グリニッジ・ヴィレッジのライブ・ハウスで細々と歌うフォーク歌手。彼は住む所も定まらず、不安定な暮らしに甘んじているのだけど、あることでお金が必要になり、いつにない行動を起こす。映画はその一週間を描きます。

デイヴィスが頑張ろうとすればするほどに、あぁあ~な災難が降りかかり、
気の毒だけど笑ってしまう。そのあたりにコーエン作品らしい面白さがありました。





しかし今回の主役は音楽。
12歳からギターを弾いているというオスカー・アイザックのパフォーマンスは本物で、美声を披露してくれます。
ほぼ即興で演奏するジャスティン・ティンバレークとのセッションも楽しい。
キャリー・マリガンもデュオのフォークシンガーということで歌を聴かせてくれますが、その甘い歌声とは裏腹に彼女の内面は怒りに満ちている。
デイヴィスに発するどんだけ~な暴言が受けます(笑)



この映画、構成も変わっていて、正直どこから始まってどこで終わるのか分からない(笑)
そのトリッキーな構成に一役買うのが猫の茶トラ先生。この子がかわいくて猫好きにはたまりません。
まぁ、とるに足りない一週間ではあるのかもしれないのだけど、映画を観終わったとき、
主人公がこの間に得た「愛すべきものたち」のことを思い、なんかジーンとしました。

 この翌年ボブ・ディランが登場し音楽の世界を変えていくんですね。
インターネットからのダウンロードが主流になり、レコード店で音楽を探す人がいなくなったように、時代ともに音楽もスタイルを変え、取り残されるものは廃れていくのが運命。
この映画に登場する伝統的なフォークソングも、ボブ・ディランの登場で姿を消すことになる。
ひとつの時代が終わる革命前夜の哀愁を感じます。
グレイッシュなニューヨークの映像とともに、アイザックの歌声が心に響く作品です。

トレーラー張っておきますね。サントラも気に入って聴いてます。



華麗なるギャツビー(2012)
2013年06月01日 (土) | 編集 |



レオナルド・ディカプリオ
主演で、F・スコット・フィッツジェラルドの小説を映画化した『華麗なるギャツビー』。
1920年代のアメリカを舞台に、華やかなる時代の光と影を描き挙げる文芸作品ですね。
華麗なるギャツビー(2012)アメリカ
原題:The Great Gatsby
監督:バズ・ラーマン
出演:レオナルド・ディカプリオ、 トビー・マグワイア、 キャリー・マリガン、 ジョエル・エドガートン、 アイラ・フィッシャー、 ジェイソン・クラーク、エリザベス・デビッキ
日本公開:6/14
 1922年。中西部から大都会ニューヨークにやってきた作家志望の青年ニック・キャラウェイは、毎夜、豪華なパーティを開いては大騒ぎを繰り返している大富豪ジェイ・ギャツビーの隣家で暮らすことになる。しかし、不思議なことにパーティの出席者の誰も実際にギャツビーに会ったものがいないという。しかし、ある日ギャツビーからパーティの招待を受けたニックは、ついにギャツビーに遭遇する。

舞台となる20年代前半は『ミッドナイト・イン・パリ』でオーウェン演じるギルが憧れた華やかな時代。
ロングアイランドのギャツビーの邸宅で繰り広げられる豪華絢爛なパーティにも、空前の好景気に沸く時代の狂騒が見て取れます。『ムーラン・ルージュ』『ロミオ&ジュリエット』(1997)のバズ・ラーマン監督ということで、映像の華やかさは想像に難くないでしょ。
今回3Dで製作したのも、この時代の賑わいを奥行きとディテールで表現したかったかららしい。
そんなこととは知らず2Dで観てきましたが(笑)

映画は、ギャツビーと出会い、彼の全てを知った青年ニック(トビー・マグワイア)の視点で
ギャツビーの波乱の人生と、彼を取り巻く世間の空虚さを語るもの。



レオの登場まで少々時間がかかり、それまでの喧騒にはちょいと疲れて眠くなるけどw
ファンは久々に熱いレオにキュンとすると思います。
色々に笑わせてくれてナイスでした。
対岸の豪邸に住む人妻にキャリー・マリガン(子犬のようなウルウル瞳で超可愛いけど、今回は賛否がありそう)、その夫にジョエル・エドガートン(←富豪の役は似合わないw)。

ギャツビーの大ロマンス物語でもありますが・・・
これ以上語るのはやめましょうね。
豪華絢爛な映像を堪能し、ギャツビーが駆け抜けた人生を体感してください。




トラックバック一覧

  1. 1. 華麗なるギャツビー

    • [マープルのつぶやき]
    • January 14, 2014 14:21
    • JUGEMテーマ:洋画「華麗なるギャツビー」The Great Gatsby監督:バズ・ラーマン2013年 アメリカ映画 143分キャスト:レオナルド・ディカプリオ     トビー・マクガイア     キャリー・マリガン     ジェイソン・クラーク     ジョエル・








都会の孤独を映す『SHAME シェイム』
2012年05月16日 (水) | 編集 |
今月のキーワード『プロメテウス』から
今週は『プロメテウス』の主要キャストの出演作を観ていきます。
まずはアンドロイド役が楽しみなマイケル・ファスベンダー『SHAME シェイム』
なお、これまで使ってた
の表示はやめます。旧ブログからの記事も基本手を加えます。



SHAME シェイム
2011年(イギリス)
原題:Shame
監督:スティーブ・マックイーン
出演:マイケル・ファスベンダーキャリー・マリガンジェームズ・バッジ・デールニコール・ベハーリー
【ストーリー】
ニューヨークでエリートサラリーマンとして働くブランドンは、セックス依存症から抜け出せずにいた。そんなブランドンのもとに、恋愛依存症でリストカット癖のある妹シシーが転がり込んでくる。(映画.comより)


新鋭スティーブ・マックィーン監督の2本目 
マイケル・ファスベンダーが演じるブランドンはセックス依存症の男。
それなら女の好っきやねん!なスケベ男かと思いきや、
人との繋がりを持つことを嫌い、相手にするのも通りすがりやコールガールのみ。
そんなブランドンの日常は、恋愛依存症の妹シシー(キャリー・マリガン)の登場によって狂い始める。



大都会ニューヨークにおいて、兄妹は唯一の身内であるにも係わらず
人の心を受け入れなくなったブランドンには、その繋がりがうざったい。
けれども妹を拒否すればするほど、彼は深く傷ついていく。
アイルランドからの移民である兄妹の幼い頃の暮らしについては語られないけれど、クラブでシシーが歌う『ニューヨーク、ニューヨーク』でその一端が垣間見える。
互いの虚無感に繋がる悲しみを誰よりも理解しているこの兄妹は、おそらくその源を共有する過去を持つのでしょう。
だからこそ離れられないふたり。



ブランドンがシシーの影を振り払うように、男娼や娼婦とのセックスに没頭する姿には悲壮感さえ漂いますね。
インターネットの発達で、もはや人々はわざわざ暖簾をくぐってエロビデオを借りる必要もなくなった。
セックス依存症は人に知られることなく、ますますその依存性を高めていき、その後ろめたさが人との繋がりを希薄にする。


いつもの通勤電車でのラストシーン、困惑とも憎悪ともつかぬ表情を見せるブランドン。
しかし、彼のその後は描かれない。
席を立つ? 一緒に電車を降りる?  その判断は観客に委ねられる。

ブランドンはどこにでもいる。都会の孤独を映す秀作でした。

★★★★☆