映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】ブライアン・デ・パルマ『フューリー』
2016年06月14日 (火) | 編集 |
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フューリー(1978)
アメリカ
原題:The Fury
監督:ブライアン・デ・パルマ
脚本:ジョン・ファリス
出演: カーク・ダグラス/ ジョン・カサヴェテス /  エイミー・アーヴィング/ チャールズ・ダーニング/ キャリー・スノッドグレス/ アンドリュー・スティーヴンス

カサブランカの浜辺でアラブ人集団による銃撃が起き、ビーチはパニックに陥る。
息子のロビンと海水浴を楽しんでいた元諜報員のピーター(カーク・ダグラス)は応戦ののちボートを爆破され命を落としたかに見えたが・・

【感想
アトランダム映画祭」のっかり特集6本目
今日は非コンペ作品
ブライアン・デ・パルマ監督が『キャリー』に続いて超能力を題材にしたアクション・スリラーです。


美しいビーチののどかな風景が一瞬にして地獄絵に変わる銃撃シーンの怖いこと。
フロリダのゲイバーで起きた銃撃事件のイスラム国との関連は特定されてませんが
アラブ人集団が銃をぶっ放す描写は、今なら逆にご法度になりそう

しかし、この襲撃は実はピーターの同僚のチルドレスがピーターの息子のロビンを誘拐するために仕組んだものだとわかってくる。死んだと思われたピーターは生きていて、ロビン奪還に向け奮闘するという話です。」
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冒頭から泳いだり走ったり、カーク・ダグラスいくつやねんと持ったらこのときまだ還暦前なのか。
それより老けて見えるので、おじいちゃん頑張ってると思ったんだけど
でもがっちりと胸板も厚く高い身体能力でしっかりアクションしてるのがすごい。
ちなみに今年12月には100歳を迎えられるんですよね。


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ピーターを軸としたストーリーとしてはぶれがないんですが
デパルマ的にはどうしても『キャリー』に代る超能力少女を看板にしたかったんでしょう。
ピーターは息子にたどり着くため、超能力少女ギリアンの力を借りようとする

そこで超能力を開発中のギリアン(エイミー・アーヴィング)を登場させ彼女の能力などが描かれるので
話はあちこちへ飛んで、結局誰の物語かわからなくなる。

ギリアンは人に触れて相手の醜い部分を映像としてキャッチする力を持っている。
同時に相手を流血させてしまうという力をコントロールできず、そこが『キャリー』的なホラーの見せ場を作ります。
デパルマお得意の回転する画面で見せるギリアンの透視シーンなど、映像マジックは炸裂してました。

ただ、原題は『The Fury』すなわち「怒り」で、それを爆発させるのは父を目の前で殺された(と思ってる)ロビンということになるんだけど、その衝動はキャリーの豚血ほどのインパクトはなく、心理描写も浅かったのが説得力に欠けて残念。
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とはいえ、ギリアンとロビン、二人による破壊シーンの迫力はかなりのもの
カーアクションなども交え、映像を楽しむ映画なのは間違いなし。
遊園地のシーンはヒッチコック『見知らぬ乗客』だよね。



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チルドレスを演じたのは『こわれゆく女』など監督としても有名なジョン・カサベテス
悪役顔!(笑)

悪は必ず滅びるということで、最後はこれでもかの迫力でぶっ飛んでくれて大笑い&スッキリ!でしたw
「アトランダム映画祭」あらため「首チョンパ映画祭」と呼ぶことにしよう(笑)


余談ですが・・

7月5日まではラマダン月にあたりテロが起きる可能生が高いと言われています。
特に金曜日は要注意なので、人の大勢集まるところに行く際には注意しましょうね。
世界のどこにいても安全というものはないですから。




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炎の人ゴッホ
2013年08月12日 (月) | 編集 |



I・ストーンの原作をもとに、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの生涯を描いた作品です。
炎の人ゴッホ(1956)アメリカ
原題:Lust for Life
監督:ヴィンセント・ミネリ
出演:カーク・ダグラス 、 ジェームズ・ドナルド、 アンソニー・クイン、 パメラ・ブラウン、 ジル・ベネット 、 エヴェレット・スローン 
はずかしながらヴィンセント・ミネリ監督の作品を観るのは初めてですが
ミュージカルを多く手がけた方とあって、色彩の表現が豊かなのでしょうね。

本作はゴッホの伝記作品ですが、ところどころ絵画の世界がそのまま映し出されているように感じるシーンがあり、色彩にこだわった作風が印象的です。『ブリューゲルの動く絵』ほどに全編に渡るものでないにしろ、絵画のように見せるには衣装の色から光線、照明にいたるまで、大変な調整が必要だったのではないでしょうか。キャンバスの絵が自然の中で完全に同一化する部分にも目を見張るものがありました。

天才的な芸術家というのは、幼い頃からその才能を発揮しているのかと思いきや
ゴッホの場合は、父のように牧師になるとして挫折、絵を本格的に描き始めるのが20代後半だったことに驚きます。金銭的にも支え続けた弟に、金も返せず申し訳ないと悔やみながら、、貧しいままに死んでしまうゴッホ。
悲しいのは、生きてるうちに世間に認められることなく、焦燥や絶望を感じ、
ついに居場所をなくしてしまったこと。



自然を愛し、労働者を愛し、普通の家庭をもつことに憧れた優しい人だったと思うと
余計に気の毒だし、認められないがゆえに神経を病み、自ら命を絶ってしまったのは残念ですね。

ゴッホを演じたカーク・ダグラスは、赤毛の口ひげをまとい
その登場シーンからゴッホの自画像にそっくり。
ゴッホの優しさや激しさ、そして悲しみを繊細に表現し、アカデミー賞にノミネートされましたが
賞を受賞したのは、豪快でしゃれっ気のあるポール・ゴーギャンを演じたアンソニー・クインでした。


映画はゴッホの精神の推移とともに、その時々に描いた絵を見せているので
有名な作品が、いつどこで、どんな心情で描かれたものかが分かるのが嬉しい。
芸術にも疎い私も、鑑賞後にゴッホの作品の一覧を検索してしまいました。
年代ごとに並べて、もう一度映画を観ながらゴッホの思いを絵の中に感じてみたいです。

小説の映画化ではあるけれど、ゴッホの作品を知るのに有益な資料の役割も果すのではないかしら。
そんなことを感じた素晴らしい作品です。