映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】『X-MEN:アポカリプス』首チョンパ祭り
2016年06月08日 (水) | 編集 |
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X-MEN:アポカリプス(2016)
アメリカ
原題:X-MEN:Apocalypse
監督:ブライアン・シンガー
脚本:サイモン・キンバーグ
出演: ジェームズ・マカヴォイ /  マイケル・ファスベンダー/ ジェニファー・ローレンス/ オスカー・アイザック/ ニコラス・ホルト/ ローズ・バーン /  オリヴィア・マン /  エヴァン・ピーターズ/ コディ・スミット=マクフィー/ ソフィー・ターナー/ タイ・シェリダン
日本公開:2016/8

1983年、人類の文明誕生以前からミュータントの力を使い、神として世界を支配していたアポカリプスが、数千年の眠りから目を覚ました。人類の文明が間違った方向に発展したと考えるアポカリプスは世界の破滅を計画・・。

【感想 
のっかり特集中休みとしましょう。
本当はDCやらマーヴェルのコミック系はもう卒業でいいやと思ってたんだけど
キャストにつられて『
X-MEN:アポカリプス』観てきました。

今回のタイト"アポカリプス=黙示録”とは「終末の予言」
なんと、太古の神が蘇って、堕落した地球を滅ぼそうとする という話なんだな。

凄いのはこのアポカリプスの神様はミュータント第一号なんだって。
神は4人のホースメンを従えて世界をリセットしようとする。
それを阻止するため立ち上がるのがプロフェッサーXやミスティークらが率いるX-MENたちってことになるんですね。

自慢じゃないけど私はこのシリーズを観始めたのは2009年の『ウルヴァリン』からでして
その元祖をよく知らないんですけど、『X-MEN』結集の意味を紐解き、メンバーを紹介するという作品名なだけに、ブライアン・シンガーの復活はファンには嬉しいんじゃないでしょうか。
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タイ・シェリダン君など、オリジナルキャストと交代した若いミュータントたちの活躍がフレッシュで楽しい。
アポカリプス神を演じたオスカー・アイザックも素顔はほとんど拝めないけど頑張ってました。
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ただね、アポカリプス復活やらX-MENのメンバー紹介やらを割と丁寧にやるので
どうしても時間がかかって、散漫な感じになるんですよね。

そんな中映画を引き締めるのはやっぱりマイケル・ファスベンダー
もう何も言いません。いいよ、ファスベンダー。
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個人的にはファスベンダーシーンの重さで通してもいいんじゃないかと思うのだけど
思いのほか漫画だったね。
楽しいけど、映画全体が軽い印象になるのは否めない。
あと本作を最後にシリーズ卒業となるジェニファー・ローレンスはすでに心が離れてる印象で
ちょっと浮いてたのが残念。

とはいえ、X-MEN誕生の物語として楽しめたのでよしということで。
オリジナルのシリーズも観てみよう。
ウルヴァリンの登場・・というか退場には笑った(笑)


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『インサイド・ルーウィン・ディヴィス 名もなき男の歌』のインサイド
2015年11月22日 (日) | 編集 |
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先日、撮影風景とインタビューで構成された『インサイド・インサイド・ルーウィン・デイヴィス』というドキュメンタリーを観て、劇場鑑賞以来はじめて、コーエン兄弟の『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』を再見しました。

主演は新作『スター・ウォーズ』の新顔オスカー・アイザック
オスカー演じるルーウィン・デイヴィスは60年代初頭グリニッジ・ヴィレッジを中心に活躍したデイヴ・ヴァン・ロンクというフォークシンガーをモデルにしているとのこと。しかし自伝と言うわけではなく、おそらくはボブ・ディラン以前に出ては消えていったシンガーたちをひっくるめた描き方なのでしょう。

再見して新たな発見もあり、大変面白く見たんですが、解釈に困る部分も出てきてしまいました。
そのうち一つはシカゴに向かったロードムービー風のパートは現実か?という点です。

シカゴへの道中、悪夢としか思えないような不運が連続して描かれるからというのもありますが、ジョン・グッドマン演じるローランド・ターナーが『バートン・フィンク』のチャーリーを髣髴させることから、バートン・フィンク同様にとことん行き詰ったルーウィンの心象風景と取るべきなのかと思ったのです。

そうして振り返れば、シカゴのバド・グロスマンが妙に表情がなく、至近距離で対面しルーウィンの曲を聴くところもなにか変だったと思えてきたり・・・
でも、ルーウィンが寝ている傍でシリアル(?)を食べるトロイも妙だったし、猫の名前が途中で変わっているところもあれ?って感じで、色々変なところが出てきます。まぁ、コーエン流のユーモアといえばそうなんですが。

幾度となく、オスカーが眠りから覚めるシーンが描かれるし、窓の外でサイレンのような音が鳴ることも気になる。
もしかしたらロードムービーの部分だけでなく、その前から現実ではなかったのかもしれませんね。
って、勝手な解釈ですけど。

映画は性懲りなく同じことを繰り返すルーウィンを象徴するように、同じシーンを繰り返すループで構成されています
可哀相なオスカー・アイザックは冒頭で何者かに殴られ、ラストシーンでも再び殴られる。
しかし、二度目にはその理由が分かるのが可笑しいですね。

この映画を悲観的なものと見るかどうかについては意見が分かれるところでしょう。
カリスマ ボブ・ディラン登場の歴史的瞬間をルーウィンが打ちのめされるシーンで描くシニカルな演出から、彼のキャリアからすると悲観的と考えるのがふさわしいのかもしれない。

実力があってもその世界を動かす存在になるのは容易なことではなく、
ルーウィンだけでなく、多くのシンガーがディランにノックアウトされたんですよね。

でも、観客はきっとルーウィンを好きにならずにいられない。
根なし草だけど、なんとか中絶代を工面する誠実さがあるし、
自分の子供がいることを知ってちょっぴり嬉しそうにするルーウィンは愛おしくもあります。

コーエン兄弟によると、ルーウィン役にふさわしい歌って演じられる役者をみつけるのには大変苦労したようです。
もう殆ど諦めかけていたところにオスカー・アイザックと出会い、奇跡だと思ったのだとか。
それだけのこだわりに応えるオスカーのギターと歌は本物。
共演者もそれぞれ歌える面々を揃え、音楽の楽しさを味わうことも出来ます。

映画の制作に加わったメンバーたちの名もなき男たちへのリスペクトや慈しみを感じるから
この映画は優しい余韻を残すのでしょうね。


【映画】アンドロイドの見る夢は?『エクス・マキナ』
2015年11月16日 (月) | 編集 |
エクス・マキナ(2015)イギリス
原題:EX Machina
監督:アレックス・ガーランド
日本公開:2016/6/11
【あらすじ】
検索エンジン会社に働くケイレブは抽選で社長ネイサンの自宅を訪問する権利を得る。しかしそこで待っていたのはアンドロイドの人工知能を評価するという任務だった・・


『28日後・・・』『わたしを離さないで』で脚本を手がけたアレックス・ガーランドの監督デビューとなるSFスリラーです。

主役ケイレブに『アバウトタイム~愛おしい時間について~』のドーナル・グリーソン。社長ネイサンにオスカー・アイザック

社長宅にバカンスを楽しむくらいのつもりで来たのに、社長に自分の作ったアンドロイドの評価を依頼されてしまったケイレブ。
気乗りがしないまでも、社長には歯向かえない雰囲気があり、アンドロイドと対談、テストを実施することになるんですね。

アンドロイドのエイヴァに会ってみればこれが思いがけず自分好みのカワイ子ちゃん。エイヴァ役には、ファスベンダーとの路チューが目撃されたアリシア・ヴィキャンデルが顔と手先以外は機械シースルーなこんな風貌で演じてます。

アンドロイドと分かっていてもケイレブがどストライクなエイヴァに心惹かれていくというのは想定内ですが、これが単純なSFラブコメなどにはなってません。
アンドロイドの葛藤がわかってくる中盤からは、なにやら不気味な展開になっていくんですね。


しかし本作の怖いのはアンドロイドだけにあらず。
オスカー・アイザック演じるネイサン経営するブルーブックというIT会社は、グーグルみたいな検索エンジンの最大手なんですが、『キングスマン』しかり、最近ではこういう企業が近未来SFの悪役と相場が決まってきましたよね。
ネイサンは人工知能の完成を夢見るマッドサイエンスでもあって、グーグルとマッドサイエンスのコラボがもたらす脅威は想像に難くないでしょう。

しかもオスカー・アイザックがネイサンを実に気持ち悪く演じてます。(70年代のガチムチフュージョン歌手風のダンスシーンは目がテンw)

そんなカリスマ社長に自分の未熟さをさらけ出すことを恐れ、表面を繕うケイレブが思いがけない陰謀に巻き込まれていくのも自然。
ケイレブは次第に自分の実体にさえ疑問を持つようになるんですが、ドーナル君が『わたしを離さないで』でクローンを演じていたことを思うと面白い配役ですね。

料理係としてキョウコという日本人の女の子が出てきます。
英語を喋れないという設定にも深い意味がありました。

それにしても人工知能も賢くなりすぎると本当に怖い。
アンドロイドの権利とか、人間とどっちが偉いのかとか、
古いSFで漠然と語られてきた問題が、物凄い現実味をもって押し寄せ
人工知能のもたらす未来に警鐘を鳴らすというのが非常に新しい。

クールな世界観も特異的で、じわじわと怖いスリラーとしても見ごたえあり。

今のところ日本公開未定ですが、英国インディペンデント賞で作品賞、監督賞等にノミネート、ヨーロッパ映画賞で脚本賞女優賞にノミネートされるなど、高く評価されてますね。監督の今後も大いに気になるところです。


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【映画】アメリカン・ドリーマー 理想の代償
2015年09月21日 (月) | 編集 |


アメリカン・ドリーマー 理想の代償(2014)アメリカ
原題:A Most Violent Year
監督/脚本:J・C・チャンダー
出演:オスカー・アイザック / ジェシカ・チャステイン/ デヴィッド・オイェロウォ / アレッサンドロ・ニヴォラ / アルバート・ブルックス
日本公開:2015/10/1


アベルとアナの実業家夫婦は家庭用暖房に使うオイルを扱うビジネスを拡大しており、さらなるビジネスチャンスを掴むべく、川に面した広大な土地を購入しようとしている。
しかし矢先、会社のドライバーが何者かに襲撃され、オイルを積んだトラックごと持ち去られるという事件が発生し・・



『マージン・コール』『オール・イズ・ロスト ~最後の手紙~』のJ・C・チャンダーが監督・脚本を勤め、80年代のニューヨークでオイルビジネスを展開しようとする若者の野望を描いた社会派ドラマです。

まず、オイル強盗にトラックを奪われる瞬間や、新人社員に危険が及ぶ様子に終始ヒヤヒヤ。緊張感を煽る描写が秀逸です。

主人公アベルを演じるのはオスカー・アイザック
アベルはクリーンなビジネスを信条としており、彼の部下に向ける言葉からは、理想に燃える若き獅子という印象を受けます。
しかし度重なるオイル強盗による損害で夢の実現に待ったがかかり、おまけに警察は何故か彼に脱税の嫌疑をかけ強盗の捜査もまともにしない。
なんでやねんと腹が立ち、犯人が一日も早く見つかってくれと祈る気持ちで展開を見守ることになるんですが・・

思えばオスカー・アイザックってちょっとグレイな役が似合う人ですよね。
劇中、彼の出自は一切説明されません。
でも彼は何故かマフィアと交流があり、警察とのやり取りの中、妻アナ(ジェシカ・チャステイン)にもそれなりのバックグラウンドがあることが覗える。
クリーンの自意識も高く部下思いにも見えるアベルですが、観てるうちのなんかひっかかってくる。

邦題の理想の代償という副題からすると、アメリカン・ドリームを成し遂げるために彼は何かを失うあるいは犠牲にするのだという感じに受け取れるけれど、アベルが失ったとすれば、それは彼が自分自身に向けた勝手なイメージであり自意識。
次第に彼のエゴも見えてきて、シニカルなラストシーン含め、私たちが目にするのは彼に元々備わっていた資質なのだと思わせる。生き馬の目を抜くビジネス界で成り上がる男の奮闘を描きながら、思わぬダークさに帰着するところが社会派チャンダーらしい描き方だと思いました。




起こったことの事実関係を説明せず、観客の想像力に任せるという手法もいいと思うし、面白く観終えたんですが、個人的にはエンディングの歌に作り手の意図が透けて見えてガクっときちゃったんだなぁ。
ビジネスマンの話にしてくれたほうが気持ちよかったわ。

あとマフィア絡みの映画として、80年代というのはちょっとピンとこなかったな。


【映画】ギリシャに消えた嘘
2015年03月30日 (月) | 編集 |




ギリシャに消えた嘘(2014)イギリス・フランス・アメリカ
原題:The Two Faces of January
日本公開:4/11/2015
映画.comデータ


あらすじ

1962年、ギリシャのアテネでツアーガイドをしているアメリカ人青年ライダル(オスカー・アイザック)は、パルテノン神殿で優雅なアメリカ人紳士チェスター(ヴィゴ・モーテンセン)とその妻コレット(キルスティン・ダンスト)と出会う。夫妻のガイドを務め食事を共にした夜、忘れ物を届けにチェスターのホテルを訪ねたライダルは、思わぬ事件に巻き込まれていく・・


感想
『太陽がいっぱい』のパトリシア・ハイスミスの原作『殺意の迷宮』を『ドライヴ』の脚本家ホセイン・アミニが映画化したミステリーです。


ツアーガイドが偶然知り合った旅行客のトラブルに遭遇し翻弄される・・
と書くと、ありがちな巻き込まれ型スリラーのようですが、これそんな単純じゃない。
というのもライダルはその場から手を引くチャンスが幾度もあったのにそうせず、
あえて夫妻に関わっていくんですよね。

そもそも、ライダルがチェスターを気に留めるのは、夫妻が金持ちオーラを放っていたのと、チェスターが死んだ父親に似てると感じたからですが、チェスターは洗練されたセレブのように見えて、実は裏の顔も持っている。
ライダルは直感的にチェスターの二面性を含め、彼に父の面影を見たのかもしれず
その出会いには偶然を超えた因縁のようなものを感じます。
チェスターはやがて妻とライダルの仲を疑い、三人の関係が緊張する中
アテネからクレタ島などに移動しながらの逃避行を余儀なくされる彼らの運命は・・・





脚本も務めるホセ・アミニは本作が初監督。
『ドライヴ』で見初めたオスカー・アイザックに出演を依頼し
ヴィゴが加わることで20年来の夢が実現することになったそうです。

ヴィゴ、オスカー・アイザックキルスティン・ダンストによるノワールなスリラーは
ヒッチコック作品のようだとも言われ、クラシックで正統派の赴き。
60年代ファッションに身を包んだキルスティンも悪くないんですが・・
最初コレット役には別の女優をキャスティングしていたらく、キルスティンを使うにあたり、キャラクター設定を少し変えたんだそう。個人的にはこれは裏目に出たかなぁと思います。
というのも、キルスティン演じるコレットはイノセントでライダルが彼女を愛してしてもおかしくない存在となっていて、それでは映画の焦点がぼやけると思うんですよね。
ライダルが夫妻に近づいたのは、あくまで父親の面影を持つチェスターに興味を持ったからで、言い方は悪いけれど、コレットはあくまでチェスターを翻弄する道具という扱いの方が、スッキリする気がします。ま でも終盤に向け、テーマははっきりしてくるのでいいかな。

パトリシア・スミスの原作は犯罪者のたどり着く先には容赦ないけれど、犯罪を犯すに至る理由や心の弱さをきちんと描いているところに優しさがあって好き。


原題のJanuaryとは、ローマ神話のヤヌスのこと。
二つの顔を持つこの神の姿に、相反する方向を向いても互いに惹かれあうチェスターとライデルを重ね合わせたのだそうです。
ヤヌスは出入り口と扉の神。色んな意味で映画を表現しています。


日本公開は4/11