映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】レフンよどこへ行く『ネオン・デーモン(原題)』
2016年07月01日 (金) | 編集 |
1_jUNDeTEvI8L-iWHG0NnPrA.jpg 
ネオン・デーモン(2016)
フランス・デンマーク・アメリカ
原題:The Neon Damon
監督/脚本:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:エル・ファニング/ジェナ・マローン /キアヌ・リーヴズ/アビー・リー/ ベラ・ヒースコート

モデルになるためロサンゼルスにやってきた16歳のジェシ―は才能を見出され・・


【感想 
『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフン監督の新作
エル・ファニングが新人モデルを演じて話題のスタイリッシュ・ホラーな一本です。
1_lWLSJ8EMA-UMqr5xka3lug.jpg 

田舎から出てきた女の子が才能を見出され、周囲の妬みを買うというきわめてシンプルなお話です。
悪く言えば、シンプルすぎて間が持たず、スタイリッシュでごまかしたという感じなんですがw
シュールな映像美が独特の個性を放つ作品になってます。
fc2blog_20160701232153216.jpg 

なんたってエル・ファニングが魅力的。
普段は素朴さもにじませるのに、メイクを施しモデルとして登場するや
無機質ともいえる画面にピタリと収まり、体温を感じさせないオーラを放つ
レフン監督の美的センスと演出の妙もあるでしょうけど、エルちゃんのただもんじゃない感が半端ない。
Screen_Shot_2016-04-14_at_3_29_10_PM_0_0.png 

そんな新人に出てこられたら、そりゃ先輩モデルは困りますわな。
でも昔のドラマにありがちな、ネチネチとしたいじめが描かれるわけではないのでご安心アレ

正直この手のカルト直行作品は一人で観たかったんですが、
出かける直前に友達から「クルクル寿司に行こう」と誘われw、
今から映画だと言ったらじゃ一緒に観るってことで3人で鑑賞。
グロいシーンで顔を覆ってるのが気になったけど、意外にも「アーティスティックだった」との感想が聞けました。

ましかし、観る者を選ぶ作品なのは間違いないでしょうね。
私は楽しめましたけど、レフン監督どこに行くんやと思わずにいられない(笑)

ラストは結構トンデモなので、嫌いな方はご注意ください。
って、わからんかw
ネタバレする気はありません。

The-Neon-Demon-1-620x414.png 

メイクアップ・アーティストにジェナ・マローン
ジェシ―が利用するうらぶれたモーテルの管理人にキアヌ・リーヴス
キアヌの役選びのポリシーを聞いてみたい。
しかしこんなモーテルには泊まりたくないっすな。

ちなみに上映時間があっという間に午後からの一回きりになっててびっくり。
お寿司より映画を選んで正解でした。
興行成績はすこぶる悪そうだけどね。


neondemon.jpg

監督と一緒に。独特の色合いが美しい。
ってか監督Sでしょ。



ブログパーツ


ジンジャーの朝~さよなら、わたしが愛した世界
2013年09月03日 (火) | 編集 |



『オン・ザ・ロード』からは、時代に翻弄され葛藤する若者繋がりで
今日はサリー・ポッター監督の『ジンジャーの朝~さよなら、わたしが愛した世界』。
ジンジャーの朝~さよなら、わたしが愛した世界(2012)
イギリス/デンマーク/カナダ/クロアチア
原題:Ginger & Rosa
監督:サリー・ポッター
出演:エル・ファニング、 アリス・イングラート、 アレッサンドロ・ニヴォラ、 クリスティナ・ヘンドリックス  、 ティモシー・スポール、 オリヴァー・プラット、 ジョディ・メイ、 アネット・ベニング
日本公開:2013/8/31
『オン・ザ・ロード』よりも少し時代は後になるんですが、本作は冷戦時代のロンドンを舞台に、思春期の少女たちの揺れ動く心情と成長を描く作品です。

原題のGinger & Rosa は主演の二人の女の子の名前。
ジンジャーにエル・ファニング、ローザにアリス・イングラート
広島に原爆が投下された日、同じ病院で生まれ、幼い頃から一緒に過ごしてきたふたり。
その成長の過程と家族の変遷を、冒頭から台詞のない映像で一気に見せる手腕は見事。


核の脅威がささやかれる頃、17歳に成長した2人
前の英語の先生パティが中学の頃がキューバ危機の頃にあたり
いつ核戦争が起きるかと本当に怖かったと話してくれたことがあったけれど
ロンドンに暮らす子供たちも同じように恐怖を感じていたんですね。




ジンジャーは世界を終わらせたくないという思いから、反核運動に参加するようになり
一方、ジンジャーの父(アレッサンドロ・ニヴォラ)に心魅かれ始めたローザは化粧を施し始める。
それまで髪型もファッションも、何をするにも同じだったジンジャーとローザの間に
「違い」が生まれ、それは溝となる。
映画は主にジンジャーの視点で思春期の揺れる心を描き挙げます。

ジンジャーを演じるエル・ファニングのくったくのない笑顔の可愛らしいこと。
しかし、ローザのこと、核の脅威、両親のことなど、いろんな不安が一気に押し寄せ
やがてジンジャーの顔から笑顔が消えてしまう。
でも、ジンジャーがある徹夜明けの朝を迎えるとき、彼女が少し大人になってる気がした。
挫折を味わい、過ちを許し、痛みを分かち合う
成長するってそういうことだよなぁと思う。

ジンジャーの表情に多くを語らせる演出も、エルちゃんのうまさゆえに有効。
思春期の成長を世界情勢の波とともに描く繊細なドラマでした。

ローザ役のアリス・イングラートは『ピアノレッスン』の女性監督ジェーン・カンピオンの娘だそうな。
アネット・ベニングティモシー・スポールなどが手堅く脇を固めます。
ジンジャーのママ役のクリスティナ・ヘンドリックスの爆乳には驚いた。


 




Virginia/ヴァージニア
2013年08月23日 (金) | 編集 |



フランシス・フォード・コッポラ
の『Virginia/ヴァージニア』を観ました。
Virginia/ヴァージニア(2011)アメリカ
原題:Twixt
監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演:ヴァル・キルマー、 ブルース・ダーン、 エル・ファニング、 ベン・チャップリン、 ジョアンヌ・ウォーリー、 デヴィッド・ペイマー、 オールデン・エアエンライク、 ドン・ノヴェロ 
 【ストーリー】
次回作の執筆に悩むミステリー作家ボルティモアは、サイン会のために寂れた田舎町へとやってくる。かつてエドガー・アラン・ポーが滞在したこともあるというその町では、数日前に胸に杭を打ち込まれた身元不明の少女の死体が発見されたばかり。彼はミステリー好きの保安官から、この事件を題材にした小説を書こうと提案される。(alllcinemaより抜粋)

コッポラの最新作がゾンビもの?ってことで、随分前から期待して待っていた作品です。
実際には幽霊&吸血鬼の混じったゴシック・ミステリーといったところでしょうか。



ストーリーとしてはヴァル・キルマー演じる売れないミステリー作家ボルティモアが、田舎町の幽霊話に興味を持ち、その真相を解明していくというものですが、、観てみると、これがなかなか(笑)
だって、ボルティモアは夢の中でヴァージニアという少女やエドガー・アラン・ポー(ベン・チャップリン)の亡霊やに導かれ、事件の全容を知っていくんです。
少女の死体を保安官の事務所に杭を打ち込まれた状態でいつまでも置いていたり
色んな「???」が出てくる。
で、どうしてこんな映画かというと、そもそもはコッポラが夢に見たストーリーが元になってるから。

夢というのは奇想天外なものもあるけれど、心の奥底にあるものが露わになることもある。
かつては魔女もので人気を博したこともあるけれど、今は三流作家として金銭的にも困窮している主人公のボルティモアはコッポラの分身ですね。
彼が娘をボートの事故で亡くしたという設定も、コッポラの息子さんの話に合致します。
コッポラはインタビューの中で「意図的に書いたのではないが、夢に従った」と言っています。

原題のTwixtというのはbetweenを意味する言葉だそうで
「~の間に」と訳すよりも「○○のときもあれば△△のときもある」というような
物事のもつ違った側面、あるいは人生の浮き沈みを表現してもいるのでしょう。

この映画の場合、かつては名声を得たけれども今は売れない作家であったり
かつては愛した妻も、今はうざいだけの存在だったりw
娘のいる幸せなときと不幸せな今、夢と悪夢、恐ろしさと崇高さ、若さと老い
そういったものがTwixtの意味をなすものだそうです。



奇想天外なプロットを受け入れるかどうかで評価は分かれそうですが
エドガー・アラン・ポーの登場するシーンをモノクロに描き、滲んだ亡霊がかざすランプにパートカラーが使われていたりと、かつてのコッポラの映像的手法を楽しむことができますね。
ゴシック・ホラーという点でもコーマンに師事していた頃のテイストで、監督は明らかに初心に戻ろうとしています。あまりに早い時期に巨匠と崇められ、その後のスランプに押しつぶされたであろう監督が、今、低予算映画に立ち返り、オリジナルな映画で再起を図ろうとしてるのです。

次回作はもっと規模の大きなものになる予定だとか。
期待して待ちますよ。

Vはエル・ファニング演じるヴァージニアと、ボルティモアの死んだ娘ヴィクトリア
両方の頭文字ですね。
保安官を演じるブルース・ダーンのクリーピーな演技が、
どこか浮世離れした雰囲気を醸し出し、さすがにベテラン、グッジョブです。
ポーの詩『大鴉』を知っておくとより面白く観れるかな。


トラックバック一覧

  1. 1. 「ヴァージニア」は目先の変わったダークファンタジーとして意外な面白さがあります

    • [今昔映画館(静岡・神奈川・東京)]
    • August 23, 2013 11:12
    • 今回は、静岡シネギャラリー2で、新作の「ヴァージニア」を観て来ました。静岡でコアな映画ファンはおっきなシネコンのセノバではなく、ここの小さなスクリーンに頼るしかないというのは、不幸な現状なのかも。ちなみにDLPによる上映でしたが、前回の「来たりくる者へ」