映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】スタンフォード・プリズン・エクスペリメント(原題)
2016年05月17日 (火) | 編集 |
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スタンフォード・プリズン・エクスペリメント
(2015)アメリカ
原題:The Stanford Prison Experiment
監督:カイル・パトリック・アルヴァレス
脚本:ティム・タルボット/フィリップ・ジンバルドー(本)
出演:ビリー・クラダップエズラ・ミラータイ・シェリダン /ネルサン・エリス/ マイケル・アンガラノ/トーマス・マン 
日本公開:未定
  


【感想
クラちゃんを探せ!3本目
今日はTiVoが拾って録画してくれた『スタンフォード・プリズン・エクスペリメント』を観ました。

タイトルに「あれ?」と思われた方がいると思います。
そう、これはドイツ制作の『es〔エス〕』やエイドリアン・ブロディ主演の『エクスペリメント』のもととなる
いわゆるスタンフォード大学監獄実験を描く作品なんですね。

脚本に名を連ねるフィリップ・ジンバルドーという心理学学者がこの実験の責任者であり
本作はその著作に基づいているらしく、実際に行われた実験を忠実に再現したドキュドラマといった作りです。

スタンフォード大学監獄実験をご存じない方のために簡単に説明すると
大学の地下に模擬監獄を作り、募集で選んだ大学生21人を看守役と囚人役に振り分け
それぞれの役割を演じさせるとどのような行動をとるようになるかを実験で検証しようとするもの。
詳しくはウィキ

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『es〔エス〕』と比べると被験者が皆大学生であることと
報酬も一日15ドルぽっちであったこと
2週間の予定が6日で強制終了になったことなどが違いますが
囚人役に『少年は残酷な弓を射る』のエズラ・ミラーや『MUD』のジェイ・シェリダンがいることから
彼らが何かやらかすに違いないと不安に駆られるわけで
次第に緊張をはらんでくる様にはやっぱりドキドキしました。

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大学側は実験を成功させたいあまり、被験者に非人道的な行為を強要してしまうわけで
クラちゃんは今回ダークな一面をのぞかせる博士を悪役顔で演じてます。

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まぁ、はたから見ればとんでもない実験ですが、学問的には意義があったようです。
最後に被験者たちの(役者が演じてますが)感想を聞いて実験の意味を総括してるのが
他の関連作品と違うところかな。

彼らは権威を持ったり圧力下におかれることで人間性が変わってしまうことに驚きそして(精神的に)傷ついている
実験者側も同じ痛みを味わっているというのが興味深いところでした。


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ウォールフラワー
2013年02月15日 (金) | 編集 |



アカデミー賞の前に観ておくべき25本の中の一本から今日はこれ。

ウォールフラワー(2012)アメリカ
原題:The Perks of Being a Wallflower
監督:スティーヴン・チョボウスキー
出演:ローガン・ラーマンエマ・ワトソンエズラ・ミラー、メイ・ホイットマン、ケイト・ウォルシュ


本作は原作者スティーヴン・チョボウスキーの半自伝とされるヤングアダルト小説の映画化で、チョボウスキー自身がメガホンをとりました。

主人公は15歳の高校一年生チャーリー
彼は新学期に向けた意気込みを「誰か」にあてた手紙に書き綴ります。
そこで語られるのはチャーリーが逃れる術を知らない心の痛みを抱えているということ。
それでも彼は、孤独から抜け出すことを切望しています。
映画はチャーリーと周囲の人との交流を描くと同時に、彼の心に巣くう悲しみを、ミステリータッチとも言える手法で徐々に明かす作り。

原作小説は1999年の刊行以来、多くの若者に愛され、この本により命を救われたという者も多いのだとか。
日本でも自殺問題は大きなイシューとなっているけれど、誰にも相談しないままに死んでいくものも多いことでしょう。死を意識するほどの悩みを親に相談することも難しいはず。

でもチャーリーには気持ちを共有する友人がいて、でしゃばりすぎることなく耳を傾けてくれる家族がいた。
本を読み、自分のことを文章にしたためることを薦めてくれた教師(ポール・ラッド)の存在も大きい。
書くことで自分を冷静にみつめることもあるから。
この作品には、思春期の子供が自らに向き合う術と、大人の対応のどちらにもヒントがあるのです。

チャーリーには『3時10分、決断のとき』でクリスチャン・ベイルの息子を演じたローガン・ラーマン
周囲になじめずいわゆる壁の花タイプのチャーリーと友達になるパトリックに『少年は残酷な弓を射る』のエズラ・ミラー。エキセントリックだけど、痛みを知っているからこそ人にも優しくなれる人。チャーリーが一目惚れしてしまうサムにハリポタシリーズのエマ・ワトソン
いつのまにか大人っぽくなっていたエマが本当に魅力的。監督自身がサム役には彼女をと望んだだけあってはまり役でした。

90年代前半が舞台ということで、タイプライターやカセットテープが出てくるし
使われている曲もちょっと懐かしい感じ。(長くなるので音楽については裏ブログで)

終盤はチャーリーの心が開かれていく姿に癒され、感動の高まりを抑えることが出来ません。
作品を愛する故、自ら監督することを決めたチュボウスキー。
シーンシーンに瑞々しさが溢れ、初監督作品とは思えない出来栄えです。

日本公開は未定だけど、これはお薦め!




★★★★☆