映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
天才マックスの世界
2013年12月17日 (火) | 編集 |



ネブラスカ』を観たついでに、タイトルに地名がついた映画を2、3。
まずはウェス・アンダーソン監督の初期の作品、『天才マックスの世界』を。
え、地名は?といきなり外し気味だけど原題の『Rushmore』が地名ってことで。
天才マックスの世界(1998)アメリカ
原題:Rushmore
監督:ウェス・アンダーソン
出演:ジェイソン・シュワルツマン/ビル・マーレイ/オリヴィァ・ウィリアムズ/シーモア・カッセル
 主人公のマックス(ジェイソン・シュワルツマン)が通う学校がヒューストンのラッシュモア校。
好奇心旺盛でアクティブなマックスは19ものクラブを掛け持ちしているため、落第を繰り返している。そんな15歳のマックスが学校のクロス先生(オリヴィア・ウィリアムズ)に恋したことから始まる青春ドラマです。

 
 事業家のハーマン(ビル・マーレイ)に興味を持ったマックスは、彼に接近。二人は急速に親しくなります。ところが、実は結婚生活に破綻していたハーマンがマックスの恋するクロス先生を好きになってしまったことから二人の友情は破綻。マックスは色んな意味で自分自身を見つめなおすことになるんですねぇ。

こうしてあらすじを書いてみると、意外に普遍的なお話かもしれません。

 冒頭、マックスが難しい数式をスイスイと解く夢を見るシーンがあるけれど、それがマックスの精神状態を表してもいるんでしょう。小学生のときにシナリオを評価され、奨学生として名門ラッシュモア校に通うマックスは、実は自分の力を過信していたのかも。
途中完全に夢をなくしそうになるけれど、等身大の自分を知ることで成長。
人との関係もちゃんと築けるようになるマックスにちょっと感動します
音楽の効果もあって、ちょっとキュンとする青春モノとして楽しめました。
何かしら事情を抱えた登場人物が、マックスの成長と平行して殻を破っていくのもいいね。




 監督がハーマン役を充て書きしたというビル・マーレイは、どこか子供の心を持つ大人を演じていて、マックスとの対比が面白い。本作が映画初出演のジェイソン・シュワルツマンは、『ロッキー』のエイドリアンで有名なタリア・シャイアを母にもち、決して男前ではないけれど、ふてぶてしさとナイーブさを持ち合わせた変わり者キャラのマックスに合ってました。
劇中上映される、マックスプロデュースの高校の演劇は凄い迫力だったわ。
監督らしいシュールさは控えめながら、マックスのパシリ的な年下の男の子が、見かけとギャップのありすぎる大人Hな報告をしたり(しかも報告書はクレヨン書き)、ところどころセンスある可笑しさがありました。

実は「ラッシュモア」を思いついたのは、先日観た『ネブラスカ』で父子が旅の途中にラッシュモア山のモニュメントに立ち寄るシーンが出てきたから。
こちらはサウスダコタ州キーストーンにある山ですが、山肌にワシントン、ジェファーソン、ルーズベルト、リンカーンの4人の大統領の彫像が彫られていることで有名ですね。




ウェス・アンダーソン新作『ムーンライズ・キングダム』
2012年06月23日 (土) | 編集 |
カンヌ映画祭のオープニングを飾ったウェス・アンダーソンの新作は
1965年のニューイングランド州沖の島を舞台に、12歳の少年少女の逃避行と
二人を取り巻く大人たちの姿を描くドラマです。
1館あたりの平均興収が『ドリーム・ガール』を抜いて新記録、
IMDbのスコアが8.3と何かと話題ですね。




ムーンライズ・キングダム
2012年(アメリカ)
原題:Moonrise Kingdom
監督:ウェス・アンダーソン
出演:ジャレッド・ギルマンカーラ・ヘイワード
ブルース・ウィリスエドワード・ノートン
ビル・マーレイフランシス・マクドーマンド
ティルダ・スウィントン

教会で出会って、突如恋に落ちたサムとスージー。
それぞれの暮らしになじめないものを感じていた2人が
一年の文通を経て心を通わせた12歳のある日
ついにニューイングランド州沖の島に逃避行を敢行する。という話。

孤島に2人・・と聞くと、思い出すのはB・シールズの『青い珊瑚礁』(笑)
大人のいない楽園で海と戯れる、その世界に憧れたことがあるのは
私だけじゃないよね?




12歳っていうのは、突然恋に目覚める年齢でもあり
この映画でも、2人が手紙で計画を進め、目的地で合流し、
楽園生活を始めるというくだりが愛しくて、胸キュンなんですね。

でも、12歳というのは同時に周りがまるで見えていない年頃でもあって
大人を誤解し、自分たちだけの世界に没頭したりもする。
この映画は、そんな子供の純愛と、
2人をめぐる大人たちの攻防を描くお話です。





スージーの父にビル・マーレイ、母にフランシス・マクドーマンド
この2人が不仲で夫婦としてまるで機能していない。けれども親は親。
サムの所属するボーイスカウトのスカウトマスターにエドワード・ノートン
ボーイスカウトが世界を救うと本気で信じているような一途さが滑稽で
ノートンは役者として新しい顔を見せてくれます。
地元の警官を演じるブルース・ウィリスは、孤独で悲しくそして優しい。
いつものメンバー+αな面々のこれまでと少し違う役割も面白く
生真面目でオフビート、滑稽だけど愛しい物語が展開します。
1965年という時代設定もあってか、映像はかすかにスモーキー。
スージーの灯台の家がドールハウス風だったり、
インテリアや小物へのこだわりも監督らしく、アートな側面も感じますね。
子供が主演の物語だけに、いつもよりもちょっぴりピュアで
賛美歌風の音楽が美しい。

ただね、映像や音楽の心地よさもあってか
ついウトウトしちゃったんですよね(汗)
実際近くからはいびきも聞こえてきたし、
ファンタジーっぽいのにドキュメンタリー的に淡々としてるところは
好みの分かれるところですよね。
勿論ウェス・アンダーソンワールドがお好きな人は楽しめると思います。
エンドロールで席を立たない方がいです。ま、立ってもいいけどw

日本公開は来年?



★★★★


ファンタスティックMr.FOX
2010年08月07日 (土) | 編集 |




2009年
監督:ウェス・アンダーソン
声の出演:ジョージ・クルーニー/メリル・ストリープ/ジェイソン・シュワルツマン/ビル・マーレイ
     
ジョジクル特集 1本目
■感想
さーて、熱い男ジョージ・クルーニー特集開始~。
・・え?  アニメやんけ ってですか?
はい、すみません。

でもこれ主人公のミスターフォックスの声がジョジクルなんですよ。
ご存知ウェス・アンダーソン初のアニメ作品
ストップモーション・ピクチャーでおりなす、動物たちのアドベンチャー活劇です。




主人公のミスター・フォックス(クルーニー)は妻と幸せに暮らす野生のキツネ。
ニワトリ泥棒を生業とするミスターは、ある日妻ファシリティ(メリル・ストリープ)とともに罠にかかってしまう。

檻の中で「妊娠してるの」と告げる妻・・・

それから2年後、
妻と息子のアッシュ(ジェイソン・シュワルツマン)と平和に暮らすミスター・フォックスは
穴を抜け、地上の家に暮らすことを夢見るようになります

「強欲な3人の地主の土地に近いからとやめとけ」という弁護士(ビル・マーレイ)の忠告を無視してついに丘の上の家に移り住むことを決めるのですが・・・


えーと動物が主人公ではあるけど、勿論これは人間に置き換えることの出来るお話。

より安全な暮らしをという妻の願いにしたがって、今では新聞のコラム二ストとして働く主人公。
でも強欲なご近所3農家の家には、目もくらむような美味しそうなものがいっぱい
かつてニワトリ泥棒でならした、野生の血が騒ぐというものです。

ま、泥棒なんて表現すると、それでいいのか?ってことになりそうだけど
あくまで自分の野心に正直に生きる男の姿としてみるのがよろしいかと。

やりたくもない仕事、それでも家族の平穏な暮らしのためと、自身の野望を置き去りにしてる
世の中のオヤジには、ことさら響くものがあるかもしれません。

できのいいいとこが同居することになり、孤独を感じる一人息子の成長物語など
家族一人ひとりの姿にも、普遍的な人間像を与えてるのも面白いところ。

なんたって楽しいのは、擬人化された動物たちが見せる野生の姿。
ついついクルーニーやメリルを重ねてみてるもんで
あんなことも、こんなこともしちゃうその姿にププと笑いが出ちゃいますねw


ドライな笑いを誘うその作風はウェス・アンダーソンらしいところでしょう。
大人も子供の楽しめるアニメになってると思います。
あとやっぱり音楽がいいんだよね。
トマトメーターも93%という高評価。
アカデミーアニメ部門にもノミネートされ、話題になりました。


ただ個人的には監督の作品は
役者が演じてこそ、味が出るのではないかなとも思うのだけど。