映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】ノスフェラトゥ
2015年10月16日 (金) | 編集 |

裏ブログでタイムリミット付きの特集始めると、こっちがおろそかになる(汗)
更新できないのも寂しいので、
死にブログと化してるヤフーの旧ブログから
レトロ系で残したいものを、見直したり加筆をしてこっちに移そうと思います。

ハロウィン特集ということで、今日はヘルツォーク版『ノスフェラトゥ』を。
dracula

【作品情報】
ノスフェラトゥ(1978)西ドイツ/フランス
原題:Nosferatu-Phantom der Nacht
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク
出演:イザベル・アジャーニ/クラウス・キンスキー/ブルーノ・ガンツ/ローランド・トパー

【あらすじ】
中世ドイツのブレーメンに住む不動産業者ジョナサン(ブルーノ・ガンツ)は

ジョナサンはトランシルヴァニアの伯爵からら新しい邸を買いたいとの依頼を請け、
勘の強い妻ルーシー(イザベル・アジャーニ)がとめるのをきかず、長い旅に出る。
ようやくたどり着いた屋敷でジョナサンを迎え入れたのは、
世にも恐ろしい風貌のドラキュラ伯爵(クラウス・キンスキー)だった。
nos-02

【感想】
F・W・ムルナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ』(22)のリメイクです。
内容はオリジナルとほぼ同じ。

ルーシーの写真を見たドラキュラは、その美しい首筋に一目ぼれw
ジョナサンを残し、船でブルーメンへと向かい、
そのときにペスト菌も運んでしまうわけです。

ブレーメンの街にネズミが溢れ、やがて棺おけの行列が出来る
これを上空から捕らえる映像に漂う終末観といったら。
ドラキュラのビジュアルの異様さもただ事じゃない。
怪優と言われたキンスキーが、本物だろと言われたムルナウ版のシュレックにも負けないほど
おぞましい風貌でドラキュラに扮していて、不気味なことこの上ない。
指の動きはこうもりの動きを模したようにも見えます。
Nosferatu-Phantom der Nacht

でもなんだろ
アジャーニの寝込みを襲うシーンのエロはw
なぜかアジャーニの寝巻きの裾をめくり
長い爪に裾がちょこっと引っかかった状態で、アジャーニの首に食らいつく姿には
そこはかとなく可笑しみもあったりして(笑)

おかしなせむし男にも、ガンツさんの最後の顔にも笑ってしまったのだけど
どっしりとした風格とコミカルさとの入り混じる、
不思議テイストのホラーに仕上がってました。
 
静かに流れる荘厳なミサのような音楽を聴き続けると
黄泉の世界に引きずり込まれそうで危険かも(笑)

低く垂れ込める雲、青っぽい霧、壁に映る陰影なども詩的な効果を高めるのに
一役買ってました。
ドラキュラが美しくなくても耽美な芸術作品になるのだなと思った次第。

イザベル・アジャーニ 『死への逃避行』
2012年04月13日 (金) | 編集 |

映画の國名作選V フランス映画未公開傑作選」企画のっかかり特集開始します。
まずは、今月お亡くなりになり、奇しくも追悼特集となってしまったクロード・ミレール監督作品から
イザベル・アジャーニ主演のフレンチ・ノアール『死への逃避行』を。
ちなみに本作は未公開ではないです。

blog_import_566b9e1c4de51.jpeg 

死への逃避行
1983年(フランス)
原題 Mortelle Randonne'e
監督:クロード・ミレール
出演:イザベル・アジャーニミシェル・セローギイ・マルシャンステファーヌ・オードランマーシャ・メリルサミー・フレイ


雇われ探偵のボーボワール(ニックネーム「タカの目」)(ミシェル・セロー)は、
幼子を連れ妻に去られて以来一人身の中年男。
彼は富豪夫妻の息子ポールのガールフレンド、カトリーヌ(イザベル・アジャーニ)の
素行調査を命じられるが、実は彼女は美貌を武器に、
金持ちに近づいては殺害を繰り返すシリアルキラーだった。
ところが「タカの目」は、いつしか女に娘の姿を重ね、仕事そっちのけの追跡を始める・・。

blog_import_566b9e1de34e7.jpeg 

blog_import_566b9e1f20f80.jpeg 


美しいアジャーニが容姿をクルクルと変え、
犯罪を繰り返すシリアルキラーを演じているというだけでも見所だけど、
実は主役は、どちらかというと探偵を演じるセローでしょうね。

まずそのシニカルで妄執的なキャラクターが面白い。
そもそも彼は妻から送られてきた娘の集合写真を持ってはいるが、
12人の女の子たちのどの子が自分のマリーなのかさえ知らない。
元妻に電話で訊いても答えてくれないから。。
って、探偵なのに変なのって話だけど、それには理由があって
その背景がアジャーニへの異常な関心へと繋がっていくんですね。

主演の二人が向かう合うシーンはごくわずか。
けれども、最終的には、二人が出会うのは
悲しい魂が引き寄せた運命だったのかもしれないと思えてくる。

クロード・ミレール監督作品初体験でしたが
コミカルな描き方に始まって徐々にノワールな色合いを強めていく展開に
すっかり魅せられた一本でした。


ロマン・ポランスキー『テナント/恐怖を借りた男』
2010年04月16日 (金) | 編集 |




1976年(フランス/アンリカ)


■感想
世界の巨匠シリーズ後半戦のスタート
6本目となる今日は、ポーランド大統領専用機墜落に追悼の意を表し、
もうひとりのポーランドの巨匠ロマン・ポランスキー作品を。

ロマン・ポランスキー監督/脚本/主演。日本劇場未公開の心理サスペンスです。

ポランスキーが演じるのは、フランスの古いアパートに空き部屋をみつけたトレルコフスキー。
彼の借りた部屋は前の入居者(テナント)のシモーヌが、窓から飛び降り自殺を図ったばかりの曰く付き。
シモーヌは瀕死の重体となり回復の見込みなし。
大家は見切り発進的にトレルコフスキーに部屋を貸したのだった。
部屋にはまだシモーヌの持ち物が残されている状態
入居早々に友人がトレルコフスキーの部屋で入居祝いのパーティをしたことで、
アパートの住人から苦情がきた。大家からも次はないと釘をさされる。
物音に過剰に神経を尖らせるようになるトレルコフスキーの周りで不思議なことが起こり始め。。


この作品は外国人である主人公が、他人に気を使いながら暮らすうちに
周囲の人間が自分をシモーヌにしたて、自殺に追い込もうとしてるという妄想に駆られ始める様子を描くもの。

次第に神経を衰弱させていく主人公をポランスキー自身が好演していますが、
その妄想シーンがホラーチックでちょっと怖いんです。

これは監督が『チャイナタウン』のあと例のスキャンダルを起こし、
疲れ果てハリウッドを去ったあとに、フランスで撮った作品らしい。
スキャンダルの後は、彼を見る世間の目も変わったのでしょう。
一度偏見をもってしまうと、ポランスキーの全ての行動は変人に見えたかもしれないし、ポランスキー自身も人を信じることが出来なくなった時期でもあったでしょう。
全てを失い心を閉ざした監督の出した作品でもあると思いますね。

そんな時期に作品内で女装を披露するポランスキーは、ある意味潔し!
ポランスキー自身が主人公を演じることも、監督にとっては必然だったのかもしれません。

共演にイザベル・アジャーニ。監督には美味しいシーンも。