映画の感想や好きな俳優の情報を発信します。新作以外はネタバレあり。
【映画】ヒッチコック『鳥』自然の逆襲?
2014年10月29日 (水) | 編集 |




こちらではジョン・カーペンター『ハロウィン』とヒッチコック『サイコ』はハロウィンの定番らしく
近くの映画館でも今月の目玉として上映されます。
TVも今週はホラーオンパレード。
昨日はヒッチコックの『鳥』が放送されたので久しぶりに観ました。

(1963)アメリカ
原題:The Birds
監督:アルッフレッド・ヒッチコック
出演:ティッピー・ヘドレン/ ロッド・テイラー/ スザンヌ・プレシェット/ ジェシカ・タンディ/ ヴェロニカ・カートライト/ ドリーン・ラング/ エリザベス・ウィルソン/エセル・グリフィス
ある日、何の理由もなしに、鳥たちが人間を襲い始めた……。



テレビで何度か観たつもりの『鳥』ですが、今回再見して新たな発見もありました。
冒頭、ブロンドの美しいヒロイン、メラニー(ティッピー・ヘドレン)が客に扮した犬連れのヒッチコックとすれ違い、鳥を扱うペットショップに入っていきます。



そこでロッド・テイラー演じるハンサムな青年ミッチに出会ったメラニーは、彼の欲しがっていたラブ・バードを入手しナンバープレートから調べた自宅アパートのドアの前に置いて帰ろうとするんですね。
ところが住人からミッチの不在を聞かされ、メラニーは彼が週末を過ごすと言う島まで持って行くことにする。
映画はその島で起きる思いがけない「襲撃」を描くことになります。
一羽が降り立ち、徐々にその数を増やし、突然静寂を破る瞬間が怖い。



無数の鳥に襲われる恐怖は勿論のこと、その理由がわからないことも怖さを助長しますね。
映画の中でも人々は口々に「鳥が人を襲うはずがない」と言う。
しかし現に鳥は罪のない人間の目玉を喰い尽くし、子供までも襲ってしまう。
何かのメタファーと考えるのなら、時代的に核戦争勃発の脅威に置き換えられるのかもしれません。
また、今の私たちが一番感じるのは「自然の逆襲」ということでしょうか。
共存すべき自然を勝手に壊した結果、今年も多くの自然災害に見舞われました。
この映画の普遍的なテーマに気づかされますね。
よそ者のメラニーを住民が「厄をもたらす悪魔」のように責める下りも怖い。

そんな中、唯一温かみを感じるのが、ミッチのお母さんが、鳥に襲われボロボロになったメラニーに腕を握られ微笑むシーン。
夫の死後過度に息子に依存し、息子を失うことにおびえ続けてきた母親は、
ミッチの恋人たちをことごとく排除し、人を愛することさえ忘れていた。
メラニーに助けられ、そして頼りにされることでようやく自分を取り戻すことが出来た母親
ジェシカ・タンディの中で静かに広がる人としての自信や尊厳にかすかな希望を託したラストシーンが秀逸でした。

↓クライヴ・オーウェンに見えて仕方なかったロッド・テイラーと、若いジェシカ・タンディ



 ちなみにヒッチコックは鳥が人を襲うシーンはほとんど作り物を使っていたそうですが
クライマックスでは本物を使い、ティッピー嬢の頭には紐に結んだ鳥までつけたんだとか。
ヒッチコックひでぇ(笑)
ラストシーンのメラニーの茫然自失の表情はもはや演技にあらず。
収録後ティッピーさんは病院に入院。
その後一週間自宅で床に伏せたらしいですがその間の記憶もほとんどないそうで(汗)
ヒッチコックの映画キチガイ振りがうかがえるエピソードですよね。

えっと、ハロウィンコスチュームとしては
金髪かつらに若草色のツイードスーツ・・
画像検索したらいっぱい出てきたわ(笑)勿論ポイントはカラス!










【映画】『北北西に進路を取れ』ラシュモア行ってみたい
2014年10月17日 (金) | 編集 |



米国内で行きたいところがいくつかあって、その一つが出てくるのがこれ。
北北西に進路を取れ(1959)アメリカ
原題:North by Northwest
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ケイリー・グラント/ エヴァ・マリー・セイント/ ジェームズ・メイソン/ ジェシー・ロイス・ランディス/ マーティン・ランドー/ レオ・G・キャロル/ エドワード・ビンズ/ ロバート・エレンスタイン 
 
広告会社の重役ロジャー・ソーンヒルは、ホテルのロビーでの会合の最中、2人組みの男に拉致され、大きな屋敷で待つタウンゼントという男の前に連れて行かれた。男はソーンヒルに「どこまで情報を嗅ぎつけたのかを教えろ」と迫るがソーンヒルにはなんのことかさっぱり分からない。どうやらキャプランという男と間違えられたらしいのだが・・・



ご存知、サスペンスの神さまアルフレッド・ヒッチコックによる巻き込まれ型サスペンスの一作ですね。
巻き込まれる男ソーンヒルを演じるのはケイリー・グラント
広告会社の社長、バツ2でマザコン疑惑の中年男ソーンヒルは、泥酔運転で捕まったのは、人違いの挙句殺されかけたのだと母親に信じてもらわないと気がすまず、よせばいいのにさらなる危険に足を踏み入れるわけですね。




ヒッチコック作品をあまり観てない私は、御大を語るなどおこがましくてできませんが、この作品のユーモアとエンタメ性には脱帽します。
窮地を脱する主人公の妙案がいちいちウケるし、有名な飛行機に襲われるシーンでも、その前の「こんなところにバス停があってどうすんねん」というシチュエーションや、嵐の前の静けさ的な間の取り方がシュールで、数分後に襲い掛かる修羅場とのギャップがたまらない。
色男ケイリー・グラントが「うっそーーーん」とばかりに逃げ惑う様子はごっつスリリングなのに笑えてしまうんだもんな(笑)
当事55歳というグラントの走りにも拍手。



そしてこの映画をさらに魅力的にしているのが、ミステリアスで美しいヒロインの存在でしょう。
勿論ブロンドのエヴァ・マリー・セイントはこの時代の女優さんにしてはスリムで、シャープな印象。
ソーンヒルがその後も無茶しまくるのは、全てこのヒロインのため。
ハードボイルドでいて実にロマンチックなところが私好みでした。




クライマックスに登場するのが山肌に歴代大統領の顔を掘り込んだマウント・ラシュモアのモニュメント。
『ネブラスカ』にも出てたよね。
本作ではなんとこのモニュメントの上をハイヒールのヒロインと逃げ惑うというまさかの展開。
よく撮影許可が下りたな。。ってか、どうやって撮影したんだ。
まぁしかし、そもそもCIA酷いじゃん!に加え、このあたりも皮肉が利いてるというべきかな。
ハラハラのクライマックスから画面一転のラストシーンも見事と言うより微笑ましい。
個人的にはここにお母さんを登場させて欲しかったですがw

ちなみに、物語はニューヨークからシカゴ、ラピッドシティを経てダコタ州のラシュモアへと舞台が移動するんですが、タイトルの「北北西」は方向違いじゃね?と不思議に思っていたら
本当はクライマックスをアラスカにする予定だったらしいですね。
その後タイトルを変更しようとするも、ノースウエストの響きに勝るものがなく、そのままになったとのこと。

我が家からだと丁度北北西に進路を取れ!ってことになるんだけどね(笑)