【映画】高慢と偏見とゾンビ

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高慢と偏見とゾンビ(2016
アメリカ
原題:Pride and Prejudice and Zombies
監督/脚本:バー・スティアーズ
出演:リリー・ジェームズ / サム・ライリー /  ジャック・ヒューストン/ ベラ・ヒースコート/ ダグラス・ブース
日本公開:2016/9/30 

【あらすじ
片田舎で暮らすベネット家の5人姉妹は、裕福な男性との結婚を夢見ながら、日々ゾンビとの戦いに備えスキルを磨いていた。

【感想
英国男優総選挙のっかりシリーズ『英国俳優50人斬り』をスタートしましょう。
1本目は、『シンデレラ』のリリー・ジェームズを主演に迎えた『高慢と偏見とゾンビ』です。

舞台となるのは18世紀後半のイギリス。
この時代、女性には家を相続する権利がなく、男の子のいないベネット家ではお父さんが死んだらいとこのコリンズが家を相続することになるんですって。だから年頃の5人姉妹を抱えるベネット家の最大の関心ごとは姉妹が良縁に恵まれること。そんな折、お隣に富豪の男子が越してきたとあってがぜん盛り上がるわけです。

え?ゾンビは? 
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心配ご無用、ゾンビもしっかり出てきます。
男の子のいないベネット家の姉妹たちは日々ゾンビと戦うし、ダーシーに至っては冷酷なまでにゾンビをやっつける。
でもね、恋愛の機微やらもちゃんと描かれていて思いのほかジェーン・オースティンの世界なんですよ。

英国男優50人斬り、今日は2人一緒に斬っちゃいますが
まずはダーシーを演じるサム・ライリーですね。
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ダーシーと言えば、ハンサムでお金持ちだけど高慢で気難しく、人との付き合いも下手
中流階級を下に見る発言もありエリザベスに反感を食らったりする役どころ。

私はBBC版の『高慢と偏見』は未見ですが、現代版『高慢と偏見』である『ブリジット・ジョーンズの日記』のダーシー役のイメージからして、コリン・ファースがピッタリなんだろうと思います。サム・ライリーは暗めで人づきあいが下手そうではあるけれど、複雑に屈折してシニカル、それでいてそこはかとなくユーモアを醸し出すコリンのダーシーには及びません。それでも、根の誠実さは感じられて、エリザベス役のリリーとの相性もいい。
二人の喧嘩シーンも壮絶で、アクションコメディとしても見せ場を作ってくれました。
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50人斬りもう一人は、ベネット家のお父さん、Mrベネットを演じたチャールズ・ダンス。
女系家族の中にあって、結婚結婚とうるさいお母さんとは違って穏便で事なかれ主義。しっかり者のエリザベスをとても愛していて、よき理解者でもあるという役どころですが、正直言うとダンスさんにはちょっと物足りないなぁ。
できればゾンビになった姿を見たかった(笑)


ともすれば退屈になりがちな文芸ものですが、ゾンビを投入したことで、私みたいな人間にはとても見やすいものになってました。ただし、コアなホラーファンや純粋な文芸もの好きにはどっちつかずってことになるのかな。
とはいえ、人間VSゾンビの戦いはシビルウォー的な迫力もあり、全体にわたって手抜きなし。
多分ろうそくの灯りだけで撮影したのかなと思われる、室内の舞踏会シーンなども趣があり。

なかなかのクオリティですぞ。

英国男優総選挙が始まるよ!

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一年経つのは早いもので、今年も英国男優総選挙の季節がやってきました。

昨年、第一位に輝いたのはトム・ヒドルストンでした。
今年はカンバーバッチが王座を奪還するか、はたまた新王者が誕生するのでしょうか。

今年も一緒に盛り上がりたいなということで、ネットを検索すると、、
こんなのがありました。

イマジカBSが「英国を観よう」と題した特設サイトを立ち上げております。
映画×英国男優 ドラマ×英国男優ということで、映画、ドラマ双方から出演作品を放映する様子。
プロフィールとして60人の男優たちも紹介されていてこちらがその一覧

私もこれに乗っかってリストの俳優の出演作品を観ていこうと思ったんですが
あれ?あの人は?的に足りない面々が多いことに気づきまして、
ならばと自分なりに14人を加え、ドラマ系のメンバーを減らすなどして計50人を選んでみました。

加えたメンバーがこちら

guy-pearce-iphone-4s_01044530dc00f55306b0c64c05b7e5d3_raw.jpg ガイ・ピアース
mv5bmtu2mdc0mtiymf5bml5banbnxkftztywotk4mzu2-_v1-_sx450_sy330_1.jpg クリストファー・リー
2149d77cf831e8f43de65fa3aa2214c0.jpg サイモン・ペッグ
BuHJEY1CUAA5LLs.jpg サム・ライリー
470_246_f.jpg スティーヴン・レイ
kingsman_secret_service_taron_egerton.jpg タロン・エガートン
Danstevensstill002small.jpg ダン・スティーヴンス
B2CMXkfCUAAa0MB.jpg チャールズ・ダンス
A5EJMJ0R.jpg ドーナル・グリーソン
images.jpg ニコラス・ホルト
movies-man-of-steel-henry-cavill-superman.jpg ヘンリー・カヴィル
MEZ3V.jpg マーク・ストロング
b0063958_23305861.jpg マーク・ライランス
lmN-H7QV.jpg マシュー・グード

厳密にいうと英国およびその周辺(アイルランド含む)ということになりますが
10月21日の投票結果発表まで、厳選した英国男優50人の出演作品を観ていきます!(無理かもww)


≪追記≫
8/28
ドミニク・クーパーをメンバーに追加します!

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【映画】怪談

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怪談(1965
日本
英題:Kwaidan
監督:小林正樹
原作:小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)
脚本:水木洋子
出演:三国連太郎 /  岸恵子 / 新珠三千代/ 仲代達矢/ 丹波哲郎/ 中村嘉葎雄/ 志村喬/ 中村翫右衛門/ 杉村春子/ 仲谷昇/ 奈良岡朋子/ 中村鴈治郎 / 渡辺美佐子

【あらすじ
【黒髪】
貧しい武士の男は、妻を捨て金持ちの娘と結婚するが・・

【雪女】
吹雪にあい山小屋に一泊した夜、白い着物姿の女が現れ・・

【耳なし芳一の話】
盲目の琵琶法師の芳一は、ある夜、甲冑姿の男に連れられ『平家物語』の壇ノ浦の合戦の下りを奏でるが・・

【茶碗の中】
茶碗に水を汲みと、そこに見知らぬ男の顔が映っていて・・

【感想

小泉八雲の同名原作をもとに『切腹』の小林正樹が4話のオムニバスに仕上げた日本のホラーです。

昔、怪談といえばお盆に『四谷怪談』や『皿屋敷』が放映されて、一人で顔を覆った指の間から観たものでした。怖がりなのに観たがりだったけど、今の方が観る勇気ないかもしれない。日本のホラーが怖くて年々苦手になっていきます。そんなわけで、随分前に録画したまま放置していた本作を特集に乗じてようやく鑑賞しました。

まずキャストが凄いよ。
『黒髪』では主人公の武士に三国廉連太郎、捨てられた妻に新珠三千代、新しい妻に渡辺美佐子。
『雪女』の木こりに仲代達也、雪女に岸惠子。仲代は雪女に「ハンサムだから殺さないであげよう」と思わせるほどいい男だわ。村の女に菅井きんさんも出てました。あまり変わらないw
『耳なし芳一の話』では芳一に 中村嘉葎雄、住職に 志村喬、甲冑の武士を演じていたのが丹波哲郎なのは気づかなかった。寺男に田中邦衛さんまでいたね。
『茶碗の中』でも中村翫右衛門、杉村春子、奈良岡朋子等そうそうたるメンバーだ。
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ホラーとして怖かったのは、『黒髪』で長い黒髪が布団の上でザワワとうごめくシーン。
雪女の岸惠子の白塗りは今どきのJホラーの大元みたいなものだけど、ベルトコンベアに乗ってるかのように、ススーっと移動するのは妙に不気味だった。

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なんといっても圧巻なのは『耳なし芳一の話』でしょう。
冒頭から、壇ノ浦の戦いを丁寧に描いていて、絵巻物を交えた描写は歴史ものとしても観る価値がある。
有名な話ではあるけれど全身に経文を書き込んだ芳一のビジュアルにも圧倒される。
しかも武士の亡霊が芳一の耳をちぎるシーンが思いのほか執拗なのよね(汗)
多分アニメか本で見たそのシーンは簡単に両手でぶっちーっとちぎっていた印象だったのに、映画では結構時間をかけ、力づくでもぎっていて、もうやめて~と思ってしまった。
芳一を迎える平家の亡霊たちも哀れにして美しく、鬼火の飛び交う墓場で弾き語る琵琶も見事。
アート作品としても格式の高い仕上がり。181分という長い作品ですがこれは観てよかった。

カンヌで審査員特別賞を受賞しています。

【映画】誰のせいでもない

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誰のせいでもない(2015
ドイツ/カナダ/ノルウェー
原題:Every Thing Will be Fine
監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:ビョルン・オラフ・ヨハンセン
出演:ジェームズ・フランコシャルロット・ゲンズブールレイチェル・マクアダムス/マリ=ジョゼ・クローズ
日本公開:2016/11/12

【あらすじ
売れない作家のトーマスはある日運転中に急ブレーキを踏む。
すんでのところで停止し、そりに乗った子供が無傷であることに胸をなでおろすトーマス。
呆然と言葉も出ない子供を家に送り届けるも、母親のケイト(シャルロット・ゲンズブール)はパニック状態で家を飛び出す。

【感想

ヴィム・ヴェンダースジェームズ・フランコを主演に迎えた新作のヒューマンドラマです。
事故の際、トーマス(フランコ)が少年にかけた言葉が原題の「Everything will be Fine」。
実はトーマスの気づかないところで一つの命が失われていたんですが、どうやらそれは「誰のせいでもない」事故として処理された様子。トーマスは恋人サラにも「Every thing will be fine」と報告します。しかしながら事故はトーマスやサラ(レイチェル・マクアダムス)、事故にあった少年一家の運命を変えていくんですね。
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お咎めなしとされたとはいえ、事故が心の底の澱となってしまうのは理解できます。
レイチェル・マクアダムス演じるサラとの関係も、ともに事故のトラウマにとらわれた状態でいたわり合うのは難しい。
 

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けれどトーマスは編集者アン(マリ=ジョゼ・クローズ)家族と出会い、癒しを見つけることができたんでしょう。心に余裕ができて初めて同じように傷を負った人の心を包んであげることもできたのだと思う。
法的責任はなくても、被害者家族に対する心的責任を負ったトーマスが、新たに負う自身の家族への責任等、淡々とした中にリアルな現実が盛り込まれてますね。
 

ゆっくりと時間をかけてトラウマから解放され成長する話でもあり、11年の歳月の重みも感じます。

今回は2Dで見たけれど、奥底を表現するのに用いたとする3Dがどんなものなのか見たかったかも。もちろん2Dでも、枠越しや、ガラスに景色を反射させる手法などを用いた映像が印象的で、雪の景色の美しさは特筆すべきものがありました。
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フランコ君はフラットに演じることに徹しているように思いましたが、意図的に演出されたものなのかな。
正直淡々としてスローなので、途中寝たとしても「誰のせいでもない」・・気がする(汗)

終わってみれば原題の「Everything will be Fine」には前向きな希望を感じますね。
邦題とは少しギャップが・・コホンコホン・・

【映画】ある一点に向かって運命が交錯する『イレブン・ミニッツ』

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イレブン・ミニッツ(2015
ポーランド/アイルランド
原題:11Munites
監督/脚本:イエジー・スコリモフスキ
出演:リチャード・ドーマー / パウリナ・ハプコ / ヴォイチェフ・メツファルドフスキ/  アンジェイ・ヒラ/  ダヴィッド・オグロドニック/  アガタ・ブゼク/ ピョートル・グロヴァツキ/ ヤン・ノヴィツキ/ イフィ・ウデ
日本公開:2016/8/20

【あらすじ

ホテルの一室で面接を受けようとする女優のアンナ、アンナを連れ戻したいやきもちやきの夫、ドラッグを届けるバイク便の男、ホットドッグ屋、画家、パラメディック、シスターたち・・それぞれの5時が始まろうとしていた・・

【感想
『アンナと過ごした4日間』『エッセンシャル・キリング』のイエジー・スコリモフスキ監督の新作は、女優アンナ(パウリナ・ハプコ)とアンナを面接する自称映画監督(リチャード・ドーマー)、面接を阻止しようとホテルに踏み込む女優の夫(ヴォイチェフ・メツファルドフスキ)のエピソードを中心に様々な人の5時からの11分をで描くちょっと変わった群像スリラーです。
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11分といっても、簡単なエピローグがあって、登場人物は携帯カメラや防犯カメラでを紹介されます。
低飛行でジェット見たり、5時を告げる時計台の鐘の音を聴いたりすることから、彼らが同じ街で同じ時間を共有していることがわかってくる。
彼らは街ですれちがったり、同じビルを眺めたり。
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そしてひとたび運命が時を刻み始めると、ある運命の一点に向かって集結するのです。
袖振り合うも多生の縁といいますが、スピリチュアルな視点でいえば全てははじめからプログラムされていたこと。ジグソーパズルのピースは運命共同体なのです。
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11という数字やジェット機のシーンなどは否が応でもNYの同時多発テロを思い出しますが、監督は本作で911を表現したわけではないと言います。
ただし、ニュースで見たジェット機の映像はトラウマ的に残ったそうで、そのイメージから解放されるために映画に取り入れたというから、まったく関係ないとは言えないのでしょうね。
2012年に息子さんを亡くしたことも、運命について考えるきっかけになったのかな。
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効果音にもあおられ、ドキドキしながら「その時」を迎える至福。
再見すると一度目に気づかなかったことも発見できて一層楽しめます。
あの「黒い点」は予言なのか、はたまた宇宙侵略なのか。
最後まで答えを見出せないとしてもそれも面白さのうち。
77歳のイエジー監督の遊び心には感服です。


プロフィール

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Author:pu-ko
アリスのさすらい映画館にようこそ。

映画の感想や好きな俳優のあれこれを気ままに綴ってます。
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